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平成20年第4回定例会(第3日) 名簿 開催日:2008-09-17
平成20年第4回定例会(第3日)  本文 開催日:2008-09-17

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  1. 福岡市議会 2008-09-17
    平成20年第4回定例会(第3日)  本文 開催日:2008-09-17


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時 開議 ◯議長(川口 浩) これより本日の会議を開きます。  日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。藤本顕憲議員。 2 ◯25番(藤本顕憲)登壇 皆さん、おはようございます。私は、福政市民クラブの藤本顕憲であります。  私は、新こども病院とアイランドなど、東部地域の交通体系についてお尋ねいたします。  現福岡市立こども病院感染症センターは、もともと今の場所にあった伝染病専門病院市立荒津病院、そして、今の成人病センターの場所にあって、老朽化著しかった一般病院市立西新病院、そして、屋形原にあった市立少年保養所の3施設が統合され、昭和55年に福岡市立こども病院感染症センターとして、荒津病院跡地に発足しました。以来、現病院は既に築28年、老朽化、狭隘化が著しく、その建てかえが必要であると言われてまいりました。いよいよ、今議会に新こども病院の用地取得議案が提案され、本議会の活発な議案質疑によりその全貌が明らかになってまいりました。  私もいろいろ新こども病院についてお尋ねするつもりでありましたが、もともと医療については門外漢でもありますし、専門的な知識もありません。質疑でほとんど議論が出尽くした感がありますので、重複を避け、この際改めて新こども病院の建設が予定されているアイランドシティ事業の基礎的指標の全体像の再確認、その現況と工事、土地処分の見通しについてお尋ねいたします。  まず、ふくおかアイランドシティは、みなとづくりエリアの市工区と博多港開発株式会社工区のまちづくりエリアの2つに分かれていますが、各エリアの埋め立て竣功の進捗状況についてお尋ねいたします。  また、完成に至るまでの市工区、博多港開発株式会社工区の総投資額は幾らになるのか。  現時点で、各エリアにおける土地処分の成果はどうなっているのか。  また、土地処分の見通しはどうか。  現在の進出企業数とその雇用就業者数、並びに目標就業者数は幾らになるのか。  現在の住宅完成戸数、居住者人口と目標人口は。  最後に、特筆すべき港湾事業または施設はということで、港湾のアイランドシティ事業の現況をお尋ねする次第であります。  次に、東部地域の交通体系、特に国営都市公園海の中道海浜公園とアイランドシティへの自動車専用道路、その導入及び交通アクセスについてお尋ねいたします。  吉田市長は昨年12月議会において、私が福岡北九州都市高速道路事業の総点検について御質問いたしましたが、平成24年に全事業の完成を考えるとき、今その見直しの時期にあるとの認識を示されました。実は市長、その認識は大変重いお答えであります。いま一度、その答弁の重みをかみしめていただきたいと思います。  私は平成10年、博多港地方港湾審議会に県会議員として参加した折、ちょうど現在の海の中道大橋の整備状況についての報告がなされておりました。片側2車線の4車線道路とし、先に港湾予算で2車線、つまり現在の橋ですが、将来街路予算で2車線、計4車線とするというものであります。  私はその折、国営海の中道海浜公園は国が定める都市公園であり、公園から半径200キロメートル、北は山口県から宮崎県北部、熊本、佐賀、長崎各県の人たちのための広域都市公園であります。  したがって、公園所在市の福岡市は道路交通網の整備を行い、広域から訪れる皆さんの交通利便性を確保する責任がある。
     2つ目は、福岡北九州都市高速道路は、その都市高速道路法の内規により、都市機能、例えば駅、空港、港湾、都市公園、シティホールなど主たる公共施設を直結するものと定められております。例えば、今の現況からいえば、空港の手前でおり、博多駅の手前でおり、港湾の手前でおり、直結をしていないという現状がある。これも点検の対象にしたわけでありますが、そういうふうに定められております。  この2つの視点から、将来、都市公園海の中道に都市高速道路を導入することを想定して、海の中道大橋の橋脚の構造を考えておくべきであるとただしたのであります。  その折の市の答弁は、港湾局の立場の人と記憶していますが、今のところ都市高速と併用する考えはありませんとのことで、私も将来必ず必要となる道路を考えずに、こんな無駄なことをしてはならないと反論いたしておきました。  今思えば、あのころから海の中道海浜公園、アイランドシティを含む東部地区の道路交通システムを、自専道導入の計画調査研究をしていればと、この10年間の時間の空白が惜しまれてなりません。  そこでお尋ねいたします。  新青果市場の計画、新こども病院やあるいは大型集客施設等の計画を踏まえて、自専道すなわち自動車専用道路の必要性が声高になっていますが、それ以外にも既に進出している企業、また進出を計画中の企業、今居住されている人々、あるいはその計画中の人々、本市事業への理解者、協力者の不安を払拭するためにも、アイランドシティを含む東部地区内外との交通アクセス、特に自動車専用道路については早急に今後の明確なスケジュールを市民にお示しをする必要があると考えます。  そこでまず、一般論として自動車専用道路の1つである都市高速道路を整備するまでの手順、手続についてお答えください。  また、夏場の休日などには志賀島、海の中道海浜公園などに向かう車等で上下線とも西戸崎、雁の巣レクリエーションセンター前交差点、アイランドシティ島内、時には香椎浜ランプ都市高速の上まで渋滞が続くことがあります。この現状は喫緊の課題として対策を講じるべきであると考えます。  そこでお尋ねしますが、雁の巣レクリエーションセンター前交差点の改良や海の中道大橋の4車線化はいつまでに整備することになっているのかお答えください。  以上、1回目の質問を終わり、2回目からは自席にて行います。 3 ◯議長(川口 浩) 岩瀬港湾局長。 4 ◯港湾局長(岩瀬信一郎) アイランドシティ整備事業埋め立て竣功状況についてのお尋ねでございますが、現時点におきまして国工区、市工区及び博多港開発株式会社工区を合わせましたアイランドシティ全体では、約401.3ヘクタールのうち約265.2ヘクタール、約66.1%が埋め立て竣功済みでございます。このうち、みなとづくりエリアにおきましては、国工区及び市工区を合わせました約209.5ヘクタールのうち約132.7ヘクタール、約63.3%が埋め立て竣功済みでございます。  また、まちづくりエリアにおきましては、博多港開発株式会社工区約97.2ヘクタールのすべてが竣功済みでございます。さらに、市5工区につきましては、約94.6ヘクタールのうち約35.3ヘクタールが竣功済みでございまして、まちづくりエリア全体では約191.8ヘクタールのうち約132.5ヘクタール、約69.1%が埋め立て竣功済みでございます。  次に、アイランドシティ整備事業における市工区及び博多港開発株式会社工区の総投資額についてでございますが、平成16年度に策定いたしました現行の事業計画におきましては、市工区につきましては、港湾整備事業特別会計及び一般会計を合わせまして約2,548億円と見込んでおります。また、博多港開発株式会社工区における事業費は約819億円と見込んでおります。  次に、土地分譲の成果についてでございますが、みなとづくりエリアの港湾関連用地につきましては、平成15年度からこれまでに6社に対しまして、合計約9.3ヘクタールを分譲したところでございます。また、まちづくりエリアにつきましては博多港開発株式会社工区におきまして、平成19年度末までに分譲計画面積約79.6ヘクタールのうち約66%に当たります約52.5ヘクタールが分譲済みとなっており、また、センター地区を初めとする5区画、約10.3ヘクタールにつきまして、提案公募がなされ、現在審査中でございます。  次に、今後の土地分譲の見通しについてでございますが、みなとづくりエリアの港湾関連用地につきましては、今年度公募いたしました区画に約5.1ヘクタールの申し込みをいただきまして、既に分譲予定者1社を決定しているところでございまして、今後とも計画に沿った分譲に努めてまいります。  また、まちづくりエリアにつきましては、先ほど御答弁いたしましたように、博多港開発株式会社工区におけるセンター地区等の提案公募につきまして、現在審査を行っているところでございます。今後とも、早期の土地分譲に向けまして基盤整備等を進め、積極的な分譲に取り組んでまいります。  次に、現在の進出企業数等についてのお尋ねでございますが、進出企業数につきましては事業予定者を含めまして、港湾関連事業者や社会福祉法人等8月末時点で15社となっております。また、従業者数につきましては、アイランドシティ全体では最終的に港湾関連産業、健康、医療、福祉関連産業などで約2万2,000人を見込んでおります。  次に、現在の住宅戸数等についてのお尋ねでございますが、8月末現在で住宅供給戸数につきましては、分譲及び賃貸を合わせまして約1,500戸、このうち契約済み戸数は約1,000戸でございまして、居住者につきましては約2,200人となっております。また、計画人口につきましては約1万8,000人を見込んでいるところでございます。  次に、アイランドシティ整備事業における特筆すべき港湾事業等についてのお尋ねでございますが、博多港におきましてはここ数年、海上コンテナ貨物取扱量が毎年約6%程度ずつ伸びてきている状況でございまして、昨年度は約75万TEUと過去最高を記録したところであり、このうちの約4割、約30万TEUはアイランドシティで取り扱っているところでございます。  一方、国におきましては、昨今の東アジアの著しい経済発展など、我が国を取り巻く状況の変化を受けまして、産業の国際競争力を強化することを目的として、国土交通省が新規施策として臨海部物流拠点の形成を打ち出したところであり、先般、博多港が国内で初めて同施策の対象とされ、アイランドシティみなとづくりエリアの一部がその対象区域に指定されたところでございます。  また、この秋には現在のコンテナターミナルに連続して、耐震岸壁を備えた水深15メートルのターミナルを供用開始する予定であるほか、国内最大級の規模を誇る複合型の物流施設の立地が決まるなど、アイランドシティの港湾機能はさらに高まりつつあるものと考えております。  さらに、まちづくりエリアにおきましても、先進的なモデル都市づくりを目指して照葉のまちや超高層マンションなどによる住宅プロジェクトが進められるとともに、ふくおか健康未来都市構想を推進するひざ関節、股関節の外科専門病院等の立地が決まるなど、新しいまちづくりが着実に進んでいるところでございます。以上でございます。 5 ◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。 6 ◯道路下水道局長(坂田憲治) お尋ねの新たな自動車専用道路を都市高速道路として整備する場合の一般的な手続についてでございます。  まず、自動車専用道路として位置づけるために、ルートや基本的な構造等について、都市計画決定を行い、福岡市の市道としての路線認定及び自動車専用道路の指定がございます。  次に、自動車専用道路、都市高速道路として整備する場合には、地方道路公社の業務に新たな路線を追加する基本計画についての国の認可及び事業期間や事業費等に関する整備計画についての国の許可がございます。その後、都市計画事業として実施するための都市計画事業認可の手続を経て、事業に着手することとなります。  次に、お尋ねの道路整備の目標時期でございますが、雁の巣レクリエーションセンター前交差点の改良につきましては、平成23年度末の完成を目指してまいります。また、海の中道大橋の4車線化につきましては、新病院の供用開始にあわせた完成を目指してまいります。以上でございます。 7 ◯議長(川口 浩) 藤本顕憲議員。 8 ◯25番(藤本顕憲) 港湾局と博多港開発が表裏一体となって工事の竣功と用地の販売促進に全力を傾注されていることが理解できましたが、さらに一段の努力を期待します。振り返って、本市の最大課題は財政の健全化であります。一般会計、特別会計合わせて3,300億円に上るアイランドシティ事業の終息はとりもなおさず本市財政健全化の最大の目標であり、1日でも、一月でも、1年でも早く市民の皆さんに安堵してもらわなければなりません。そこで、市の職員の総力を挙げた努力に力を与えるためにも大きなセールスポイント、いわゆる目玉が必要です。それはアイランドシティの目玉として、既に本市第1号の小中一貫校として開校された照葉小学校、照葉中学校であり、一貫校の教育効果を市民に明らかにする関係者の努力が求められます。  その2は、アイランドシティ中央公園であります。最近では、毒グモの問題でちょっと騒がれておりますが、これは蔓延しないように、ぜひ関係業界に協力を要請されて、もう一挙、一網打尽にこれを駆除していただきたい。あの広いところをちょこちょこ2、30人でやってもらちが明かないと思っていますので、近所もみんな心配しております。ぜひひとつこれは目玉商品の公園でありますので、安全・安心の確保にぜひ努めていただきたいと思います。  それからまた、まちづくりの最大の核となる施設は、新たに高いレベルの機能を持つ複数の施設整備であります。こども病院に加えて、何らかの医療機能の集積が望まれます。すなわち、成育医療機能をあわせ持つ市民のための病院として、あるいはまた予防医学の観点から、箱崎からも香椎パークポートアイランドシティで働く人々のための産業医の機能を持つ高度医療コンプレックスなどを整備すべきであると考えます。市の見解を求めます。アイランドシティで働き、住む皆さんにとって、将来に向け安全、安心を保障する最大の目玉になると思いますが、いかがでしょうか。  ただし、厳しい財政難の折から行政と市民の英知を結集して、財政生産性の高い研究、工夫が必要であることは当然であります。所信をお尋ねいたします。  そして、こども病院の場所の選定については、市民のさまざまな声が寄せられたことは市政に大変緊張感を生み、市政への市民参加の貴重な機会であると私は評価いたします。  しかし、私は公有水面埋立事業や区画整理事業など市の開発事業は本来、公用地の確保が事業目的の第一であると考えるものであります。振り返ってみますと、埋め立てと区画整理で本市の市の形は成形されてきました。その成果が随所に見受けられます。  古い昔のことは存じませんが、例えば、塩原土地区画整理事業では南区役所、南市民センターが生まれ、高宮再開発では女性センター・アミカス、古くは祇園町から600メートル南へ移動した現博多駅は区画整理の成果であり、博多駅周辺のまちづくりに厚みを加えています。  最近では、香椎ヤードの区画整理で東消防署が完成し、また、東区民待望の東市民センター建てかえを中心とした副都心公共施設整備の取り組みも進んでいます。  公有水面埋立事業では、マリナタウンに市立福岡女子高校、百道では市の博物館や美術館、中韓両国総領事館やドーム球場、そして国立九州医療センターなどが整備され、博多船溜まりや中央ふ頭には福岡サンパレス、福岡国際センター、福岡国際会議場、マリンメッセ、博多港国際ターミナル等が目立ちます。  申し上げるまでもなく福岡市は、市民の8割、9割弱が第3次産業で生活を営んでいます。サービス業で生きているまちです。これを箱物と言えば箱物でありますが、すべて都市機能、人が集まることが唯一最大のエネルギーであるこのまちにとりましては、必要不可欠なこういった施設が整備されたのであります。  したがって私は、私の感覚では、アイランドシティに新こども病院の立地を考えるということは、本市財政と市民の御負担を考えるとき、財政の効率的な活用を図られたことと、ごく自然な選択であると私は理解しております。そこで改めて、新こども病院アイランドシティ立地への経緯あるいは考え方をお尋ねいたします。  アイランドシティセールスポイントのもう1つの目玉は、道路交通アクセスであります。百道の事業を反省すると、交通アクセスのあり方は埋立事業の当初から一体的に構想され、そのコストは土地処分価格に含んで土地の販売をすべきだったと私は思います。  後づけの整備は高いものにつきます。個人の住宅でも振り返ってみるとそうです。家は建っても家具や家財を買う金がない。これが従来で、今はもうこれ一括して課すようになっていますけどね。だから、最初から土地代に入れてやらなきゃならんかったと思います。  ところが、このアイランドシティでも同じ轍を踏んでいるんですね。鉄道の計画でも、やっぱり最初の土地処分価格の中に原価を入れておけば、それは高く感じるかもしれないが、最終的に安く感じるものになる。これはやはり、ちょっとその点は残念といいますか、そういう考えであります。そこで、遅くなりましたけれども、とにかく道路整備を急がなきゃなりませんし、交通アクセスの整備や、特に自動車専用道路を初めとする海の中道やアイランドシティを含む東部地域全体の交通計画はどのようなお考えであるのか、お尋ねいたします。  以上で2回目の質問を終わります。 9 ◯議長(川口 浩) 岩瀬港湾局長。 10 ◯港湾局長(岩瀬信一郎) アイランドシティにおける高度医療コンプレックス整備などについてのお尋ねでありますが、アイランドシティでは子どもから高齢者まで、だれもが健康で生き生きと暮らせるまちづくりを目指し、ふくおか健康未来都市構想を推進しているところでございます。  この構想は、高度専門医療機関を中心とするメディカルコア機能のほか、研究開発・ビジネス機能、福祉・居住機能の3つの機能を有機的にネットワーク化するものであり、これまでに股関節、ひざ関節外科専門病院特別養護老人ホームシニア向け分譲マンションの立地が決まっております。  今後につきましても、この構想の実現に向けまして議員御指摘の点も考慮しながら、健康、医療、福祉分野の企業誘致に努めてまいります。以上でございます。 11 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 12 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 新病院についてお答えをいたします。  整備場所をアイランドシティに決定した経緯等につきましては、病院事業運営審議会の答申で示されました新病院が担う医療機能などを踏まえまして、利便性、救急面、経済性、敷地の活用性、療養環境、周辺環境、まちづくりの視点など、総合的な観点から検討を行いまして、市民説明会も実施した上で7月末に決定したものでございます。  特に決定に当たりましては、医療の質の確保、向上を図るという見地から、敷地の活用性と療養環境を重視したところでございます。以上でございます。 13 ◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。 14 ◯住宅都市局長(松本法雄) 海の中道やアイランドシティを含む東部地域全体の交通計画についてのお尋ねでございますが、これまで東部地域を取り巻く交通課題として、海の中道方面への交通混雑など、特に南北方向の交通容量が不足していることやアイランドシティから発生する新たな交通需要などに対応するため、アイランドシティの事業進捗とあわせ、南北方向の主要な幹線道路となる海の中道アイランド線香椎アイランド線などの都市計画決定を行い、幹線道路のネットワーク化を図ってまいりました。  現在、国営海の中道海浜公園の整備促進とともに、青果市場やこども病院の移転を初めとするアイランドシティの土地利用の具体化などを踏まえ、東部地域全体の広域的な交通への一層の対応を図るため、アイランドシティへの自動車専用道路の導入に向けた検討を進めているところでございます。検討に当たりましては、自動車専用道路が広域交通を担うことから、国、県など多くの関係者の合意形成を図る必要がございます。したがいまして、関係者との協議、検討を進めるとともに、関係局とも連携を深めながら幹線道路ネットワークの強化を図るための都市計画決定に向け、今後とも、積極的に取り組んでまいります。以上でございます。 15 ◯議長(川口 浩) 藤本顕憲議員。 16 ◯25番(藤本顕憲) 港湾局長のお答えでございましたが、それから、松本住宅都市局長のお答えでもありましたけれども、いずれにしても、土地処分をとにかく急ぐ、この3,300億円をとにかく一日も早くなくすと。このためにはいろんな顧客を発掘せねばなりませんけれども、そういうこの目玉になる施設は計画段階であっても1つの青写真をお示しする、こういうふうになりますよと。それはうそをついちゃいけませんけれども、過大広告もいけませんけど、間違いない計画は一日も早くやはり営業サイドで使うということだろうと思います。道路もそうだと思うんですね、こういうふうになっていきますと。  だから私はきょうは、金もない時代に入ってきていますので、何もかも聞くわけいきませんけれども、例えば、古い先輩議員連中からいつも若いお前たち頼むぞと言われよったのは、例えば、埠頭間の道路を早くつくらにゃいかんと、百道までですね。これは部分的にでき上がりつつありますけれども、東のほうの一番の問題点は、多岐にわたる道路を整備しても出口が1カ所、2カ所、3カ所ぐらいしかないということなんです。これが渋滞の原因なんですね。だから、もう1本、実は都市高速沿いに、もう1本私は、湾岸といいますか、埠頭間道路といいますか、これはもうどうしても将来的には整備しないといかん。特に魚市場のところあたりは沈埋工法でやったらどうかという案もあったんですけれども、とにかく百道のほうにはもう道路がつながっていますから、この分散機能をどう確保するかということはぜひ検討いただきたい。  とにかく、今お話しになったような計画を早く立てられて、それを早く表に出して、そして先買いをする、これは将来いいものになるぞと、今のうち買っておこうという気にさせるような、そういう集中力で機能集積を図っていただく、道路整備の計画を行っていただくということが必要であると申し上げておきます。  さて、フランスの社会思想家ジャン・ジャック・ルソーは、その著書「エミール」の中で「子どもは小さな大人ではない。子どもは子ども本来の姿としてとらえるべきである」と述べ、第11代九大総長、遠城寺宗徳先生が、医療の観点からも全く同感との趣旨からよく使われていた言葉であります。  また、小児科医の先生方は、子どもは大人のミニチュアではないとも表現します。遠城寺先生も小児科医であられたが、遠城寺先生の高邁な理念に感銘を受けた時の進藤一馬市長が、全国初の市立こども病院・感染症センターの設立へと英断を下されたのであります。  昨今は、こういう高邁な理念とか思想とか哲学というのを踏まえて、そして市民、国民のためにこういう政策をやろうという、そういうことが非常に少なくなってきた。やっぱりこういう深い感銘を与える言葉に基づく事業は永続するわけです。  私は、遠城寺先生のこの言葉を大事にされたということ、進藤先生がこの精神に共鳴されたということに限りない福岡市民として誇りを感じます。  そういう気持ちでつくられた病院は、北は北海道から南は沖縄まで、全国でも有数のこども病院、専門病院として歴代の関係者の大変な御努力で、その実績を残してこられた。そういった皆さん方のためにも、経営の健全化はもちろん、将来のさまざまな変化にも対応可能で、高い機能を持つ新病院の整備が不可欠であると考えますが、現在の構想案ではどのような病院整備を目指しているのか。歴史を踏まえ、かつ先見施策として病院に対する考え方、病院観をお尋ねします。  また、あわせて本市西部地区における小児2次医療の提供体制について、九州医療センターあるいは浜の町病院など、具体的連携の姿、協議会を設置するという答弁がきのうからあっておりましたけれども、具体的に覚書を交わすなり、関係者が集まって1枚の写真におさまって、そういう不安を持つ皆さん方に安心感を与える、そういう作業を一日も早く行うべきだと思います。  移転を不安に思っている市民の皆さん方が少しでも安心される、そういう作業へ向けて、ぜひ頑張っていただきたいんでありますが、市長の所見をお伺いします。  また、この際、私は西郷隆盛を尊崇している者でありますけれども、進藤一馬市長はその風貌が、私は西郷南州に直接お会いしたことありませんから想像の世界なんですけれども、非常にあのお人柄に、もう限りなく尊敬の念を持っておりました。この市長が、あるとき大博通りで1カ所、土地の立ち退きができなくて道路が貫通しない、用地買収で強制収用をかけることになる。修猷館高校の前にもう1カ所ありましてね、これも土地収用をかけようということになりました。  時の建設省から来られた助役がおられまして、この助役が市長に呼ばれて、土地収用法の説明に行った。あの望洋とした進藤先生が1時間半、事細かに、その関係市民のことを熟知されておりまして、そして、1時間とうとうとしゃべられたそうです。そして、最後に言われた言葉が、あたきは市民と争いとうないったいな、助役頼むばい、と言われたそうです。  市長というのは市のおやじです。いろんな意見があって、それは全部家族の声だと思って聞かなきゃならん。その1つ1つの意見に、本当に愛情を持ってこたえていく。それが市長の立場であり、市長の役割だと私は思います。進藤先生が、市民と争いたくないっちゃんなと言われたこの言葉を、本当に僕はすばらしいなと。その言葉を聞いた関係者が、すぐ用地買収に応じていただきました。市長のそのお気持ちが通ったんです。桜の話でも有名ですけどね。土地収用法を適用せずに済んだ市長の心配り、熱い気持ちが市民を動かした、こういうこともあります。  今回、市民の非常な注目を集めているこども病院でありますけれども、心配されている方もおるのも事実だと思うんですね。こども病院の近くに家を構えた人もおるということを、いろんな運動をされている人からも聞きました。それは大変切ないことでありますけれども、そういういろんな立場の人がおります。しかし、全市的な判断から、アイランドシティに市長が決めるということであれば、それはそれで1つの決断だ。だから、物事が通っても、完成しても、できるだけやっぱりいろんな人に丁寧な説明をするということは極めて重要であるということを申し添えて、市長の所見をお伺いします。  先ほどから申し上げているように、後手後手に回っている感のあるアイランドシティ内外の道路交通アクセス、その切り札は自動車専用道路の導入であると考えます。私も微力を省みず、道路ばかと言われるほど道づくりを政策テーマとしてまいりましたが、今ほど市の声が聞こえてこない、市の考えが見えないとの不満を国、県等の関係者から聞くことは初めてであります。  今年度から住宅都市局、道路下水道局と再編され、道路計画は住宅都市局、担当は鶴川副市長、道路整備は道路下水道局、担当は高田副市長だとお聞きしておりますが、道路づくり、国の道路財源も今や風前のともしびで、来年から一般財源化される。あるいは万々が一のことがあったら政権が変わりでもすれば、道路特定財源を廃止すると、こう言っているんですね、2兆7,000億円。これは連続立体交差事業から区画整理からすべてに道路特会が入っていますから、道路だけじゃないんですよ、この予算はね。大変な影響を受ける。そういうときに、失礼だけど、坂田局長が1人で走り回っている。彼は下水道局という大局を担っている。みんな関係者は判こを押してもらうように並んで待っている、なかなか時間がとれない。そんな体制で、外に向かって福岡市はこういうことをお願いしたいと言えると思われますか。声が聞こえると思いますか。内部では手分けして結構です。しかし、外に向かっては、道路というのはやっぱり道路の専門家がやるべきだと私は思います。そういった体制をつくられて、きりでもむような鋭さで国に突っ込んでいかないと、もう今までみたいに簡単に予算が取れる時代じゃ全くありません。  そういった意味で、アイランドシティ、海の中道、東部地区の交通体系整備、これはアイランドシティ事業やこども病院に関係なく、もともとこれは当然やるべきことであったことがおくれてきておるわけです。  私は外環を見るときに、ちょうどいいときに始めたと、あれ今ごろ始めたらとてもじゃなかった。やっぱりタイミングが事業には大事なんですね。ぜひひとつこの体制を、強力な体制を組んで、外に向かって福岡市の考える道路政策を訴える、そういう体制を早急にとっていただくことを要望したいと思います。  そういった意味で、市長のお考えをお尋ねしたいと思います。以上で、私の質問を終わります。 17 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 18 ◯市長(吉田 宏) 最初のこども病院について、どういった病院観、病院像を持っているかというお尋ねです。議員も御指摘のように、進藤市長の大変な決断のもとに始まったこども病院です。当時は西日本全体をリードする医療レベルも含めまして大変先進的な病院であったわけですが、築後28年たちまして、今の狭隘化、そして狭さ、これは一刻も早く解消しなければいけない大きな問題になっております。  そういう意味で、再び西日本全体の子ども医療をリードするという病院をつくると、これがまず一番大きな病院に対する考え方であります。病院の中身につきましては、何よりも一番大事なのは医療スタッフの確保です。今もう関東の病院など、スタッフがいなくなったということで公立の病院が閉鎖されるというような事態にも追い込まれておりますけれども、すばらしい医療スタッフをどうやって確保するかということが2番目に大変大切なことでありまして、そのためにも、広さ、そして環境のよさといったことを含めて、アイランドシティへの病院移転がふさわしいというふうに考えたわけです。もちろん、そのことによってさまざまな、現在通っていらっしゃる方、大変不便にお思いになる方もいることはよくわかっております。進藤市長がお思いになったように、私もまだそのレベルには行きませんけれども、市民皆さんの全体の利益を考えることが私の責務だと思っておりますし、大変苦しい決断でもありますけれども、しかし、決めるときには決めなきゃいけない。こども病院にしましても、第一には福岡の市民のための病院であります。しかし、これだけ大きな福岡というまちが成長している現在を考えれば、これは九州全体、西日本全体に対しての責任も当然あるわけでありまして、アクセスの問題、もちろん大事なことでありますけれども、この西日本全体の子ども医療を再びリードするんだということも、また大きな一つの病院に対する考え方ではないかと思います。その点につきましては、私の説明不足もあるかもしれませんが、まだこれから1つ1つ理解をしていただくように努力をしていこうと思っております。  また、今のことにも関連しますが、東部地域全体のアクセスの問題です。西のほうに先に高速網が張られた、それから環状線も今度1つ、もう数年うちに福岡全体を包む高速道路体系ができます。そうすると、総体的にやはり東のほうが少し流れが悪いというイメージがあります。しかし、これは先ほど局長からも答弁しましたように、東部全体の道路網の発達というのはこれから先、福岡都市圏の発展にも非常に大事なことだと思っておりますし、議員が御指摘されたように、アイランドシティの上に病院も含めて、いろんな機能が乗るからということだけではなくて、その向こう側の国立公園へのアクセスも含め、それから、さらに今度は東のほうとの連係も含めまして、非常に大事なことだと思っております。  御指摘の体制については、行財政の簡素化といいますか、効率化のもとに、2つの局を1つにしまして、確かに今、局長1人で奮闘しておられるわけでありますけれども、しかし、我々は必要な社会インフラをつくると、必要なものは要るということについては、これまでどおりしっかりやっていこうと思っておりますので、少しコンパクトに行政組織がなったように見えるかもしれませんが、市民のためにしっかりインフラは整備していくということについては何も変わっておりませんので、ぜひこれからも御支援をいただきたいと思います。 19 ◯議長(川口 浩) 木村幾久議員。 20 ◯63番(木村幾久)登壇 おはようございます。  私は、社民・市政クラブを代表いたしまして、福岡空港問題並びに教職員の採用、以上2点について質問をいたします。  まず初めに、福岡空港問題についてお尋ねをいたします。  現在、福岡空港の混雑問題を解決するため、2003年度から国、福岡県、福岡市が連携して福岡空港の総合的な調査を実施しており、本年度はいよいよ最終段階であるPIステップ4を実施すると聞いております。福岡空港の将来対応問題は、本市の将来にとって極めて重要な課題であると思いますが、一方で国、県、市にとって厳しい財政状況もあり、将来の経済や福岡空港の利用者の動向、パブリック・インボルブメントにおける市民意見などを勘案し、慎重に対応する必要があると思っております。  ところで、7、8月のマスメディアでは、福岡空港の過密化対策におきまして、国土交通省は空港を新宮沖に絞ったとか、事業費が最小の滑走路増設改良案が有力であるとの報道がなされておりました。また、9月15日の西日本新聞朝刊では、今月中に公表されるであろうステップ4の報告概要が明らかになったとして、滑走路増設案と新空港案の代表案について、それぞれの事業効率性の試算結果が報道されております。福岡空港の対応方策について、このようにマスコミ報道がなされている中、主にマスコミ情報しか情報源がない市民の皆さんには、空港についての経過が十分わからず、困惑されているのではないかと思っております。  そこで、福岡空港のあり方に関する検討状況は現在どうなっているのか、お尋ねをいたします。  次に、教職員の採用についてです。  皆さん御承知のとおり、大分県教育委員会で発生した教員採用試験をめぐる不正事件が7月以降、連日連夜にわたって報道されておりました。子どもたちの健やかな成長に大きな役割を果たすのが教師でありながら、その採用において不正が行われていたことは、子どもや保護者の信頼を大きく裏切るとともに、教職を目指す資質ある人材の意欲を損なう深刻な問題であります。本市では、一昨年度の教員採用試験問題漏えい事件を踏まえて、再発防止と市民の信頼回復に向けて、教員採用試験のあり方について大幅な見直しが図られてきたと伺っております。  そこで、この漏えい事件を受けて、本市はどのような見直しを行ったのか、お尋ねいたします。  次に、近年、この難関をくぐり抜けて採用された新規採用教員において、早期退職者が出ているとの話を聞きます。そこで、採用後1年以内に退職した教員数が、過去5年間において小学校、中学校及び特別支援学校を合わせて何人だったのか、お伺いをいたします。
     また、本市における採用後1年以内の退職教職員数は、ほかの政令指定都市と比較してどうなのか、どの程度であるのかお伺いをいたしまして1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。 21 ◯議長(川口 浩) 中島総務企画局長。 22 ◯総務企画局長(中島紹男) 福岡空港のあり方にかかわる検討状況についてでございますが、今年度は総合的な調査の最終段階となりますパブリック・インボルブメント、いわゆるPIと申しておりますが、PIのステップ4といたしまして、現空港における滑走路増設案及び新空港案について、比較評価を行い、方向性案の作成を行うことといたしております。  現在、レポートの作成など、PIステップ4の実施に向けた準備を行っているところでございまして、国、県、市による調査連絡調整会議を開催してレポートの内容を確定した後、おおむね4カ月にわたって市民の皆さんに調査情報を積極的に提供して御意見を伺うということにいたしております。以上でございます。 23 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 24 ◯教育長(山田裕嗣) 試験問題漏洩事件を受けての教員採用試験の見直しについてのお尋ねでございますが、まず、採用試験に関する機密情報の管理の徹底を図るために、試験問題や選考資料の保管、複写、持ち出し、廃棄を行う際に遵守すべき事項の厳格化、それから、試験問題の作成や採点を行う専用の作業室の設置と使用ルールの明確化、電子媒体情報のセキュリティーの強化などを行うとともに、新たに情報管理マニュアルを策定し、これらの徹底を図っております。  また、試験の公正性の確保を図るため、従来から実施しております選考委員会による合格者の選考などに加えて、所管の教職員部を中心とする限られた職員による責任体制の確立、面接官への民間企業人事担当者や臨床心理士の登用、各業務段階ごとでの複数職員による複数回のチェックの徹底など事務処理の適正化を行っております。  なお、これらの見直しとあわせて、より人物を重視した選考試験となるよう、面接試験や模擬指導試験を充実するなど、試験内容の見直しを行うとともに、教員への多様な人材の確保を図るため、社会人経験者やスポーツ、芸術に顕著な実績を有する人材を対象とする特別選考での採用試験を実施いたしております。  次に、条件つき任用期間である採用後1年以内に退職した教員数についてですが、平成15年度から平成19年度までの5年間で合計11名となっております。  また、他の政令指定都市との比較についてですが、既に文部科学省が公表している平成14年度から平成18年度までの5年間の統計に基づいて算出した、採用者100人当たりの条件つき任用期間中の退職者数で比較しますと、当時の政令指定都市12市の平均が1.39人であるのに対して、本市は0.63人となっており、多いほうから8番目となっております。以上でございます。 25 ◯議長(川口 浩) 木村幾久議員。 26 ◯63番(木村幾久) 福岡空港のあり方についてですが、現空港は大変利便性がよくて、新しく空港をつくるとなると財政的な面で大変厳しい課題があるのじゃないかと思っております。この福岡空港は、本市のみならず九州・西日本地域における経済、文化、学術交流など、さまざまな都市活動や市民生活に貢献している重要な都市基盤施設となっております。  一方、中国を中心としたアジアの国々は、現在急速に経済成長を続けております。先日、私はソウル、クアラルンプール、香港を訪れる機会があったのでございますが、いずれの都市も非常に活気があり、その交流基盤であります空港も立派なハブ空港が整備されておりました。今後、間違いなく世界有数規模の経済圏に成長していくことが見込まれており、アジアに近い本市にとって、その成長エネルギーを取り込むことが、これからも発展し続けていくためには重要ではないかと考えております。  したがいまして、私は福岡空港の機能を強化するためには、何らかの手を打つ必要があると思っております。私どもの会派は、先ほどから述べておりますように、利便性、財政面を考えますと、現空港の滑走路増設改良案が最適であると思っております。  1回目の答弁にありましたように、現在、福岡空港のあり方について、福岡空港調査連絡調整会議で調査を行っており、内容が固まり次第、パブリック・インボルブメント、PIステップ4を実施すると伺っておりますが、今後の予定はどうなっているのか。また、福岡空港の将来対応策の方向性はいつごろ結論が出されるのか、お伺いをいたします。  次に、教職員の採用についてでございます。  答弁で、本市では試験問題漏えい事件の再発防止に向けて、厳格な体制のもとで採用試験が行われているとのことでございました。大分県での不正事件を踏まえて、全国的にも教員採用試験に関するさまざまな取り組みが検討されていると聞いております。多様な角度から採用試験のあり方について検討を行い、市民の信頼が一層得られるように試験を実施していくことは非常に大切であると考えております。  そこで、本市では、今後、さらにどのような視点から教員採用試験のあり方について見直しを進めていくお考えなのか、お伺いいたします。  また、この教員採用試験見直しの1つとして、昨年度、受験年齢の上限を35歳から40歳へ引き上げられました。学校現場では、正規教員のほかに、経験豊かな講師が多数勤務されております。この講師の方々は孟子孔子と言われるぐらい立派な講師の方もおられるわけで、年齢制限により正規教員の採用試験が受験できない優秀な講師の方がおられます。したがって、ほかの政令指定都市では、既に受験年齢の制限の撤廃を行っている都市もあります。福岡市もこの際、40歳に引き上げられたことには感謝申し上げますが、もっと優秀な講師の方を採用するためにも、この年齢制限の撤廃を行ってはどうかと思っておりますが、お考えをお聞きしたいと思っております。  また、学校栄養職員につきましては、この受験年齢がわずか25歳までとなっております。この件に関しましては、ちょっと低過ぎるんじゃないか、もう少し上限を上のほうまで引き上げることはないのか、この件についてもあわせて質問をいたします。  先ほど、新規採用された方の退職の状況についてお尋ねしましたが、厳しい教員採用試験を突破して、高い志を持って採用された教師が、1年もたたずに退職をしていくという現実があります。通算で11名ということですけれども、ある年度、昨年度でしたか、に大変偏っております。6名ほど1年でやめたという経過がたしかあると思います。これは、その人のそれぞれの事情もあるかと思いますけれども、その採用試験制度がそれでいいのかという1つの警笛を鳴らしているんじゃないかと思っております。  私は、いろいろな事情があるかと思いますが、その背景には最近、先生方が大変忙しい、多忙化であるという現状も要因の1つではないかと思っているところです。新規採用教員は、日々の授業はもとより、そのための教材研究、年間を通した学校行事、部活動の指導、テスト採点など、事務処理に加えて、さまざまな会議への出席、勤務時間外にわたる対応など、生徒指導、保護者からの苦情など、いろんな面で大変日々が忙しく、夜中まで職員室の電灯がついているという学校もちらほら見受けられます。2004年度に、本市の教育委員会が調査した教員の勤務実態調査によりますと、教員はおおむね8時ごろ出勤して午後6時半まで、1日当たり時間外活動は平均2時間との結論でございますが、私はそれよりも今はさらに厳しくなっているというふうに思います。6時半ごろ帰っている学校はまずないんじゃないか。どこの学校を見ましても、電気は明々と10時、11時までついているのが現状ではないでしょうか。その調査からわずか3年余りしかたっておりませんけど、学校現場はさらにこの超勤の実態が厳しくなっていると認識しております。  今後、学習指導要領の改訂などにより、ますます教員が多忙となることを懸念しているのであります。もう少し心に余裕、時間に余裕、先生は少し余裕がないと子どもの前で厳しい顔になります。それはだめでございます。もう少し明るい顔で子どもの前に立てるよう、そのためには日常の生活に余裕があることが必要だと思っております。教育委員会として、先生方の勤務にかかる負担の軽減を図るために、どのような方策に取り組まれているのかお尋ねして、2回目の質問を終わります。 27 ◯議長(川口 浩) 中島総務企画局長。 28 ◯総務企画局長(中島紹男) 福岡空港の総合的な調査についてのお尋ねでございますが、総合的な調査におきましては、PIステップ3までの中で、福岡空港の混雑状況を緩和するためには、抜本的な対応方策として、現空港の滑走路増設及び新空港、すなわち滑走路を2本有することが必要であるとの結果を得ており、PIステップ4では、さらに両案の検討を深めることといたしております。  福岡空港の将来対応方策につきましては、PIステップ4が終了した後、国、県、市の間で協議を行いまして、PIでの意見を十分踏まえるとともに、政策的な視点や技術的な視点など総合的な観点から方向性を決定していく予定でございます。その結果、整備の必要があると判断されれば、次の段階である構想段階に進んでいくことになるものと考えております。以上でございます。 29 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 30 ◯教育長(山田裕嗣) 教員採用試験のさらなる見直しについての御質問ですが、特に試験の透明性を高めるとの観点から、これまでの試験問題や解答の公表に加えて、各試験科目の配点や判定基準など選考基準の公表を行うとともに、各受験者への受験成績の開示についても従来の総合判定に加えて、試験科目別の判定を開示するなど、試験の実効性の確保に十分配慮しながら、試験情報の公表、開示に努めてまいりたいと考えております。  次に、教員採用試験の受験年齢の上限についてでございますが、現時点では相応の受験倍率が確保されているため、さらに引き上げる考えはございません。学校栄養職員につきましても、現在のところ高い受験倍率が確保されているため、同じく引き上げる考えはございません。なお、今後、教職員の団塊の世代の大量退職も見込まれることから、受験者数の推移や他都市の動向なども見ながら、必要に応じて検討してまいります。  次に、教員の勤務負担の軽減に向けた取り組みについてのお尋ねですが、事務的な負担の軽減につきましては、教員の出張を伴う行事、会議の精選及び学校事務や学校への照会文書等の簡素・効率化について検討、改善を行っており、今後、教員1人1台のパソコンを年次的に整備し、そのネットワークを最大限活用するとともに、平成21年度には学校給食費の公会計化により、教員の事務の軽減、効率化を図ることといたしております。さらに、保護者からのさまざまな要求等に対応するため、弁護士相談の強化や組織的な支援体制づくりなど学校の支援に努めてまいります。このほか、心身の健康保持の観点から月2回の定時退校日の設定や、年休の取得促進などに取り組むとともに、平成19年5月から時間外活動が長時間となっている教職員に対し、産業医による面接指導を実施しているところでございます。今後とも、こうした取り組みの充実に努め、教員の勤務負担の軽減を図ってまいります。以上でございます。 31 ◯議長(川口 浩) 木村幾久議員。 32 ◯63番(木村幾久) 教員の採用のほうからまずいきたいと思っておりますが、教育長はある程度の受験倍率が確保されておるので引き上げる考えはないと冷たく言われましたけど、もう少し温かい答えを期待しておったんですが。正式に採用された先生方も頑張っていらっしゃいますけれども、保護者や子どもたちに信頼されている講師の先生は本当にたくさんいるんですよ。そういう先生方に限って受験勉強をする時間がなくて、いわゆる点数が低いけれども現場では通用するという先生がたくさんおられます。そういう方にやっぱり光を当てるというか、受験年齢を引き上げるということは今後考えてください。本当にさっきも言いましたけど、孟子孔子と言うぐらいいい先生が多いんです。よろしくお願いをしておきます。  それから、この教員採用に関する不正の防止についてですが、本市は当然ながら、不正の余地がない、厳格に行われているということで、とりあえず安心をしたところでございますが、昨今、新聞紙上をにぎわせていますこの公務員によるさまざまな不祥事が後を絶ちません。今回の大分県における事件でも、一番の被害者は子どもたちであります。子どもたちと保護者が受けた心の傷は、はかり知れないものがあります。このような事件を絶対に起こさないために、また不正を生まない仕組みづくりは大変大切ですが、職員1人1人が十分に自覚を持って、教育委員会全体としてこのような不祥事がないように、強い意思を持って取り組んでいくことが必要だと思っております。教育長に改めて、このような事件がないようにという決意をお伺いいたします。  教育問題についての最後になりますが、現在、学校は学力向上や不登校など、いろんな諸課題が山積しております。教育長が就任以来、日々の教育活動を重視されている点は大変意義あることと思っております。各学校におきましても、児童生徒や地域の実態に応じて、多くの課題に直面し、解決するため、学校全体が協力をして頑張っているところでございます。  教育の新たな方針、また、今後さまざまな状況を改善するためにも、教育長みずからが学校を訪問し、児童や教職員の状況等を把握する必要があるのではないかと思っております。もちろん、学校訪問を重ねられていると聞いておりますけれども、積極的に学校現場に足を運んでいただき、学校の実態や児童の実態、そして、教職員の思いをひざを突き合わせて話していただきたいと思っております。何とぞよろしくお願いをします。学校の意見を聞くということでの教育長の御所見を伺いまして、教育関係の質問を終わりたいと思います。  最後に、空港問題についてでございます。  市長は、これまでの答弁で、福岡空港の重要性については認識しておるものの、総合的な調査やパブリック・インボルブメントの経過を踏まえて、将来対応方策の方向性を決めていくと答弁されておりました。福岡空港のあり方に対する市長の考え方が、私にはいまだはっきりわかりません。たしか市長は選挙公約で、新空港建設計画については必要がないことを明言します、と言っておられたんじゃないかと記憶しております。私は、総合的な調査ももう大詰めに差しかかり、そろそろ市長がこの福岡空港のあり方について何らかの方向性を示す時期に来ているのではないかと考えております。  そこでお尋ねをいたしますが、福岡空港のあり方について、市長のお考えは選挙公約時と変わっておられないのか、それとも、何らかの抜本的な方策が必要であると考えられておられるのか、市長の明確な御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 33 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 34 ◯教育長(山田裕嗣) 教員採用試験に関する不祥事の再発防止についてのお尋ねでございますが、教育委員会では、さきの試験問題漏えい事件によって失われた本市教育行政に対する市民の信頼を回復するため、平成19年度及び平成20年度の2年間を集中改革期間と位置づけまして、学校現場を含め、教育委員会が一体となって、再発防止と信頼回復の取り組みを進めているところでございます。  この中では、全教職員へのアンケートなどによって明らかとなりましたさまざまな問題点を踏まえまして、単に教員採用試験の見直しにとどまることなく、教育委員会全体での機密情報の管理の徹底、全教職員の公務員倫理の確立に向けた研修体制の見直し、円滑なコミュニケーションの推進や事業実施方法の見直しなど、風通しがよく、透明性の高い組織風土づくり、教員の負担軽減などによる教育に専念できる環境づくり、教育委員会事務局と学校との連携、協力の強化など、教育委員会全体にわたる改革に取り組んでいるところでございます。本市において、二度とこうした不祥事を引き起こさないため、引き続き諸改革の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。  また、学校に足を運び、児童生徒の様子や教育活動の実態、施設の状況等を把握することは、これからの教育施策を行う上で大切なことだと考えております。現在、各学校におきましては、児童生徒の学力向上や、いじめ、不登校への取り組み、また緊急な生徒指導への対応等さまざまな課題解決のために、学校長を中心として全職員で熱心に取り組んでおります。今後とも、時間の許す限り学校を訪問し、児童生徒の様子や教職員の思いをとらえ、これからの教育施策に生かしてまいりたいと考えております。以上でございます。 35 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 36 ◯市長(吉田 宏) 空港の問題は、福岡のみならず西日本全体の発展を考える上でも大変大きな課題だと思っております。その認識は繰り返して申し上げておるとおりでございます。  現在、市は国と県と連携をして調査をずっと進めてきているということで、これは今、もう現段階でも進んでおりますが、だんだんその結果、幾つかの案に絞られてきたかなということで、最終的にこれからどうやっていくのかという詰めの段階に入っているというふうに思っております。  今後、これから本当にどうしていくのかということにつきましては、市民の皆さんからの意見を聞くという、このパブリック・インボルブメントなどもございます。それから、詳細な国や県とのこれからの詰めの作業も始まると思っておりますので、総合的にこの調査の推移を見守りながら決定をしていきたいと思っております。 37 ◯議長(川口 浩) 外井京子議員。 38 ◯13番(外井京子)登壇 ふくおかネットワークを代表し、食の安全、安心を確保するための取り組みと、学校給食についてお尋ねします。  昨年10月に中国河北省にある天洋食品で製造された冷凍ギョーザを、昨年末からことし1月に食べた3家族10人が有機燐系農薬中毒になった事件は、暮らしの根幹である食の安全、安心を大きく揺るがすものとして、すべての国民に大きな衝撃を与え、大変な混乱を引き起こしました。  この事件は、農薬がいつ、どこで、どのように混入したのかという問題以外にも、食にまつわるさまざまな課題を明らかにしました。  日本の食料自給率がカロリーベースで40%でしかなく、私たちの食卓は輸入食品なしには成り立たなくなっていることが改めて広く認識された一方で、輸入食品による健康被害を水際で防止する検疫体制が十分でないことや、国や自治体の機関同士の情報伝達ルートにも不備があったこと、輸入元や販売事業者に寄せられていた苦情が軽視され、被害の拡大を防げなかったことなど、食品安全行政、消費者行政のあり方を根本から見直し、早急に対策を実行することが必要であることが浮き彫りとなりました。  そこで改めて、食べ物のおいしいまち福岡の食の安全を守る取り組みについて質問いたします。  まず、都道府県、政令市、中核市においては、食品衛生法に基づき、毎年計画を立てて食品衛生監視指導が実施されていますが、具体的にはどのようなことを行っているのか、事業の概要と食品衛生監視指導における本市の特徴をお示しください。  食のグローバル化が進む中で、食品の安全管理に民間企業が自発的に取り組むHACCP方式という安全管理の手法が国際標準として位置づけられていますが、平成8年に法制化された日本版HACCPとはどのような制度なのか、HACCP方式を導入する事業者への支援策はあるのかお尋ねします。  また、全国でHACCP方式導入を認定されている事業者数と、本市内にある食品製造事業者のうち、HACCP方式を取り入れている事業者は何社あり、どのような業種、規模の会社であるのかお尋ねします。  次に、学校給食に関してお尋ねします。  中国ギョーザ事件は、学校給食の食材にも輸入冷凍加工食品がかなりの量と頻度で使われている事実を明らかにしました。この事件によって改めて、学校給食で使われている食品は本当に安全なのか、安全性はどのように確認されているのかに関心が集まっているところです。そこでお尋ねします。  第1に、学校給食用食材の検査はどこがどのように行っているのか、年間約何件の検査を行い、検査業務に関する予算は毎年どれくらい確保しているのか、検査する品目はどのようなルールで、だれが決め、検査はどの段階で、どのように行うのかお示しください。  2点目には、本市には福岡市学校給食用物資納品規格があるそうですが、それはどのような経緯でいつ策定され、これまで何回改定されたのか、どのような特徴があるのか、全品目に共通する事項と、食肉加工品類共通事項、魚肉練り製品類共通事項、缶詰、レトルト類共通事項としてはどのようなことを定めているのかお示しください。  3点目に、冷凍加工食品の使用について、自校式である小学校給食と、センター方式の中学校、特別支援学校のそれぞれについて、1年間の使用品目数、使用頻度の高い冷凍食品の上位5品目名をお示しください。  これで1回目の質問を終わり、2回目からは自席にて行います。 39 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 40 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 食の安全、安心を確保するための取り組みについてお答えをいたします。  食品事業者に対する監視指導といたしましては、各区の保健福祉センターや食品衛生検査所などの食品衛生監視員が計画的に食品関連施設に立ち入り、食中毒の予防や適正な表示などを指導するとともに、食品の抜き取り検査を実施して、規格、基準などの違反がないか確認をいたしております。  特に食中毒の発生が多い夏の時期と、食品の流通が活発になる春の行楽期、また年末には一斉監視期間を設け、重点的に監視指導を実施しておるほか、食品関連事業者を対象にした食品衛生講習会を定期的に開催いたしております。  次に、食品衛生監視、指導における本市の特徴といたしましては、第3次産業が主体である本市産業構造を反映して、監視指導の対象も飲食店や販売店が中心になることから、これらの施設を危害発生リスクに応じた監視頻度でランク分けをいたしまして、効率的、効果的な監視、指導に努めております。  また、本市には、食品の流通拠点であります中央卸売市場があることから、場内に食品衛生検査所などを配置して、重点的な監視、指導を実施しますとともに、青果物等の残留農薬検査にも積極的に取り組んでおります。  次に、日本版HACCPに関するお尋ねでございます。  HACCPとは、最終製品の抜き取り検査に重点を置きました従来の衛生管理手法とは異なりまして、原材料から製品に至るまでの各工程において、危害発生防止策を継続的に実施し、総合的に製品の安全性を確保する手法でございます。  我が国におきましては、食品衛生法におきまして、総合衛生管理製造過程制度というふうに定められておりまして、事業者の申請に基づき厚生労働大臣が承認する制度となっております。  HACCP導入時の支援策につきましては、施設整備に関する低金利融資や税制上の優遇措置が設けられているところでございます。認定事業者数につきましては、本年8月末の全国事業者数は562件でございまして、うち本市では2事業者が認証を受けているところです。本市2事業者の業種は、乳類製造業とレトルト食品製造業で、その規模は両社とも従業員100人以上の、本市では大きな工場に属する施設でございます。以上でございます。 41 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 42 ◯教育長(山田裕嗣) 学校給食についてのお尋ねでございますが、学校給食用食材の検査につきましては、教育委員会が食材調達を委託しております学校給食公社において、財団法人食品環境検査協会に業務委託することにより行っております。検査実績は、平成19年度において延べ584検体に対し、残留農薬など延べ2,110項目について検査を行っております。  また、予算につきましては、平成20年度は1,200万円確保しております。検査を行う品目及び項目については、食品衛生法、JAS法等に基づき、教育委員会と学校給食公社で協議し決めており、検査対象品目は、本市食品衛生検査所により検査が行われている生鮮野菜以外のすべての品目としております。また、実際の検査は、物資納入前に無作為に抜き取りを行ったものなどを対象に、食品衛生法等に定める検査方法に従い、実施しております。  次に、学校給食用物資納品規格につきましては、安全で良質な食材料を安定して確保することを目的に、本市において昭和55年に策定しております。特徴といたしましては、子どもたちの口に入るものであることから、可能な限り保存料などの食品添加物は使用しないこととするなど、食品衛生法に定める規格、基準より厳しい内容となっており、これまで昭和62年と平成10年の2回、食品衛生法等の改正に伴い大幅に改定しております。  それから、全品目に共通する納品規格としましては、製造日の指定、生産者、原材料などの表示項目の指定等があります。  また、食肉加工品に共通する納品規格といたしましては、日本農林規格に格付されたもの、保存料、着色料は使用しないなどがあり、魚肉練り製品に共通する納品規格としましては、保存料、着色料、漂白剤は使用しない、納入指定日の前日または当日に製造したもの等がございます。このほか、缶詰やレトルト商品に共通する納品規格としましては、規格適合した包装資材を使用したものというものがございます。  次に、冷凍加工食品の使用につきましては、平成19年度1年間の使用品目数は小学校43品目、中学校、特別支援学校64品目でございます。使用頻度の高い冷凍食品5品目につきましては、小学校は味つき鶏レバー、ハンバーグ、太刀魚のつみれ、コロッケ、シューマイ。中学校、特別支援学校につきましては、鶏レバー空揚げ、うどん、サンマの塩焼き、サバの塩焼き、ひじきシューマイでございます。以上でございます。 43 ◯議長(川口 浩) 外井京子議員。 44 ◯13番(外井京子) 食品衛生監視指導をきちんと地道に実施していても、船場吉兆の問題や福岡の特産品である明太子での賞味期限不適切表示事例など、本市における食品衛生法違反事例が全国ニュースとなることも後を絶ちません。本市職員による監視、指導だけでなく、事業者による自主衛生管理を向上させることも重要です。  従来からの後追い検査方式は、検査結果の判明に時間がかかることや、検査検体数の限界などの問題もあります。一方、HACCP方式は、原材料の生産、調達、加工、流通から最終製品の販売、消費に至るまでの全プロセスにおいて発生が予想される病原菌、異物混入などの危害を特定して、管理作業手順と必要な検査などを実施して、それを記録することで、食品衛生管理事故や事件を未然に防止する方策として有効だと言われています。  しかし、国が承認する日本版HACCPは対象となる食品の種類が限られており、施設整備に費用がかかるために、融資制度はあっても中小零細企業が取り組むにはハードルが高いというのが現状です。  仙台市では、中小零細事業者でも取り組みやすい簡易な、市独自の自主衛生管理評価事業、仙台HACCPを平成18年から制度化しています。3つのステージごとの項目の達成度に応じて、8段階で評価する仕組みで、評価の高い事業者は希望により、その施設名などを仙台市のホームページで公表しています。  また、これまでは食品の製造、加工施設を対象としていたものを、今年度からはスーパーなどの小売店も加えることにしたところ、説明会には100を超える食品製造、流通関係者が出席し、高い関心が寄せられているとのことです。  消費者にとっても、法令を遵守しない企業による事件が相次いでいる中、きちんと衛生管理に取り組んでいる企業の評価が公表されることは、何を食べるかを消費者自身で選ぶ権利を保障する施策として歓迎するものであり、消費者の購買意欲につながる施策であると考えます。  では、本市においては、事業者の自主衛生管理を支援する取り組みはどのように行われているのかお尋ねします。  中国ギョーザ事件を受けて、本年2月22日に、食品による薬物中毒事案に関する関係閣僚による会合申し合わせとして、原因究明を待たずとも実施すべき再発防止策なる文書が発信されています。この文書において示されている早急に講ずべき対策のうち、地方自治体の施策にかかわるものにはどのような事項があり、本市はどのように対応されたのかお示しください。  次に、学校給食に関してですが、学校給食用食材並びに調理済み食品の安全性の確保のために、独自の物資納品規格を定めていることや、検査も行われているとのことで安心しましたが、本市のホームページには福岡市の学校給食というページがあるにもかかわらず、物資納品規格や食材の検査に関しては全く記載されていません。これは広報が足りないというより、給食を食べる当事者である子どもとその保護者に対しての説明責任が果たされていないという問題であると考えます。  横浜市も独自の学校給食用物資規格を持たれていますが、財団法人横浜市学校給食会のホームページには、物資規格の概要や衛生検査情報、今月のアレルギー情報、安心・安全Q&Aなどについての記載があり、だれでも情報を得ることができます。
     本市ホームページにおいても、学校給食のページに、物資納品規格の概要や衛生検査の実施状況、結果について記載し、説明責任をきちんと果たすことが必要だと考えますが、御所見をお伺いします。  本市学校給食用物資納品規格は、不必要な添加物などは使わないとの方針で、品目ごとに細かく規格を決められていることは評価しますが、例えば、ハムなどの食肉加工品に発色剤として使われる亜硝酸塩については、ボツリヌス菌食中毒を防ぐために添加が必要とこれまで言われてきたので、不使用とするのではなく、法律上の残留許容基準値の半分までとしていると聞きましたが、確実にボツリヌス菌の繁殖を抑える量の亜硝酸塩を添加すれば、その毒性は人にも強過ぎ、残留許容基準値ではボツリヌス菌の繁殖を抑えることができないとの専門家の意見も多く、亜硝酸塩の添加は無用であるばかりか、発がん性の問題などもあることから、生協商品などでは発色剤不使用は既に当たり前となっています。横浜市の物資規格でも、食肉加工品類については無塩せき、つまり発色剤不使用のものと定めています。  本市学校給食用物資納品規格は、直近の改定から10年が経過し、この間、中国ギョーザ事件のほかにも、受精卵クローン牛の流通が始まるなど、食を取り巻く状況も大きく変わってきています。学校給食における安全、安心を確保する取り組みをより確実なものとするために、最新の知見に基づき、市民の意見も取り入れて、もう一段厳しい規格へと見直す必要があると考えますが、御所見をお伺いします。  次に、冷凍ギョーザ事件を受けて、早急に対応すべき事項を記した本年2月22日付、関係閣僚による会合申し合わせに基づいて、学校給食に関しては学校給食衛生管理の基準の一部改正が行われました。今回の改正において求められている3つの強化策の概要と、本市はこの強化策にどのように取り組むのかお尋ねします。  次に、給食費に関してお尋ねします。  小麦粉やバターなどの値上げが相次いでいます。学校給食の食材料費を保護者から徴収している学校給食費は、本市では小学校で日額202円63銭で月額3,500円、中学校では日額243円15銭で月額4,200円ですが、ことしの1学期の小学校、中学校それぞれの1食当たりの食材費は、給食費の範囲内でおさまっているのか。おさまっていないのであれば、今年度は赤字となるということなのか。また、これまでにも食材費が赤字となった年はあるのかお尋ねします。  また、自治体によっては、食材費の赤字を補てんするための積立金制度を学校給食会などで持っているところもありますが、本市においてもそのような制度はあるのか、ないならば赤字のときはどのように対応しているのかお尋ねします。  さらに現在、学校給食用食材の購入に対する補助制度としてはどのようなものがあるのかお示しください。  輸入冷凍食材から国産食材への切りかえや、小麦粉等の食材の高騰を理由に、給食費の値上げを決める自治体が相次いでいることから、本市でも給食費の値上げが行われるのではないかとの不安が広がっています。本市では給食費の今後について、現段階ではどのように考えているのかお尋ねします。 45 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 46 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 事業者の自主衛生管理を支援する本市の取り組みといたしましては、講習会や立入調査時にHACCP手法を専門的に学んだ食品衛生監視員が中心となりまして、施設の規模や取扱食品の特性に応じました危害発生防止策について個別の指導を実施しているところでございます。  また、社団法人食品衛生協会におきましては、約300名の食品衛生指導員が施設の巡回指導を実施しまして自主的な衛生管理の向上に努めておりますが、本市では指導員の資質向上を図るための研修会や食中毒の発生状況の情報提供などを通しまして指導員活動の支援を行っております。  次に、食品による薬物中毒事案の再発防止策につきましては、情報の集約、一元化体制の強化がその柱の1つとなっておりますが、地方自治体の施策にかかわる主な事項といたしましては、保健所における24時間365日体制の確保や、事業者が把握した情報の行政への報告ルールの確立などが掲げられております。本市におきましては、従前より保健所に夜間休日相談窓口を設け、24時間365日体制で市民の相談に応じるとともに、関連部署と緊急連絡網により情報を的確に伝達、共有するシステムを構築しているところでございます。地方自治体の担当者間におきましても、食中毒や違反食品等、危害発生時の情報を迅速に共有するため、緊急連絡網を整備し、対応いたしております。  また、事業者からの行政への報告につきましては、講習会や立入調査時の指導により、従前より適切な報告が行われてきておりますが、報告義務を明確にするため、今議会に食品衛生条例の改正案を提出いたしているところでございます。以上でございます。 47 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 48 ◯教育長(山田裕嗣) 学校給食についてのお尋ねでございますが、まず、学校給食用物資納品規格や検査結果等のホームページへの掲載につきましては、実施に向け検討してまいります。  次に、学校給食用物資納品規格の見直しにつきましては、現在使用しております規格は食品衛生法に定める規格基準等よりも厳しい内容となっておりますが、今後とも、給食の安全、安心を確保する視点から、必要に応じて見直しを行いたいと考えております。  次に、国が定めております学校給食衛生管理の基準の今回の改定によって強化策が求められている主な3点といたしましては、まず1点目は、納入業者だけでなく、製造業者にも定期的に検査結果や生産履歴等を提出させる、また、可能な限り使用原材料の原産国について記述がある食品を選定するとしたことでございます。  本市ではこのうち、生産履歴等を製造業者から提出させるということがいまだできておりませんので、現在提出させる生産履歴等をどの程度の詳しいものにするかなど検討しているところであり、早期に実施できるよう努めてまいります。  2点目は、納入業者から食品を納品させる場合に、製造業者名、所在地、生産地、異臭の有無、箱や袋の汚れや破れ等の確認をすることとしたことであり、この点につきましては、本市では本年8月、学校給食公社理事長及び給食実施学校長に対し、調理業務員等による納品受け取り時の検査の際に確認を徹底するよう通知しております。  それから3点目は、検食は児童生徒の摂食開始時間の30分前までに行い、異常があった場合は中止することとし、検食の時間と対応を新たに明記したことでございます。この点につきましては、本市では本年8月に給食実施学校長に対し、検食の時間と対応を適切に行うよう通知しているところでございます。  次に、給食の食材費につきましては、1学期の小学校分は少し超過しておりますが、中学校は予算の範囲でおさまっております。例年も月ごとの増減はあっており、1年間で予算の範囲におさめております。今後は、諸物価の高騰もございますが、2学期以降さらに献立の工夫を行い、赤字を出さないよう調整を行っていく予定でございます。  次に、これまでにも食材費が赤字となった年はあるのかというお尋ねについてでございますが、1食当たりの平均の食材費が赤字となっているのは、過去5年間で平成16年度の小学校給食において、実施単価が予定単価を超過しております。  また、食材費の赤字を補てんするための積立金制度はございません。このため、赤字となったときは前年度からの繰越金から支払うなどして対応しております。  次に、学校給食用食材の購入に対する補助制度についてでございます。米やパンなどの基本物資は福岡県学校給食会より購入しておりますが、その学校給食会に対し、米は福岡県とJA福岡から、牛乳は国から、ミカンジュースは株式会社ふくれんから、それぞれ補助があっております。  次に、給食費につきましては、基準栄養量を確保しながら給食を提供するため、クロワッサンなどの特殊パンや牛肉など価格が高い食材を普通パンや豚肉などに変更したり、デザートの使用回数を減らすなどの方法で食材費の高騰に対処しております。  また、米やパンなどの基本物資につきましては、県の学校給食会と年度初めに契約した額で供給されることとなっており、現段階では引き続き献立の工夫を続けることにより給食費の値上げはできる限り避けたいと考えますが、さらなる食材料の高騰が続けば値上げをお願いすることもあると考えております。以上でございます。 49 ◯議長(川口 浩) 外井京子議員。 50 ◯13番(外井京子) 本市においては、中国ギョーザ事件以前から、食品による健康被害情報については365日24時間体制を実施されてきていることや、ことし7月から8月にかけて本市内の飲食店で赤痢菌による食中毒が3件発生した事例についても、本市の調査、分析によって共通の食材が判明し、それを受けて厚生労働省が水産食品の輸入業者に食品衛生法に基づく検査命令を出したことによって、被害の拡大防止に寄与したことなどは大変評価できると考えます。  このように、食品による健康被害、食品衛生法違反事例に的確に対応し、被害の拡大を防ぐためには食品衛生業務、特に検査体制のさらなる充実、強化に取り組む方針を明確にしていただきたいと考えます。  青果市場の再整備に当たっては、食品衛生検査所の充実を図ることや検査機器の整備も計画的に予算化すること、また、理化学検査や病理学的検査を行う職員だけでなく、鮮魚市場における監視で、ドクサバフグなどの有害魚が紛れ込んでいないかを監視する職員なども含めて、食の安全、安心行政に携わる専門職員を継続的に育成していくことが必要と考えますが、吉田市長の御所見をお伺いします。  また、食の安心を脅かす事件や事故が後を絶たない中、消費者は生産、加工、流通、小売のすべての段階において食の安心、安全が確保されているのかどうかということに大変高い関心を持っています。生産履歴の開示と加工、流通、小売段階における衛生管理評価の開示は、安心ブランドとして事業者とその商品への信頼を高めることに有効な手段です。  自治体独自の簡易HACCP制度は、仙台市のほかにも札幌市、東京都、北海道、宮城県、静岡県、群馬県、高知県、長崎県などでも取り入れられています。中小零細事業者でも取り組みやすい簡易な本市独自のHACCP手法の導入について、ぜひ御検討いただきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いします。  中国ギョーザ事件によって、私たち消費者はやはり、だれが、どこで、どのようにつくったのかがわかるものを食べたいという意を強くしました。学校給食に使われる食材についても、だれが、どこで、どのように生産し、加工し、流通し、調理したのか、その各段階での衛生管理や安全性の確認はどのように行われたのかをホームページなどで開示することや、給食用物資納品規格のさらなる厳格化、十分な衛生検査費用の確保と体制の充実、地産地消の推進、さらには学校給食衛生管理の基準の一部改正に伴って、今後決められるという食材の原材料から加工までの生産履歴を提出するよう製造事業者に求める範囲をできる限り多くの食材にまで適用することを要望しておきます。  大量調理のセンター方式では、冷凍加工品の使用も多くなっています。今後の学校給食のあり方については、コスト削減、合理化という方向ではなく、調理現場での納入食材のチェックを十分に行い、加工品の使用を減らし、地産地消を推進し、規格の小さな野菜の皮むきなどの手間もいとわない給食を実現する方向へとかじを切るという英断が今求められています。  中学校給食についても、センターの建てかえ時期が来たエリアから自校式へと転換していく方針を打ち出すことが必要であると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。  給食費については、市長にお伺いします。  値上げを決める自治体がある一方で、東京都中央区や荒川区では値上げを避けるために、学校給食食材費の一部を公費負担することを決め、足立区は米を公費で買って学校に現物支給することで、米代を他の食材の購入費に回せるようにするなどの施策を実施しています。食材費の高騰を給食費の値上げという形で保護者にのみ負担を求めるのではなく、食材費の一部の公費負担を実行することで、すべての子どもたちに安全でおいしくて、教育の一環としての学校給食を提供することが必要です。  給食食材の中で、毎日使う基本物資、特に全量を県産品で賄っている米と牛乳については、福岡県としての補助、増額を要請すること、市内産の農林水産物を学校給食用食材として購入する際には一般会計から補助を行うことを制度化、予算化すること、食材費の一部として公費を投入して、給食費の値上げは行わないことを明言していただきたいと考えますが、予算編成における最高責任者である吉田市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 51 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 52 ◯教育長(山田裕嗣) 中学校給食の自校方式への転換につきましては、昭和48年の給食開始時点において、全校に新たに給食室を整備することは、設置スペースや調理施設の整備費用などに問題があることから、総合的に勘案して、最も効率的に給食を実施できるセンター方式としているところでございます。  今後もセンター方式を前提として、引き続き保護者からの信頼の確保と、安全でおいしい給食の提供に努力してまいりたいと考えております。以上でございます。 53 ◯議長(川口 浩) 鶴川副市長。 54 ◯副市長(鶴川 洋) 青果市場の再整備に当たり、食品衛生検査所の誘致に関する質問については私のほうからお答えします。  最近の国内外の健康被害事案等の発生によりまして、市民の食に対する不安が高まってきており、食の安全、安心の確保に向けた対策が必要であると考えております。したがいまして、青果市場の再整備に当たりましては、必要な検査機器の計画的な配置など、食品衛生検査所の充実に努め、効果的、効率的な監視、検査体制を確保してまいりたいと考えております。  また、監視、指導に当たる専門職員の育成につきましては、関係機関と連携した技術研修や計画的な人事配置を行い、資質及び専門性の維持向上に努めてまいりたいと考えております。 55 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 56 ◯市長(吉田 宏) HACCPのお話です。福岡は食のまちでありまして、福岡で提供される食品の安全性が確保されているということ、そういう体制をつくることは大変重要だと思います。  私が言うのもなんですけど、市の食品衛生業務、結構頑張って、昨年来からの偽装事件もありましたけれども、よくしっかり仕事してくれているんではないかというふうに思っておりますが、独自のHACCPの手法の導入につきましても、事業者みずからによる衛生管理の向上を図るということで、既にこの考え方を取り入れた自主管理の手法については検討してくださいと啓発普及に努めているところでありまして、議員にも御紹介いただいた仙台市の事例など、ほかの自治体の動向も見ながら進めていきたいと、調査研究からということですけれども、やっていきたいと思っております。  また、こういう取り組みを、事業者がそういうふうにして独自でやっているということを評価して、また市民の皆さんに周知をしていくということは非常に、最初に申しましたように、市民の皆さんに食の安全を確保しているということをアピールするということにもつながると思いますので、また検討してまいりたいと思います。  2つ目の学校給食についてであります。ストレートな御質問が多かったので1つずつお答えしますと、最初の県産品の米や牛乳に対して、県が今補助をしておりますけれども、これにつきましてはさらに教育委員会と検討しまして、要請をしっかりしていきたいと思います。  それから、2つ目が給食費の材料費の部分も直接、一般会計で見たらどうかというお尋ねでございましたが、これにつきましては、今の給食費の値上げをしないで頑張るということがまず大事だと思います。どうしてもこの必要な経費につきましては、先ほど経費というのは食材費のところですけれども、御負担をしていただいているということを、教育長も先ほどそう答弁いたしましたが、そこは御理解いただきたいと現時点では思っております。  学校給食全体にしましたら、施設整備、人件費など光熱費、この点については公費で負担をしているわけで、材料費については御理解いただきたい。ただし、値上げをしないように、いろいろな工夫をもって、献立の工夫も含めていろいろまだしっかりと努力するところはあると思いますので、値上げをとにかくしないように教育委員会とも連携をとりましてやっていきたいと思っております。 57 ◯議長(川口 浩) この際、暫時休憩いたします。午後は1時に再開いたします。                                         午前11時43分 休憩                                         午後1時   開議 58 ◯副議長(久保 浩) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。倉元達朗議員。 59 ◯44番(倉元達朗)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、介護保険制度、重度心身障がい者医療費助成制度、学校施設の整備について質問いたします。  まず、介護保険制度についてです。  質問の第1は、改悪介護保険法のもとで必要なサービスが取り上げられているという問題です。  2006年、介護予防や自立支援の重視といって、介護保険法の改定が行われました。しかし、本当に必要な家事援助の方は、当然今後も受けていただくという厚生労働大臣の約束にも反し、高齢者の生活や人権を侵害するような介護取り上げが横行しています。これは給付適正化の名のもとに、国が市町村に給付削減を競わせていることも大きな一因です。本市でも、同居家族がいるからといって、今まで受けられていた高齢者の生活援助サービスが受けられなくなったという声が後を絶ちません。ある事業所のデータを見ても、生活援助サービスは利用者件数、訪問回数、訪問延べ時間、請求金額、どの指標をとっても減少しています。このような事例から見れば、本市においてもサービスの切り捨てが行われているのは明らかです。  そこでお尋ねしますが、サービスの切り捨てが横行しているのは、市が事業者に対して国の基準に加えて行き過ぎた指導を行っているからではありませんか、御所見をお伺いいたします。  質問の第2は、保険料と介護保険財政についてであります。  65歳以上の介護保険料の基準額は、これまで制度の見直しのたびに値上がり、本市では全国平均を上回る4,494円、年間にすれば5万3,928円になります。増税や物価高に苦しむ国民が、これ以上の値上げを容認できないのは当然です。介護保険は市町村が保険者であり、その事業計画は3年ごとに改定されます。来年4月からの3年間が第4期事業計画の期間です。基本的な考え方などが厚生労働省から示され、事業計画づくりが本市でも始まっています。こうした中、市に今求められているのは保険料の軽減であります。本市の介護保険財政を見てみますと、介護保険法の改悪以来、介護取り上げの影響で給付費が当初見込みを下回っています。その結果、06年度には5億2,900万円、07年度には5億2,700万円、今事業期だけで10億5,700万円の剰余金、つまり黒字が出ています。したがって、この剰余金を活用して市民に還元すれば、保険料の負担軽減につなげることは十分可能だと思いますが、御所見をお伺いいたします。  質問の第3は、介護現場での深刻な人材不足についてです。  介護労働者は1年間に5人に1人が離職し、募集しても予定どおり人が集まらないと事業所は頭を抱えています。高齢社会が進む中、今後10年間に約60万人の介護職員の確保が必要となると見込まれ、本市でも少なくとも6,000人が必要だと言われています。このままでは特別養護老人ホームや訪問介護を初め、地域の高齢者介護の体制が崩壊しかねない危機的事態です。こうした人材不足の要因は、平均賃金が月22万7,000円で、全労働者の6割程度にすぎないという介護職員の給料の安さと不安定雇用にあります。こうした中、市内のある介護事業所では平均2年7カ月で職員がやめていくそうです。職員が経験を積む前にやめてしまうため、介護のレベルが上がらないと嘆いておられました。また、新しい人を入れようと求人を出しても、ハローワークからは、ここ数年、何の音さたもない。新聞折り込みを出しても、問い合わせが1件あればいいほうという状態です。  そこでお尋ねしますが、このような介護現場での人材不足について、市は調査をして実態を把握しているのか、答弁を求めます。また、人材確保のために市はどのような手だてを打っているのか、お尋ねします。あわせて、この人材不足問題を放置するならば、介護サービスの質の低下に直結すると思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、重度心身障がい者医療費助成制度見直しについてです。  福岡県が障がい者医療に対する助成制度を改悪し、本市においても、今まで無料だった医療費に定額負担と所得制限が持ち込まれようとしています。この動きと連動して、本市の同制度を改悪させてはならないと、代表質問に続き6月議会で我が党中山郁美議員が市長に迫りましたが、市長は総合的に判断するなどと言って、同制度の継続を明言されなかったのであります。こうした中、8月21日に行われた福岡市保健福祉審議会障がい者福祉専門分科会では、同制度が議題に上りました。現行制度の課題についての中で当局は、本市の同制度も新たな対応が求められているとの前提で、制度自体の存続が危惧されると述べ、最後に県が市に対して負担増など同様の対応を求めていると説明しました。  そこでお尋ねしますが、市長は同制度について審議会の議題に乗せていますが、制度を改悪されるおつもりですか、明確な答弁を求めます。  次は、学校の施設整備についてです。  建築職人と地域住民、そして共産党市議団などで構成する公共施設を考える会は、学校施設を調査する学校ウオッチングを行っています。毎年の粘り強い調査と交渉を経て、10年前と比べると、危険箇所の改善やトイレの改修など環境整備が進み、改修予算も07年度は62億1,500万円と前年度と比べて23億円、1.6倍にふえました。しかし、現場に足を運んでみると先生方が、教育委員会に改修をお願いしているが、予算がないと言われると困っておられます。  そこでお尋ねしますが、学校の施設環境を整えるための改修予算はまだまだ少な過ぎるのではありませんか、御所見をお伺いします。  西方沖地震を初め、国内において大きな地震が頻繁に起こっている中で、児童の命はもちろんのこと、近隣住民の避難場所を確保するためにも、耐震改修は喫緊の課題であります。しかし、市立小中学校の耐震化率は52.8%で全国平均を10ポイント近く下回っており、学校校舎の耐震診断すら進捗率は37%と大変おくれております。  そこで、この間、教育委員会は4年間で耐震改修を行うという計画を出されておりますが、これは十分なペースだとお考えなのか、お尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 60 ◯副議長(久保 浩) 阿部保健福祉局長。 61 ◯保健福祉局長(阿部 亨) まず、介護保険についてお答えをいたします。  訪問介護の掃除や洗濯などの生活援助サービスにつきましては、同居家族がいることのみを判断基準として、一律にサービス提供の可否について決定することがないようにケアマネジャーに指導してきているところでございます。今後とも、適正なサービスが提供されるようケアマネジャーや事業者等への指導に努めてまいります。  次に、介護保険料の剰余金を積み立てます介護給付費準備基金についてでございますが、これについては、最低限必要と認める額を除き、基本的には次期計画期間において歳入として繰り入れるべきものと国から示されております。本市といたしましても、第4期介護保険事業計画の策定に当たり、その繰り入れ等について高齢者保健福祉専門分科会での審議を踏まえ、十分検討してまいりたいと考えております。  次に、介護人材につきましては、市内の介護保険施設において人員基準を満たしていないという施設はございませんが、一部の事業所施設では介護職員の中途採用が難しい状況もあるというふうに聞いております。介護人材の確保方策につきましては、国において平成19年8月に社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針が見直されまして、平成20年度に介護事業経営実態調査を行い、介護労働者の確保、定着に向け、さまざまな施策が取り組まれているところでございます。本市といたしましては、必要に応じて介護事業者の実態について国へ情報提供してまいりますとともに、将来とも必要な介護サービスが確保されるよう、国等に要望してまいりたいというふうに考えております。  次に、重度心身障害者医療費助成制度についてお答えいたします。  医療費助成制度の見直しにつきましては、県の制度が平成20年10月から改正されることに伴いまして、本市といたしましては、重度心身障がい者のみならず、乳幼児、母子家庭等の医療費助成制度を今後とも持続可能なものとして維持をしていくために、県制度改正の趣旨を念頭に制度全体の内容を慎重に検討する必要があるというふうに考えておりまして、審議会等において幅広い見地から、また専門的な御意見を伺っているところであります。以上でございます。 62 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 63 ◯教育長(山田裕嗣) 学校施設についてのお尋ねでございますが、まず、学校施設整備における今年度予算は、喫緊の課題である学校施設の耐震化に重点的に取り組むなど、厳しい財政状況の中で昨年度に比べて大幅に増額しております。一般的な改修予算につきましては、施設の経年に伴い必要となる改修や改善等のための予算として、その確保は非常に重要なものと考えており、良好な教育環境の維持のため、最大の努力を払いながら、必要な予算確保に努めているところでございます。  次に、学校の耐震化につきましては、講堂兼体育館は平成22年度までに、また、校舎については警固断層の再評価などを踏まえ、最重要課題として取り組むこととし、平成27年度完了の当初計画を4年短縮し、平成23年度完了を目標に現在鋭意取り組んでいるところでございます。以上でございます。 64 ◯副議長(久保 浩) 倉元達朗議員。 65 ◯44番(倉元達朗) まず、介護保険制度についてです。  局長は、私はサービスの切り捨てについて行き過ぎた指導があるんではないかという問いをしたんですけれども、同居家族の有無で機械的にやらないように指導していると、こういう答弁をされたんです。しかし、局長、現場を見たら、全然それと、事実と異なることが実際あっているんです。それをぜひきちんと見てほしいと思います。実際に現場でどんなことが起きているのか紹介したいと思います。  ある70代の女性は88歳になる夫と2人暮らしです。女性はパーキンソン病を患っており、以前は生活援助サービスが受けられていました。しかし、息子夫婦がいるからとケアマネジャーがプランから外したため、サービスが受けられなくなりました。息子夫婦は共働き、面倒を見ることができません。仕方なく、この人は自費で、すなわち介護保険適用のときの10倍の利用料を払ってサービスを受けているという状態です。こういう例が市内あちらこちらで出てきているんですよ。
     そこで、局長はそういうことがないようにやっているというふうに言われるんだけれども、どうして市内でこんなことがたくさんあるのか。ここに、保健福祉局から事業所の管理者あてへの通知があります。同居家族がいる場合の生活援助中心型の算定についてという通知です。これ見てみますと、こう書いてあるんですよ。同居家族がいる場合の生活援助中心型の算定の判断手順、一番上に原則、同居家族がいる場合の生活援助の算定は原則できないと書いてあるんですよ。局長は機械的にやらないようにしているというふうに言っているけれども、事業所に送られた通知は、原則できないというふうに書いてあるんです、これ。これも市が出したやつです。生活援助サービスの取り扱いについて。同居の場合は何が受けられますよということを示している表です。これを見て事業所はよくやっているんですが、こう書いてあるんですよ。同居であっても利用者の家族等が障がいや疾病などの場合、その他やむを得ない事情により家事が困難な場合、掃除、炊事、洗濯、買い物がきちんとこの基準であなたたちは認めているんですよ。認めているのは市だけじゃありません。ここに厚生労働省の事務連絡がありますけれども、これには、この事務連絡は同居家族等がいる場合における訪問介護サービス及び介護予防訪問サービスの生活援助等の取り扱いについてというものですが、訪問介護サービスについてはこう書いてあります。同居家族等の有無のみを判断基準として一律に介護給付の支給の可否を機械的に判断しないようにされたいと。訪問介護サービスについても、同じく機械的に判断するなとした上で、個々の利用者の状況に応じて適切に判断されたいと、国もこうやって述べているんです。この通知は一体何なのか、市が出している原則認めないというのは。まさにあなた方が国の基準にも反し、利用者のサービスを制限し、受けたくても受けられない状態をつくり出しているのは明らかだと思いますが、御所見をお伺いします。  さらに、あなた方が出した先ほどの通知には用語の定義というのがあるんですよ、書いてあるんです。そこに同居というのはどういうことかというのがここに書いてあるんですね。これ読んでみますと、こう書いてあるんです。同居とは住民票の世帯はもとより、以下の場合も含みますといって、同一マンションで別の部屋に住んでいる場合も同居とみなす。それから、さらに近隣に居住する場合も同居とみなす。こんなことをあなた方が独自に決めているんですよ。同居という言葉を辞書で引いても、こんな定義はどこにも出てきませんよ。市長、あなたは勝手に解釈をねじ曲げて、同居の定義を拡大してサービスを抑制しようとしているんです。したがって、この通知、今すぐ撤回すべきと思いますが、責任ある答弁を求めます。  次に、保険料の問題ですが、これから検討するということを言われました。しかし、前回の見直しで本市の保険料は25%値上げされているんです。しかも、この間、高齢者は介護保険料の年金天引き、後期高齢者医療費も天引き、65歳以上の人は国保料も天引きなどなど大変な生活を強いられています。そこにこれ以上介護保険料が値上がりするなど到底許されません。  そこで、減免制度の充実についてです。市は第3段階で一定の要件に該当する人には第2段階に減額する措置をとっていますが、これも07年度491件しか適用されていないんです。本市の65歳以上の高齢者は第1階層ないし第4階層の低所得者の方が62.5%を占めています。したがって、市民税本人非課税の第4段階の人たちまで大幅に保険料が軽減されるような実効性のある減免制度が必要と思いますが、御所見をお伺いします。  また、利用料についても、大きな負担が問題になっています。特別養護老人ホームに入っている人は利用料に加えて部屋代、食事代の負担が重たく、施設を出ていかなければならなくなり、介護難民となる方も出てきています。したがって、低所得者のための市独自の利用料助成制度を設けるべきと思いますが、お尋ねします。  そこで、国庫負担の問題です。  介護保険料が引き上げられてきた最大の原因は、国庫負担が減らされてきたことです。介護保険制度が始まったとき、介護に占める国庫負担の割合はそれまでの50%から25%に引き下げられました。全国市長会や全国町村会なども長年、国庫負担を50%に引き上げることを要求しています。お尋ねしますが、計画的に50%に向けて国庫負担の割合を引き上げ、保険料の負担をふやさずに制度の改善を図るよう国に強く要求すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。  次に、人材確保の問題です。  局長は、基本的に人材が足りていない事業所はないと、こういう見解を示されたわけですが、この問題、社会問題化しているにもかかわらず、保健福祉局長の答弁とは思えない、そう思いますね。そして、国にお願いしているということなんですけれども、全く具体策がありません。局長御承知と思いますが、介護保険の運営、実施主体は自治体なんです。あなた方にも人材確保の責任があります。希望に燃えて介護職についた青年たちは、月収15万円では結婚もできない、働きがいがあるが、仕事がきつい割に給料が安いと、無念の思いで相次いで職場を去っています。正規職員でも年収200万円に満たない労働者が多く、まさに官製ワーキングプアと言うべき状況です。  そこで、介護労働者の待遇改善のためにも、介護報酬を引き上げるよう国に要求すべきと思いますが、答弁を求めます。  人材不足のために起こる介護の質の問題ですが、これについても、深刻さがどうもわかっておられないようです。しかし、現場では離職者が多いために担当者が次々かわって、利用者も安心してサービスが受けられない。あるヘルパーさんは、お年寄りにとって環境が変化するのは大変な負担ですと言われていました。また、今まできめ細やかなサービスが受けられていたのに、新しい担当になったら、引き継ぎも不十分で1つ1つ家族が説明をしなければならない。やっと利用者の状況に応じた対応ができるようになったと思ったら、また担当がかわった。こういう苦情があちらこちらで噴出しています。  そこでお尋ねしますが、本市は人材確保のために東京都千代田区のように、独自に介護施設の職員の人件費に補助を行うべきではありませんか。御所見をお伺いします。また、採用時における十分な研修や介護職員基礎研修を有給で保障するために、市が財政支援を行うべきと思いますが、あわせてお尋ねをいたします。  次に、重度心身障がい者医療費助成制度についてです。  改悪するつもりなのかという問いに、県が制度をつくりましたからと、審議会の議論を踏まえて、このように言われたわけですけれども、あなたたちは何かこれから検討するみたいなことをいろんな団体にも言っているみたいですけれども、これ9月5日の毎日新聞、毎日新聞だけではない、ほかのところも一斉に書き立てましたけれども、同制度の改定について「実施見送り」と書いてあるんです。「準備間に合わず」と見出しにある。あなたたちはもう改悪の方向で進めているんでしょう。負担増を障がい者に押しつけようとしているんですね。本当にでたらめですよ。1つの病院にかかるたびに500円の負担がかかるんです。今まで無料だった人たちがね。これがどれだけ障がい者に負担となるか、あなた方は全くわかっていない。最重度の知的障がいを持つある女性の場合です。毎月、心臓肥大心筋症で内科へ、てんかん発作で精神科へ、湿疹で皮膚科に行かなければなりません。ほかに外科、歯科、眼科にも通院しています。同じ月に6つの病院に通えば3,000円で大変な負担です。負担は医療費だけではないんです。公共交通機関の使用が困難なためにタクシー代がかかる。入院のときも付き添い料、個室代がかかるなど、健常者に比べて日常的に出費が多い。したがって、障がい者にこれ以上の負担を強いるならば、命を脅かすとともに生活が成り立たなくなると思いますが、御所見をお伺いします。  また、あなた方は、自己負担と所得制限をやれば、本年度ベースで8億円の持ち出しが削減できると試算されているようです。しかし、市民の強い批判があるこども病院用地の取得費用約47億円、人工島の埋め立て費用、ことしだけで約80億円の予算が組まれています。8億円の削減額に換算すれば16年分ですよ。市長、無駄遣いをなくせば、障がい者に新たな負担を強いる必要はないんではないですか。明確な答弁を求めます。  次に、学校施設の整備についてです。  改修予算について、教育長は、最大の努力をしているというようなことを言われたわけですけれども、教育長は今の予算について事足りているという御認識なんでしょう。ならば、現場を全く見ていないと言わざるを得ません。予算はふえたものの、その中身を見てみますと、耐震改修予算がふえたものを除けば、一般の改修費は横ばいとなっています。  そこで、ことし行った学校ウオッチングの中で明らかになった事例についてただしたいと思います。  1点目は、大規模改造工事のおくれについてであります。  校舎が建築後30年を超えた学校が152校あるんです。ことしは18校の大規模改造工事が実施されますけれども、21年以降の方針も同数程度の改造しかやらないというんです。このようなペースでは、いつまでたっても大規模改造は終わりません。  2点目は、プールの危険箇所です。  ある学校ではプールサイドが陥没したという事件がありました。また、タイルが割れて刃物のようにとがっていたり、コンクリートが隆起して段差が生まれ、子どもたちが手や足を切ったという報告も受けました。したがって、必要な大規模改造やプールの改修をおくらせることは許されないと思いますが、御所見をお伺いします。  耐震改修についてですが、現在の計画について別に問題がないという答弁でした。しかし、大きな地震はいつ起こるかわかりません。耐震化をできる限り急ぐ必要があります。こうした中、国も学校の耐震化を急げということで6月に改正地震防災対策特別措置法が施行され、補助率が引き上げられました。このような国の制度も大いに活用して、計画をさらに前倒しすべきと思いますが、答弁を求めます。  以上で2問目を終わります。 66 ◯副議長(久保 浩) 阿部保健福祉局長。 67 ◯保健福祉局長(阿部 亨) まず、介護保険制度についてお答えをいたします。  訪問介護の生活援助サービスについて事例を挙げてのおただしでございますが、生活援助は利用者への掃除、洗濯、調理などの援助でございまして、利用者が単身または家族が障がいや疾病などのために家事を行うことが困難な場合に行われるものであります。必要なサービスが提供されていないということが起こらないように、適切なアセスメントのもと、適正なサービスが提供されますよう、ケアマネジャーや事業者等への指導を行ってまいります。  御指摘の平成20年7月22日付の通知につきましては、厚生労働省の通知を踏まえまして、本市の取り扱い方針を示したものであり、同居家族がいる場合であっても、利用者の個々の事情に応じ、ケアマネジャーのアセスメントによって適切に判断されるべきことを通知したものであります。今後とも、説明を補足するなど、その趣旨を徹底するように努めてまいります。  次に、保険料の軽減についてでありますが、現在、国におきまして第4段階で公的年金等収入金額及び合計所得金額の合計額が80万円以下の者については、保険者の判断で保険料率を軽減することができるように政令改正が予定をされております。本市といたしましては、この改正を踏まえまして、被保険者の負担の配慮の観点から検討してまいりたいというふうに考えております。  また、利用料の独自助成を行ってはとのことでございますが、介護保険制度は社会保険制度として全国共通の制度として運営されるものというふうに考えておりますので、低所得者の利用料の負担軽減につきましては、国に対して引き続き要望を行ってまいります。  次に、介護保険事業の国庫の負担割合につきましては、法令により規定されているところでございますが、介護給付費につきまして給付費の25%を確実に配分し、調整交付金は別枠化するというようなことを国に要望しているところでございます。  介護報酬につきましては、保険料の水準に留意しつつ、適切な人材確保、サービスの質の向上などを図るため、都市自治体の意見を十分踏まえて適切に報酬を設定するよう全国市長会等を通じて要望をいたしております。  介護保険施設職員の人件費補助についてでございますが、介護保険事業に要する費用については、介護報酬等で賄われ、国の責任で適切な水準となる必要があるというふうに考えておりまして、本市単独事業での補助は考えておりません。  介護職員の基礎研修につきましては、これから介護職員として介護サービスに従事しようとする方を対象とした職業教育として県において実施されております。その受講料については受講者の負担とされております。本市として事業者等への助成をするということは考えておりません。  次に、重度心身障がい者医療費助成制度の見直しについてお答えをいたします。  重度心身障がい者医療に自己負担を導入すれば、対象者に負担を強いることになるのではないかという御指摘でございます。重度の障がい者の方は一般的に就労率が低く、また、生活を維持するためにさまざまな負担があるなど、厳しい経済環境にある場合が多いということについては認識をいたしているところでございます。しかしながら、一方で重度心身障がい者の医療費助成に必要となります扶助費につきましては、年々増加をしてきておりまして、平成20年度、本年度予算は約41億円でございますが、平成28年度には約73億円を超えるというふうな推計をいたしているところでございます。今後も本市の厳しい財政状況が予想される中、この制度を時代のニーズに応じて機能強化を図りながら、将来にわたって持続可能なものとしていくためには、一定の見直しは必要であるというふうに考えております。これらのことから、現在、県の改正趣旨を念頭に、制度全体の内容を慎重に検討するために審議会等において御意見を伺っているところでございます。以上でございます。 68 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 69 ◯教育長(山田裕嗣) 学校施設についての御質問ですが、まず、プールの改築や大規模改造につきましては、経過年数などを勘案し、順次実施しているところでございまして、今後策定するアセットマネジメント計画を踏まえ、計画的な改造や改築に努めてまいりたいと考えております。  次に、学校の耐震化の前倒しについてでございますが、現計画では、来年度以降150校を超える膨大な耐震改修事業を短期間で実施する予定としております。1つの施設を耐震化するに当たっては、まず、耐震診断を行い、その結果に応じて作成した改修計画について公的機関の評価を受ける必要があり、診断から評価取得までに約4から5カ月の期間を要します。その後、実施設計、改修工事を行うこととなり、耐震化完了までには複数年を要すること、さらに、他の市町村も耐震化事業に取り組んでいるため、耐震診断ができる構造技術者の確保や公的機関の処理件数などの課題もあることから、現計画の前倒しは困難であると考えております。今後とも、学校の耐震化につきましては、現計画に基づきまして鋭意取り組んでまいります。以上でございます。 70 ◯副議長(久保 浩) 倉元達朗議員。 71 ◯44番(倉元達朗) まず、学校施設の問題ですが、大規模改造について具体的な計画に触れられませんでしたが、あなた方のペースではいつまでかかるかわからない。教育環境の格差を放置するんですか。急いでやるべきです。また、プールについては、必要に準じて整備するというけれども、あなたたち、整備方針すら持っていないでしょう。子どもが学校でけがしているんですよ。安全にかかわることなのに、これも放置する。ひどいものです。耐震改修については、前倒しがいかに大変だったんだということをとうとうと教育長述べられたんですが、私それ聞いて、市長が公約で掲げている4年間というのもなかなか難しいんではないかなと心配になってきましたよ。それで、今、国も補助率が2分の1から3分の2に引き上げられまして、もちろん適用条件はあるんだけれども、約3年間限定でやりなさいというふうに促しているわけですね。ですから、本市としても、少なくとも耐震改修を速やかに行う必要があるものと診断された9校があるでしょう。この9つの学校をやはり計画も待たずに直ちに着手すべきです。  そこで、市長、校舎の大規模改造、危険なプール、そして耐震改修を速やかに行うために、抜本的に学校施設改善の予算をふやすべきと思いますが、御所見をお伺いします。  次に、重度心身障がい者医療費助成制度についてです。  局長は、もうこの制度は変えられるのはしようがないんだと、こういう立場みたいですね。費用が年々増加するから、こういうふうに言われるわけですけれども、じゃ、障がい者に我慢しろとあなたは言うんですね。時代に合ったニーズ、時代に合った制度にしなくちゃいけない。何を言うんですか。適当なことを言うてもらったら困ります。障がい者の人たちが大変だということを知っているなどと言われましたが、この制度がどんなにかけがいのないものか全くわかっていませんよ。重度障がい者は多くの病気を併発している場合がほとんどなんです。病院にかからないと生きていけない。そんな障がい者に今まで無料だった医療費を有料にするということがどんなに負担になるか。ただでさえ自立支援法の導入で利用料負担が障がい者にのしかかっています。基本的に就労が困難で多くを年金等に依存せざるを得ず、医療費の負担が大きい重度障がい者のセーフティーネットとなっているのが本市独自の医療費制度です。なのに、県の制度に合わせて同制度を改悪しようとしている。市長、あなたが障がい者の命を脅かそうとしているんですよ。  先日、同制度を守り、充実させるための集会に私行ってきました。障がいを持つ子どものお母さんは、お金がないからといって病院に子どもを連れていかないわけにはいかない、大変だと、子どもの命にかかわることなんだということを切実に訴えられました。これに対して、財政難とか将来の負担が重くなるなどといって8億円の持ち出しを削減し、障がい者の命綱を断ち切ろうとする。その一方で人工島を初めとする大型開発は見直さない。市長、税金の使い方を改めれば、制度は存続できるんです。したがって、多くの障がい児、障がい者の命と健康を守る同制度の改悪は絶対に認められず、本市の独自制度を存続すべきと思いますが、市長の明確な答弁を求めます。  最後に、介護保険制度についてです。  あなた方は機械的な対応をしないように指導していくというふうに言われたわけです。しかし、その機械的な対応をさせているのが、先ほど紹介したこの通知なんですよ。この通知についても、誤解がないように説明していくというふうに局長言われたんですが、これどうやって事業所に届けられたか、市長知っていますか。見てください、ファクスって書いてあるでしょう。これ事業所からそのままコピーしてもらったんですけど、ファクスでこんな大切な同居家族の扱い方に対しての通知をファクスであなたたちぽんと事業所に送って、説明もやっていないんですよ。これでやりなさいと。これでこれから説明していきますと言っても信用できませんよ。この通知は撤回すべきです。おかしいでしょう、同居家族の定義にしても。こんな現場に混乱を持ち込む原因になっている通知は撤回してください。  減免制度についても、今の制度で十分だという答弁。本当に冷たい。必要なサービスが受けたくても受けられない人を、市長あなたは放置するんですね。お年寄りにも冷たい、障がい者にも、子どもにも冷たい。これがあなたの政治姿勢ですか。  また、人材不足の問題ですが、あなたたちには深刻さがありません。今、市内の福祉系の専門学校の介護コースは入学者が少なくて閉鎖を考えているところがあるそうです。これから人材がもっと必要になるにもかかわらず、この状況を放置すれば、介護の担い手は減少し、介護の崩壊を招きます。  そこで、利用者のサービスを制限することがないように、誤った解釈の通知は撤回し、正しい基準を事業者に徹底して、必要なサービスが受けられるようにすべきではありませんか、御所見をお伺いします。  また、第4段階の低所得者が必要なサービスを受けられるよう、保険料の減免制度の充実、利用料の助成制度を新設するとともに、人材確保のために独自の助成制度をつくるべきと思いますが、最後に市長の答弁を求めて私の質問を終わります。 72 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 73 ◯市長(吉田 宏) 今の質問の順番に従ってお答えします。  最初、学校施設の整備についてでございましたけども、学校の施設、子どもたちが1日の大半を過ごすところでありまして、学習の場、生活の場という、そして、豊かな人間性をはぐくむために、環境の整備は大変重要だということであります。また、災害のときには地域の避難場所という役割も果たすということで、適切な維持管理、非常に重要なことだと認識をしております。  御質問にもありました学校の耐震化については、本年3月に、それまでの計画を4年短縮して、平成23年度完了に向けて今事業を進めています。また、昭和40年代から50年代にかけての児童生徒の急増期に建てられた校舎の整備などもありますし、子どもたちが安全で安心して学べる良好な教育環境の整備のために、予算の確保に努めてまいりたいと思います。  2つ目の重度心身障がい者医療制度の見直しでございますが、今本市が持っております制度をそのまま維持してほしいという、そういう御質問だったと思いますけども、今後、少子・高齢社会も進展しますし、医療費助成制度に係る扶助費がまた急増するというふうに見込まれております。今後も本市の財政非常に厳しいということを考えますと、この制度、今の時代に応じて機能強化を図るとともに、将来にわたって持続可能なものとするためには、一定の見直しは必要であると考えております。今後、審議会等の御意見、それから対象者の皆様の置かれている状況、議員も御指摘になりましたけども、さらには県内他市町村等の動向を十分に勘案しながら、慎重に検討してまいりたいと思います。  最後の介護保険制度、訪問介護の生活援助サービスにつきましては、これは適切なケアマネジメントにより、必要なサービスが提供されるようにしっかりと指導してまいります。  また、介護保険料の負担軽減等につきましては、第4期介護保険事業計画策定の中で、低所得者の負担に配慮しつつ、適切な保険料となるように検討をしてまいります。  また、介護人材の確保につきましては、国において介護労働者の確保、定着に向けて取り組まれておりますが、本市としましては、必要に応じて介護事業者の実態について、国へも情報提供するとともに、介護保険料の水準に留意しつつ、適切な介護報酬が設定されるように要望してまいります。 74 ◯副議長(久保 浩) 松野隆議員。 75 ◯34番(松野 隆)登壇 本日5番目でようやく折り返しでございます。元気いっぱい質問を行ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。  私は、公明党福岡市議団を代表し、特別支援教育推進のための環境整備について質問いたします。  平成19年の学校教育法の一部改正により、特別支援教育が実施され2年目を迎えました。それまでの障がい種と程度に応じ特別の場で授業を行う本市障がい児教育から、1人1人の教育的ニーズに応じ適切な教育的支援を行う特別支援教育への転換が図られ、さらに発達障がい児童にも拡大され、教育現場においては、特別支援教育支援員の配置、校内委員会の設置など、障がいのある子どもたちの保護者の要望にこたえ、施策の充実に向けたさまざまな取り組みがなされております。しかしながら、それらの取り組みはまだ不十分であります。私は以前より、特別支援学校の施設の老朽化についての御指摘をいただいておりましたので、夏休み期間を利用し、全校ではありませんが、本市の特別支援学校を視察させていただき、全般的実態を見ることができました。そこで、施設と諸課題についてお尋ねしてまいります。  まず施設ですが、今津特別支援学校は校舎前のバス乗降場ですが、地盤沈下の改良工事により、かえって段差ができ、バス出発、到着時に子どもたちは体にかなり大きな振動を感じております。また、緊急時に救急車が患者搬送のための受け入れを行う場所も大きな段差があり、早急な改善が必要です。同校に通う子どもたちは体温調整が難しいのですが、冷房だけではどうしても体調を崩してしまうので、時には窓を開放するなどの配慮も必要になります。場所柄、夏場は虫が多いため、網戸の完備が急がれます。教室や体育館の冷房も不足しておりました。水泳は障がい児にとって重要な科目でありますが、プールの水深が浅いために、高等部の生徒は泳げない現状です。改善を要望いたします。  若久特別支援学校は、特に体育館とプールの老朽化が進んでいます。体育館天井のひびや隣接する体育倉庫はさらに老朽化が著しく、使用頻度が高い倉庫なので大変危険です。プールと倉庫と体育館の一体的改造が必要だと思われます。教員の定数により義務づけられている休養室もありませんでした。  生の松原特別支援学校は、老朽化の影響が特に大きいと感じられました。やはり体育館とプールの老朽化や教室の天井には至るところに雨漏りの跡がありました。教室のトイレも便器が壊れたまま。廊下のトイレは狭く、車いすも通れないほどの狭さなので、とても介助はできません。職員トイレはいまだに男女兼用です。外から中が丸見えなので、つい立てで目隠ししてありました。このトイレは階段の下にあり、構造上改造できないと言われたそうですが、何とかしていただきたと思います。職員室も狭いので、長机が置いてあり、職員室は利用しづらい状況です。やはり休養室もありません。用務員さんもこのような施設の現状に常に細心の注意を払っておられますが、子どもの安全確保を心配しておられました。  東福岡特別支援学校は、まず、保健室が狭く、倒れた子どもは教室にマットを敷いて寝かせるほどです。教室、廊下とも窓はガラスを強化ガラスにかえる必要があります。教室に敷いてあるカーペットは大変古く、不衛生きわまりないため、一日も早く板敷き、もしくはマット敷きにしてください。やはり職員室が極めて狭く、長机1つを教員3人が共有し、作業しておられました。  屋形原特別支援学校は、病弱児に、今年度より知的障がい児童が加わりました。そのため、一部の施設が知的障がい児童に対応していません。例えば、プールはもともと水深が浅いため、知的障がいの子どもたちが勢いよくプールに飛び込むと大変危険です。プール床面にある明かり取りのガラスタイルが割れているなど危険箇所もありました。改善が必要であります。また、冷房機器の設置が急がれます。旧校舎東側の図工美術室、技術室、音楽室、家庭科室は、朝日を正面に受け、気温がかなり上がるので、夏季は午前中授業を組めません。逆に西側の理科室、視聴覚室は午後から気温が上がります。まだまだ切りがないほど施設改造を要する箇所はたまっております。体育館、プールの老朽化が特に進んでおりました。特別教室の整備が不十分であったり、遊具が未設置であったり、トイレの不足、トイレ等の施設が障がいに対応できる状況になっていないこともわかりました。  そこでお尋ねします。特別支援学校の施設整備について、保護者の皆さんから多くの声が聞こえてまいりますが、お尋ねいたします。各学校から施設整備についてどのような改善要望が出ておりますか。要望に対して、教育委員会ではどのように対応されていますか。特別支援学校の大規模改造について、改造の時期はいつですか。また、大規模改造の基準があればお示しください。  次に、知的障がい特別支援学校のスクールバス乗車についてお尋ねします。  通学が困難な子どもや保護者にとって、スクールバスでの送迎はとても感謝されております。お尋ねしますが、各知的障がい特別支援学校には、それぞれバスは何台配置され、学校ごとの利用率はどのくらいかお答えください。高等部は原則自主通学と聞いておりますが、公共交通機関を利用して単独で通学している子ども、公共交通機関を利用して保護者同伴で通学している子ども、保護者が自家用車で送迎している子ども、スクールバスを利用している子どもについて、何人かお答えください。  次に、医療的ケアについてお尋ねします。  平成20年度は肢体不自由特別支援学校に看護師が増員されましたが、ケアを必要とする子どもたちも増加しており、看護師に対するケアの割合から保護者が待機してケアを行う状況が続いていると聞いております。  そこでお尋ねします。肢体不自由2校の3年間の医療的ケアの延べ人数、ケアの内容についてお示しください。医療的ケアを必要とする子どもの数及び重篤なけいれんを持つ子どもの数、アレルギー疾患等で医師から特別の対応が必要だと言われている子どもの数は、各特別支援学校ごとに何人いますか。また、その子どもたちへの対応についてはだれが行っていますか。医療的ケア実施に対する本市の成果と今後の課題は何でしょうか。お答えください。  次に、特別支援教育の本格実施に向け、平成19年に発行された広報誌「福岡の教育」には、今後、特別支援学校に在籍する生徒が居住する校区の学校にも副次的な籍を持ち、地元の学校や生徒との交流を通じ、地域での居場所づくりを進めるための副籍制度について言及してあります。そこで、同事業の進捗状況と今後の見通しについて、また、居住地の小中学校との交流の現状についてお聞かせください。  以上で1問目を終わり、2問目から自席にて行います。 76 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 77 ◯教育長(山田裕嗣) 特別支援教育についての御質問にお答えをいたします。  まず、各学校からの施設整備の要望につきましては、さまざまな内容の改善要望が出されますが、建具の金物やガラス、トイレ、雨漏り、照明器具及び給排水設備などの関係の要望が多くございます。改善要望につきましては、緊急性の高いものから優先して対応に努めております。また、規模の大きな改良を要するものにつきましては、施設の構造上の制約や将来の整備計画などの検討を踏まえ、対応に努めてまいります。  次に、大規模改造につきましては、建築後30年前後を経過した学校を対象に順次実施している状況にあります。特別支援学校の中にも築30年を経過した学校がありますので、今後具体的に検討してまいります。また、大規模改造に当たりましては、屋根防水、外壁、内部仕上げ、建具、電気設備、給排水設備などの改造を原則として3カ年で実施しております。  次に、各知的障がい特別支援学校ごとのバスの配置台数、利用率につきましては、福岡中央特別支援学校は3台で、利用率は92%、若久特別支援学校は3台で、利用率は56%、東福岡特別支援学校は4台で、利用率は79%、生の松原特別支援学校は3台で、利用率は96%、屋形原特別支援学校は3台で、利用率は83%となっております。  また、知的障がい特別支援学校高等部生徒の通学状況につきましては、高等部生徒312人のうち、公共交通機関等を利用して単独で通学している生徒は156人、公共交通機関を利用して保護者同伴で通学している生徒は32人、保護者が自家用車で送迎している生徒は43人、スクールバスを利用している生徒は81人となっております。  次に、肢体不自由特別支援学校2校における医療的ケアを必要とする児童生徒は年々増加傾向にあり、2校の合計で平成17年度が28名、平成18年度が36名、平成19年度が59名となっており、医療的ケアの内容は、経管栄養、たんの吸引、導尿等でございます。平成20年度、特別支援学校に在籍する児童生徒の中で医療的ケアを必要とする児童生徒は合計で88名でございます。内訳は肢体不自由特別支援学校に66名、知的障がい特別支援学校に22名でございます。また、重篤なけいれん発作のある児童生徒は合計189名で、医師の指示のもとに養護教諭が座薬の挿入を行っております。アレルギー疾患等につきましては、屋形原特別支援学校と生の松原特別支援学校に1名ずつ在籍をしております。アレルギー疾患等への対応は、各学校で担任が学校生活全般の配慮を行っております。医療的ケアの成果につきましては、児童生徒の増加及び障がいの重度、重複化に対応して、適宜看護師の増員を行うことにより、専門家による適切な医療的ケアの充実が図られたところでございます。今後の課題としては、医療的ケアを必要とする児童生徒が増加しており、今後とも、その充実に向けた検討が必要であると考えております。  それから、副籍制度についてでございますが、本年度、小学校3校を対象とし、交流のあり方や成果についての調査研究を行っております。今後、調査研究の成果を踏まえ、実施可能な学校から段階的に進めていきたいと考えております。また、地元の小中学校の学校行事などに参加する居住地校交流につきましては、昨年度は特別支援学校在籍の児童生徒147名を対象にし、延べ回数で333回の居住地校交流教育を実施いたしております。以上でございます。 78 ◯副議長(久保 浩) 松野隆議員。 79 ◯34番(松野 隆) 特別支援教育の特色は、場から個への転換にあります。全国的傾向として、障がい児の増加や障がいの重度、重複化は進んでおります。本市におきましても、知的障がい特別支援学校の児童生徒数は5年間でおおよそ200名増加しております。文部科学省はこの課題に対しまして、障がい児の自立と社会参加をより推進するために、ソフトだけでなく、施設面でも質的向上を図るための特別支援学校整備指針を平成19年、全面的に改定し、今後、改造を含めた施設整備における留意事項を示した上で、十分に配慮するよう、全国に通達を行いました。内容も、施設のバリアフリー化、通報システム導入、特別支援学校のセンター機能強化への体制整備、就労支援に向けた環境整備など多岐にわたっております。  一方、本市における現状では、各学校からの営繕要望がなかなか実現しない状況にあり、例えば、パソコン教室の整備についても、毎年要望しているにもかかわらず改善されないために、教室を間仕切りしたり、放送室と兼用するなどの対応がなされております。高等部の作業種目として就労支援に大変重要な項目である情報技術習得を取り入れたいとの要望や自閉症児童への教育には、極めて効果が高いとの指摘もありました。このように、特別支援学校は子どもたちの増加に対する急場しのぎで対応されてきたようで、劣悪な教室環境が多く見受けられます。  そこでお尋ねします。文科省から示された特別支援学校整備指針において、今後の施設整備について多様な学習活動の実施、安全性への配慮、地域との連携を考慮し、総合的かつ長期的な視点から抜本的な整備計画が重要であると明示されていますが、本市において、特別支援学校整備基本計画を早急策定すべきであると考えますが、御所見をお伺いします。また、今後、施設の改造、整備の要望に対し、学校との連携が不十分と感じるなど、これまでの問題点を踏まえ、今後どのように対応するのかお答えください。  次に、高等部生徒のスクールバス乗車についてであります。  本来、高等部生は義務教育ではないので、自主通学が原則となっており、平成14年に設置されましたスクールバス運行協議会では、状況を勘案しながら定員を検討していくとの結論であったようですが、私が見聞きした限り、スクールバスはすし詰め状態で運行されており、定員は余裕のない状況にあります。また、自主性を養うための手段として公共交通機関を利用し、単独での通学を行っている側面もあるようですが、基本的に学校まで直通、乗りかえなしで通学できる生徒はほとんどいません。そのために、乗りかえの途中でおりるバス停を間違え行方不明になった例や、通学中にパニック状態になったりと保護者の不安は尽きません。また、公共交通空白地域に居住する保護者は毎日自家用車で送迎しなければならないなど、高等部の子どもの保護者の負担は過大であります。将来の自立に向けた訓練としての手段は、学校での就労に向けた科目の充実など、ほかの方法でも行えると思います。少なくとも学校への通学という入り口で子どもたちを選別し、排除すべきではないと考えます。また、高等部は義務教育ではないという理由で単独で通学できない子どもを保護者が送迎することを仕方がないとするのでしょうか。もう少し弱者に対する配慮があってしかるべきではないかと思います。  高等部の生徒で病気や障がいの状況、交通の利便性から、どうしても単独で通学できない子どもについて、現行の乗車基準を再考し、バスの増便により、希望する生徒全員が毎日乗車できるよう取り計らっていただきたいと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、医療的ケアの問題であります。  平成16年度の文部科学省と厚生労働省との協議におきまして、軽微な医療的ケアについては教員が実施できるようガイドラインが定められました。これを受けて、全国的にはこのガイドラインに基づいて教員が実施しているところがあるとお聞きしておりますが、各政令市の実態はどうなっておりますでしょうか。また、本市におきましては、早期に看護師を配置したにもかかわらず、その後の医療的ケア実施への取り組みが足踏みしている感がありますが、他政令市のように、今後、違法性の阻却を探りながら、教員による医療的ケアの実施の研究がされているのでしょうか。本市では保護者が対応しているようですが、知的障がいの特別支援学校においても、医療的ケアを必要とする子どもたちがいる以上、本市においても保護者に負担をかけないような方法を検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
     次に、副籍制度についてであります。  今後、障がいのある子どもの居住地域での居場所を確保することは重要な課題です。また、通常学校の子どもたちが障がいがある子どもたちと接することは情操教育の一環としても重要であります。また、障がいがある子どもを日常的に受け入れることは、教員への特別支援教育への理解や啓発も促進し、教員の人事交流にも大変有益であります。さらに、来るべきインクルーシブ教育や国はまだ導入はしてはおりませんが、通常学校、特別支援学校、特別支援学級、また、適応指導教室などへの複数在籍や複数登録を見据え、一層の交流推進を図るべきであります。このように副籍制度は多様なニーズを持つすべての子どもが一般教育制度から排除されず、多様に保障される仕組みづくりのためにも極めて重要なプロセスとなり得る試行ではないでしょうか。  そこで、この副籍制度を一日も早く事業化するため、特別支援学校に在籍する子どもたちの主籍は特別支援学校に、副籍は居住地の小中学校というように、学齢簿にきちんと位置づけるべきではないでしょうか。御所見を伺います。また、交流を進めるに当たり、今後の指針やマニュアルの策定が必要ではないでしょうか。あわせてお答えください。  次に、特別支援教育推進のための発達教育センターの今後のあり方についてであります。  今回は施設の問題から述べさせていただきましたが、何らかの障がいがある幼児、児童生徒は、今後も増加するとの将来予測があり、ハードとソフトの両面において多様化する課題に対し、特別支援教育の推進は決して十分ではなく、今後の充実いかんであります。本市教育委員会では、発達教育センターが約20名の陣容で日常の業務に当たっておられます。発達教育センターの行う代表的な業務は、教職員への研修、特別支援教育の啓発、特別支援学校、学級の施設整備、特別支援学級の設置、就学相談、教育相談、学校指導等、非常に多岐にわたっております。例えば、さきに述べました施設改造の課題の本質は、一義的には発達教育センターが窓口でも、センターには技術職もいない、予算も権限もないので、施設整備課との連携が必要となり、課題解決までに相当の時間がかかってしまうという現状があります。これから本格化する学校施設のアセットマネジメント事業にかかる経費を平準化するに当たっても、小規模改造はできるだけ速やかに行うべきであり、放置されるほどにコスト高になり、結局、費用のツケが回ってしまい、さらに先延ばしにされてしまうのではないでしょうか。学校施設以外で、今述べました業務のほとんどが発達教育センター単独で行えるものはなく、教育相談課、学校指導課、学校長との連携なしには行えません。当然、日常的交流や連携は重要でありますが、速やかな意思決定を行う上では非効率的であります。現在、障がい児支援課や教育相談課など、他の課の分け合っている一部の業務を発達教育センターに取り込み、本市教育行政の観点からは、特別支援教育をさらに充実させるための体制の構築と、市民サービスの観点からは、特別支援教育に関する情報提供や相談窓口など、障がい児教育全般に関する総合的窓口機能をあわせ持つ発達教育センターのリニューアルを行うことにより、本市発達教育センターが他市に先駆けた特別支援教育総合推進センターになると考えます。  また、特別支援教育が本格実施され、これまでの特別支援学校、特別支援学級のみならず、通常の学級に在籍するLDやADHD等の発達障がい児が教育の対象となり、その範囲が拡大されております。発達教育センターだより第26号には、文部科学省の調査では、通常の学級に在籍する発達障がいが疑われる児童生徒は6.3%、特別支援学級に在籍する児童生徒は0.96%となっており、この率から考えますと、本市小中学校において特別な支援を必要とする子どもは約8,000人と推定されると明記してあります。このような現状に20人の陣容で、他の課と連携しながらスピーディーに対応することは非常に困難です。そうであれば、現在、教育委員会において課と位置づけてある発達教育センターを人員、権限、予算が伴う部制へ移行することがぜひ必要ではないかと思います。  そこで、現在教育委員会において進行中の新たな教育改革プログラムの策定作業において、特別支援教育の重要性と発達教育センターの今後のあり方についてきちんと位置づけ、さらに、多様なニーズに応じた取り組みを検討していくことが重要だと考えますが、特別支援教育強化の必要性について教育長の御所見をお伺いし、2問目を終わります。 80 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 81 ◯教育長(山田裕嗣) まず、特別支援学校の施設整備についでございますが、文部科学省策定の特別支援学校施設整備指針に留意いたしますとともに、今後定めますアセットマネジメントの実行計画の中で、将来的な計画を策定していく予定でございます。また、学校からの営繕要望につきましては、学校現場との連携をより密接に行い、良好な教育環境の整備に努めてまいります。  次に、スクールバスについてのお尋ねでございますが、知的障がい特別支援学校高等部におきましては、知的発達におくれのある生徒の能力や特性に応じ、就労など自立して社会参加していくための力を身につけることを教育目標としております。このため毎日の通学も社会参加のための教育の一環として位置づけており、自主通学を原則としておりますが、障がいの状況等により自主通学が困難な生徒につきましては、学校長の判断によりスクールバスへの乗車を認めているところでございます。生徒の通学方法につきましては、障がいの状態や教育的効果等について保護者の皆様とも十分に話し合い、最も適切な方法を個別に検討してまいりたいと考えております。また、スクールバスの増便につきましては、乗車対象となる児童生徒の状況を見ながら、今後検討してまいります。  次に、医療的ケアについての各政令市の実態につきましては、札幌市、さいたま市、横浜市、京都市、大阪市、堺市、神戸市において、看護師と連携を図りながら教員による軽微な医療的ケアを行っております。本市の場合、肢体不自由特別支援学校には看護師を配置しておりますので、看護師が中心となって医療的ケアを行っております。医療的ケア実施の研究につきましては、医療関係者や教員等から成る医療的ケア連絡会と医療的ケア研修会の中で研究を行っております。知的障がい特別支援学校におきましては、医療的ケアを必要としている児童生徒が2校に合計7名在籍しており、保護者が対応しております。今後、看護師の配置等を含む医療的ケアの充実に向けて検討してまいりたいと考えております。  次に、副籍の学齢簿への位置づけにつきましては、学齢簿オンラインシステムの変更など実務面における課題もありますので、今後、他都市の状況なども踏まえ検討してまいります。  また、交流に関しての指針やマニュアルについてのお尋ねでございますが、副籍制度は、交流のあり方やその成果についての調査研究の結果を踏まえ、実施可能な学校から段階的に進めることとしており、また、地元の小中学校の学校行事などに参加する居住地校交流にも取り組んでいるところでございます。今後の事業の進捗状況を見ながら、指針やマニュアルの策定について検討してまいります。  次に、特別支援教育の推進に関するお尋ねでございますが、障がいのある児童生徒が自立して充実した社会生活を送ることを目指して、児童生徒1人1人の教育的ニーズを把握し、個に応じた適切な教育を行うことは大変必要であると考えております。現在、教育委員会においては、現行の教育改革プログラムの成果と課題や近年の子どもをめぐる社会、地域、家庭などの変化を踏まえ、今後の教育行政の指針となる新教育改革プログラムを策定中でございます。御指摘の特別支援教育の重要性につきましては、この新教育改革プログラムの中に位置づけるとともに、その策定を行う中で特別支援教育の実施体制のあり方や事業内容についても検討していきたいと考えております。以上でございます。 82 ◯副議長(久保 浩) 松野隆議員。 83 ◯34番(松野 隆) 医療的ケアの実施につきましては、今の回答にもありましたとおり、札幌市を初め、他政令7都市におきまして、知的特別支援学校にも看護師の配置ができているから、教員も看護師と連携しながら軽微な医療ケアができるわけです。本市は看護師の配置ができていないので教員も何もできないと、結局、保護者への負担がふえる。この違いの根源は何なのでしょうか。通常学校に障がいのある我が子を通わせたくても、医療的ケアが必要であれば、保護者が付き添わなければならないので、家庭の事情によりそれがかなわないので、特別支援学校に在籍している児童生徒もいるはずです。にもかかわらず、知的特別支援学校にさえ看護師の配置がない。既に通常学校に看護師を配置している政令市があるにもかかわらず、一向に進まない本市の現状には強い疑問を感じずにはおられません。間もなく本市障がい児教育プランの改定時期を迎えると聞いておりますが、その中で肢体不自由とあわせ、知的特別支援学校における看護師の配置も推進されるよう、重ねて強く要望しておきます。  今回の質問に当たりまして、特別支援学校を視察し、現場の教員や保護者の皆さんから多くの御意見をいただきました。また、教員や教育委員会事務局の皆さんが執筆された冊子を読み、教育が抱える今日的課題の何と多いことか、多様化しているか、また、それに連なる教育の未来への不安など、さまざまなことについて考える機会となり、また、具体的な提言は大いに参考になりました。今後、教育の課題解決への最大の課題は教育費の確保にあるのではないでしょうか。昨日も三角議員から御指摘がありましたが、9月10日の新聞報道によりますと、2005年、日本のGDPに占める公的な教育支出額が過去最低となり、OECD28カ国中、最低であったことが判明し、世界各国は教育予算をふやす傾向にあり、日本と差が開きつつあるとありました。日本の学力がアジア諸国と比較し、下降していることは偶然の一致なのでしょうか。  本市におきましても、年間の教育予算は、今年度こそ耐震化事業に伴い増額しておりますが、年を経るごとに減り続けております。平成19年度の本市年間教育費は438億円で、予算規模としては昭和56年当時と同規模です。一方、この両年は一般会計額で比較しますと、平成19年度は6,740億円、昭和56年は3,244億円で、平成19年度が昭和56年当時の約2倍という規模から考えると、昭和56年と比べ教育費のシェアは半減しております。特に平成7年以降、一般会計に占める教育費のシェアは右肩下がりで減少の一途をたどっております。確かに市民体育館や市民プールなど学校施設以外の施設整備事業が減少しておりますが、今年度、本市におきましては、新たな教育改革指針の策定、学校規模適正化事業など重要課題に取り組んでおり、本市の教育力が向上するか否かの分岐点にあります。教育の質の向上と学校施設の安全性確保のために、教育費の極端な減額傾向に歯どめをかけていただきたいと思います。中でも障がいのある子どもたちは卒業後の行き先が少ないため、家庭に閉じごもりがちになります。自立できない子どもたちは自分の人生をみずからの意思で積極的に切り開くことが困難であるから、貧困などの家庭の境遇を将来にわたって引きずることになります。保護者も学校卒業後は相談相手もいなくなり、孤立し、傷つき、将来への不安は尽きません。しかし、残念ながら就労機会拡大への取り組みは遅々として進んでいないのが現状です。平成19年、日本は国連障害者権利条約に署名しました。日本の批准に伴い、やがて国内における障がい児教育のための環境整備の状況と条約署名との整合性が問われるときがすぐ目の前に迫っております。今後、教育予算の増額は重要であると考えますが、教育長はどうお考えでしょうか、お答えください。  出生数が減り続ける中、障がいがある子どもたちはふえ続けております。特別支援教育の理念は、障がいのある幼児、児童生徒や知的おくれのない発達障がいの児童生徒も含めた自立への教育にとどまらず、障がいの有無やその他の違いを認識しつつ、さまざまな人々が共生する社会の基礎となるものであり、これからの社会の構築に重要な意味を持っております。その意味において、今こそ本市特別支援教育の土台をつくり、療育から就労まで障がい児のための一環した環境づくりを力強く進めるというメッセージを発信していただきたいと願います。それがすべての子どもたちを優しく思いやりのある子どもに育てるための教育効果となり、さらに教育が抱える今日的課題の解決へとつながっていくことを確信いたします。  最後に市長に御所見をお伺いし、質問を終わります。 84 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 85 ◯教育長(山田裕嗣) 教育予算についてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、本市の教育が抱えるさまざまな課題の解決に取り組むとともに、教育の質の向上を図っていく必要があることから、本年度におきましても、学校施設の耐震対策の推進や学力向上施策の充実など、子どもたちの教育環境の整備、充実に努めているところでございます。特に特別支援教育につきましては、知的障がいのある児童生徒の増加に対応するため、屋形原特別支援学校に知的障がい教育部門を新設するとともに、小中学校に在籍する発達障がいのある児童生徒の支援を行うため、特別支援教育支援員を新規配置するなど、特別支援教育の充実に向けた予算措置を行ったところでございます。  平成6年度をピークとした教育予算の減少につきましては、主に大規模施設の整備完了やスポーツ事業などの他局移管によるものでございますが、特別支援教育を初めとした多様な教育ニーズの高まりに的確に対応していくため、より一層の予算確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 86 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 87 ◯市長(吉田 宏) 力強いメッセージをということでありますが、特別支援教育についての考え方は2つ、私は分けられるんではないかと思います。1つは、きのうからも今議会でも議論されておりますが、発達障がいを含めて、それから、きょう今議員が御指摘の特別教育が必要な子どもたち、大変ふえていますね。それはさまざまな背景があると思いますが、実際にふえている。その子どもたちをまず早期の療育から始まり、そして就労できる就労の訓練、また、その就労機会を我々が探すと、一緒になってつくっていくという、その子どもたちのためにまず私たちやるべきことはまだたくさんあると思います。そのためには教育予算の確保というのがまず一番大事なことであると。これは今教育長が申しましたけども、我々も全く同じ気持ちで取り組んでいこうと思います。もう1つは、これは議員の御指摘の中にもありましたが、我々が特別支援教育に取り組んでいるんだと、そういうハンデキャップを負った子どもたちも社会全体でしっかり育てていくんだと、そして、その姿を一般のといいますか、社会全体、それから普通の子どもたちにも見せていくということがもう1つ非常に大事なことだと思います。この車の両輪といいますか、この2つの考え方がしっかり合わさって、これから先、非常に高齢社会になっていくということを含めますと、一方で社会的な扶助をする仕組みというのが非常にタイトになっていくわけですけども、その中でも何とか今申しましたように、この2つの輪が力強く結び合って、特別支援教育を含め、福岡の教育力の向上にしっかり取り組んでいくつもりであります。 88 ◯副議長(久保 浩) この際、休憩し、午後2時40分に再開いたします。                                         午後2時27分 休憩                                         午後2時41分 開議 89 ◯議長(川口 浩) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。玉井輝大議員。 90 ◯46番(玉井輝大)登壇 お元気さんです。民主・市民クラブを代表し、質問させていただきます。  今回は、早良区南部のまちづくりを視野に入れ、市域を緑で覆い尽くすこと、商業による農林業振興、これからのまちづくりについて質問いたします。  早良区南部地域は、他の市域と比べて、比較優位のなりわいは明らかに農林業です。そのなりわいは、油山の西斜面に始まり脊振山系に至る山林、そこから発する油山川、金屑川、室見川の流れを使い、吉武高木遺跡の早良王国時代から、住民の力により比較優位の水薫る田園環境をつくり出してきました。人々は、吉野ヶ里、その先の神埼櫛田神社へ至る歴史の道、早良街道、現国道263号線を築いてきました。野芥には櫛田神社があります。約1,200年前、景行天皇によるという起源。明確に分霊したと記される荒江の櫛田神社など、すべての櫛田神社の起源の可能性もあります。早良街道は古代から地域を結び、人々を結ぶ結節機能を果たし、時間の流れの中で歴史と文化をはぐくみ、比較優位の人々の集いと交流による心地よい時間の流れる文化環境を築いてきたのです。この3つの比較優位、農林業、田園環境、文化環境を生かし、強化するまちづくりを考えます。  20世紀文明は大量生産、大量流通、大量消費、そして大量廃棄により、地球環境破壊を進めてきました。早良区南部でも、自然と歴史により培われてきたなりわい、文化、田園環境が大きく変化し、消えてしまいそうになっています。特に福岡市基本計画で地域拠点として位置づけられる地下鉄野芥駅を中心とした地域は、近年、駅開業、外環整備、都市高速野芥ランプ、三瀬ループ橋完成と、著しく交通機能強化が進んでいます。しかし、このエリアのまちづくり構想は今、全くありません。  紹介します。民俗学者宮本常一の「忘れられた日本人」に、「村の中に道が1カ所やや広くなっているところがあり、それを辻と呼んでいるが、この辻を持つところは、たいてい辻寄り合いが行われた村であり、非血縁的な地縁結合が強い」とあります。  この質問では、田楽辻づくりと銘打って、「田」は水がつなぐ森と農地、「楽」は集う文化、集うなりわい、「辻」は具体的なまちの形をテーマとして考えます。  まず、現状から始めます。  「田」、水がつなぐ森と農地についてです。  また、宮本常一は、「自然の美に親しみつつ自分の土地を耕しつつ、国民の大切の食糧を作ってやる、こんな面白く愉快な仕事が外に何があるか。年が年中、降っても照っても野良仕事と云うけれども、百姓程余裕の多い仕事が外に何があるか。一旦苗代に種を播いたら植え付け迄の約二ケ月は温泉行、御本山参り、さては親戚訪問出来るのは百姓ではないか。植え付けを終わって朝、草を刈り、牛を飼ったら昼寝をゆっくり出来得るのは百姓ではないか。秋収穫を終え、籾を櫃に納め置き、炉辺にホタを燃やしつつ藁細工に草履の二三足も作ってその日を送り、又、仏寺に参詣して作り自慢を戦わしつつ、殆ど3ケ月、呑気暮らしの出来るのは百姓でなければ真似の出来ないことではないか。」と、昭和14年、1939年ごろの農村の生活を紹介しています。  21世紀の今日、温暖化ガスを吸収し、気温上昇を静める緑は絶対善だと考えます。可能な限り、すべての地表を緑で覆うべきです。収穫を前提とした緑をはぐくむ農地、森林の維持拡大は我々が受け継いできた生活文化を生かしながら、なりわいと一体となった豊かな緑環境を再生し続け、維持し続けることです。これまでの輪郭がはっきりした西洋型都市計画ではない、穏やかな境界を持つ日本型の緑あふれるしっとりとした都市づくりになると思います。  農地における遊休農地をなくし、森林の間伐などを進めるための施策の実績と現状の課題、さらに、その解決をどのように進めようとしているのか、お伺いいたします。  続いて「楽」、集う文化、集うなりわいについてです。  私は、津屋崎あんずの里で話を聞いたことがあります。今でも年商5億弱、平均年収で約170万円、多い人は500万円以上上げているそうです。車が通る道路わきでの直売から始まり、運動公園でトラック市をやり、コミュニティー施設、ふれあいの館の軒下を借り、最終的に館の中を常設としたあんずの里市になった。施設管理の方が、軒を貸したら母屋をとられたと笑いながらおっしゃってありました。商行為、買ってくれる人の思いにこたえる形で成長しているのです。そして、女性のへそくりが発展の大きな力でした。元気な奥さん方が、家、姑さんの口座ではない、自分の口座をつくり、そこへ直売所の売り上げをためていく。そして、生産の売れるもの、ほかの人がつくっていないものというふうに作物の多様化が進み、それなら私もと隠居していた年配の方々も余っている少しの土地を使っていろいろな作物をつくり始める。商が農を豊かに、直売所が農民を豊かにしている実際の話を聞いたのです。  地産地消ということが叫ばれ始め、各地で朝市、夕市が立ち、直売所がつくられました。商行為を通じて地域の農業、森林に対する生産需要を上げる。作物の光合成によるCO2定着作業、すなわち農林産物の収穫作業を拡大させる。地産地消は緑をふやす営みであり、環境にもいい影響を与えます。  イギリスの雑誌モノクルで、福岡市は小売都市で何と世界一とランクされました。高い評価で紹介されているのはお店であり、レストランであり、カフェ、バーなどでした。確かに、比べると福岡はいい店が多い。写真で紹介されたお店はどこもセンスのよいインテリアを持つお店でした。また、食事は、海、山、田畑からの豊かな食材を使った手料理レストラン、こちらも手仕事、クラフトとつながる。福岡は古くから港町としての洗練されたもてなしの商と博多織・人形に代表される伝統の工のセンスを受け継いできています。福岡の商業は農林水産業と手仕事、製造業をつないで繁栄をつくり出してきた。そして今、国も農商工連携を産業政策としてうたい始めています。  直売所の開設にとどまっている地産地消のつながりを、地域拠点、副都心、さらに都心の商業拠点での販売という広がりで九州での安心、安全の物の流れのループが多様にできないものかと考えています。裏づけとなる事例は、ルネッサンス・プロジェクト社によるしょうちゅうの商品開発と販路拡大、岡垣町のぶどうの樹の野のぶどうとしての展開、コメ・マメ・イモカフェを始めている群言堂の全国展開など農業、林業と結びついた素材を売りにした展開がたくさん出てきています。  福岡の誇る飲食業が農林業を結びつけてお客を呼び込む、福岡の商が九州で農と食品加工を結びつける。目に見える安心の農商工連携で物の流れが多様にでき上がれば、農林業への需要が高まっていく。もちろん、流通ループが小さければ物流コストも少なくて済み、エネルギーを少なく使うエコノミーがエコででき上がる。現時点で地産地消を進める施策にどのようなものがあり、その現状と傾向はどのようになっており、今後どのように進めていくおつもりか、次に国が進めようとしている農商工連携とはどのようなものかをお伺いいたします。また、福岡市として、特に商、工の立場から何か準備していることがあるかを質問いたします。  次に「辻」、具体的なまちの形についてです。  単なる地価ではなく、土地の絶対価値、土地から上がる収入を上げる事業がまちづくりだと私は思っています。今まちづくりを考えるとき、発すべき問いは、まず特定の土地で経済活動を現状で最大化できているか、そして、もっと経済活動を活発化できるソフト、ハードの方策はないか、最後に、現状で経済活動が無理ならば、それをとにかくだれかが緑で埋めることができないか、ではないかと思っています。  都市計画に基づき道路がつくられ、用途地域が決められ、それに従って実際の土地利用が決まっていきます。そして、未利用で残っている土地は、往々にして固定資産税の評価が低くとどまっていることがあり、さらに未利用であるから市民税も事業所税も上がっていません。敷地、道路の形態によって固定資産税も低く抑えられ、未利用になっている土地がかなりあると思います。現状で未利用にならざるを得ない土地を使える土地にするための事業というのは、一定の税収拡大が予測されるならば財政再建第一の福岡市でも取り組むべき。もちろん、その投資額が回収されるという前提に立つのですが。未利用地をなくし税収をふやす都市整備事業に関して、どのような事前評価の手法が用意され、実際どのようなことがなされているのか、具体的事業としては、区画整理、地区計画などが考えられると思うのですが、土地区画整理事業を例にとって説明をお願いいたします。  また、一般の民有地で未利用になっている土地がどれほどあり、それがどのような状態だから未利用の状態にあるのか、代表的な原因を教えてください。それが活用されることにより、どの程度、どのような税収増が見込まれるとお考えか、所見を伺います。  以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。 91 ◯議長(川口 浩) 谷口農林水産局長。 92 ◯農林水産局長(谷口芳満) 遊休農地や森林間伐などに関する質問にお答えいたします。  遊休農地対策といたしましては、その発生防止を図るため、圃場整備などによる農地利用効率の向上を図るとともに、農地貸借権の設定等による担い手への農地の集積や、農家が開設する市民農園の整備を支援することなどにより農地の活用を図っております。さらに、生産調整に伴う休耕田につきましては、農協と連携しながら国の産地づくり交付金を活用し、直売所に出荷する野菜や景観作物の栽培に対する助成などを行っております。  このような中で、本市の耕作放棄地につきましては、国の農林業センサスによりますと、平成12年は162ヘクタール、平成17年には185ヘクタールとなっており、増加の傾向にございます。遊休農地の発生の原因といたしましては、農産物価格低迷による営農意欲の低下、農家の高齢化、農作業を受ける担い手の不足、農地を貸すことに対する農家の不安感などが上げられます。  今後の対策といたしましては、農業経営の安定を図るための各種農業振興策を推進するとともに、農作業の受け皿となる受託組合や集落営農の育成、支援、さらに、JA福岡市が本年10月に設立する農業生産法人と連携をとりながら遊休農地の発生防止や解消に取り組んでまいります。  次に、森林の間伐などに関する施策といたしましては、労働力や資金等の不足により放置された民有林を市が造林や保育管理する分収林事業を実施し、平成19年度末現在で1,055ヘクタールを管理いたしております。また、過密な森林において計画的な間伐を促進する間伐促進事業により、平成19年度は53ヘクタールに対して助成しております。  次に、現状の課題といたしましては、木材価格の長期低迷による経営意欲の低下等により間伐などが十分行われている状況にはなく、市内の既に荒廃した森林は約1,500ヘクタールと見込まれます。この課題を解決する方策といたしましては、これまで実施している分収林事業のほか、本年度から新たに森林環境税を活用した荒廃森林再生事業により、本年度は約600ヘクタールの荒廃森林調査、5カ年の事業計画の策定や、約100ヘクタールの間伐に取り組むなど、今後とも、間伐などを促進するための施策の充実に努めてまいります。  次に、地産地消を進める施策といたしまして、市内産農産物の学校給食への活用推進や、特産品開発に取り組むグループへの支援などに取り組んでおります。学校給食における19年度の市内産の利用実績につきましては、米と野菜を合わせ322トンで、平成16年の112トンから約3倍に拡大いたしております。特産品の開発につきましては、西区内の農業者と商工業者が連携して取り組まれたがめ煮パンや、農家の女性グループによる漬物などの開発へ支援を行い、農協直売所において販売されております。また、市内産農産物の消費拡大を推進するため、市民を対象とした福岡とれたて野菜クッキング教室や、小学生による酪農体験のほか、農協直売所や量販店における販売促進の支援などを行っております。農協直売所につきましては、平成17年度の1カ所から平成19年度には4カ所に増加いたしております。今後とも、各農協、県農業改良普及センター、学校給食公社などで構成する協議会などを中心に、また、商工業者と連携した特産品の開発や学校給食へ供給する農家への支援、また、直売所への支援など事業内容の充実を図りながら地産地消を進めてまいります。以上でございます。 93 ◯議長(川口 浩) 渡辺経済振興局長。 94 ◯経済振興局長(渡辺正光) 農商工連携についてお答えをいたします。国が進めようとしております農商工等連携事業につきましては、本年7月に施行されました農商工等連携促進法に基づき、経済産業省及び農林水産省が連携をし、新たに取り組むものでございます。  本事業は、農林漁業と商業、工業等の産業間の壁を超えた連携促進による地域経済活性化を目的といたしておりまして、中小企業者と農林漁業者が共同で行う新たな商品やサービスの開発等について、国から計画の認定を受けた場合に事業資金の貸し付けや債務保証、設備、機械の取得に対する税制等の支援を受けられることとなっております。この取り組みにつきましては、開始されて間がないことでありますので、福岡市におきましては本事業が活用できるシーズ、いわば事業の種がどの程度あるか調査をしながら、地場中小企業の活用に向けて研究してまいりたいと考えております。以上でございます。 95 ◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。 96 ◯住宅都市局長(松本法雄) まず、都市整備事業についてのお尋ねでございますが、事業評価手法といたしましては、平成10年度の新規着工事業から国土交通省の定めた事業ごとの評価手法に基づき評価をいたしているところでございます。このうち土地区画整理事業は、道路、公園など公共施設の整備改善と宅地の利用増進を目的としており、新規事業採択時には2つの事前評価手法が用意されております。その概要といたしましては、1つは、土地区画整理事業区域内の都市計画道路において、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の各便益の総和に着目した事業効果を評価する手法でございます。もう1つは、事業が行われた場合と行われなかった場合の地価上昇の差額に着目した評価手法でございます。本市におきましても、新規事業採択時にはこれらの事業評価を行っているところでございます。  次に、一般の民有地の未利用地についてでございますが、民有地についてのみの把握はできておりませんが、公有地を含む未利用地の面積といたしましては、最近の調査でございます平成14年度の都市計画基礎調査によりますと、全市における未利用空地が1,061ヘクタール、約3.1%、市街化区域内における未利用空地が577ヘクタール、約3.7%となっております。  なお、本調査における未利用空地とは、整地などが行われた土地のうち駐車場や資材置き場などにも利用されていない土地でございます。全く利用されていない土地でございます。  また、その原因につきましては、都市的な土地利用を行うまでの暫定的なものが多いと考えられますが、本調査は全市的な土地利用の動向などを把握するためのものであり、その原因の調査までは行っておりません。以上でございます。 97 ◯議長(川口 浩) 菅原財政局長。 98 ◯財政局長(菅原泰治) 民有地における未利用地の活用により見込まれる税収額等につきましては、現在、未利用となっている土地でございましても、当該土地に対して固定資産税及び都市計画税が課税されているところであり、新たに建物が建設された場合には、家屋に対して固定資産税及び都市計画税が課税されることとなります。  また、この建物の用途が事務所や店舗などの場合には、法人市民税や事業所税の税収増が、戸建て住宅やマンションなどの場合には個人住民税の税収増などが見込まれるところでございます。なお、民間の未利用地に新たに建設される建物の種類や規模等を想定することは難しいことから、具体的な税収増を算出することは困難でございます。以上でございます。 99 ◯議長(川口 浩) 玉井輝大議員。 100 ◯46番(玉井輝大) 少し提案をさせていただきます。  「田」、水がつなぐ森と農地についてです。遊休農地は、農用地としてつくられていますので、農業用に使うことが一番。未施業森林は、間伐を進め、里に近いところでは里山化するのが望ましい。しかし、現在、農林業に従事している人による市場を通じた経済活動では人手をかけることができない。なぜなら、市場からの収入が制限として働くから。そこで、農林業に今従事していない人手を遊んでいる土地に導入することを考えたい。  富士通総研経済研究所、田邊敏憲氏は、「耕作放棄地は農業従事者の平均年齢が65歳を超える現状を踏まえると今後一段の拡大が予想される。10年後には個人の農業担い手は想定できなくなるとの見方も強い。後継者確保のため農業に意欲がある個人や法人にも農業に参入できるよう農地制度を改め、利用権を設定する。農業ノウハウのないフリーターやニート層の参入をも可能とする。」と提案しています。  家長制度の中で土地を守っていた戦前と違って、戦後の相続制度、職業選択の幅が広がる中で、参入制限のある産業は、出ていく人はあっても入ってくることはできない。従業者の数が減るのは算術的に当たり前の結果です。福岡市で農業、漁業従事家庭の人口が1万人程度、約7%に減少している結果がそのことを示しています。現在の法律では、遊休農地の耕作は農事法人に限られているということですが、未利用の宅地もひっくるめて遊休農地を未施業森林を、市が介入し、土地所有者に対して一定の保障をし、1次産業への新しい市民の参入を図る。土地が放棄されることをなくして産業への新たな従事者をふやしていく。市民にとっては、放置されている土地に作物を植えたり、森をつくったり、木の実をとったりすることができる。市街地における未利用地においても、周囲の人が作物や花や緑を育てることでかかわり、本当に生活の幅を広げ、魅力的な土地利用を拡大させる結果になる。福岡市のこれまで、これから、遊休農地、未施業森林への幅広い参入へ向けて、また、市街地の未利用地の緑化、花壇化など緑の用途での活用に関して、当局の考えをお伺いいたします。  次に「楽」、集う文化、集うなりわいについてです。  また、田邊敏憲氏からの引用です。「今こそ日本は、篤農家の培ってきたノウハウの承継と企業部門の培ってきたイノベーションの力を融合させて、有利化する水土など自然資源を活用する、水産業の国家戦略とプログラムが必要となる。……企業家の名に相応しい企業部門の参入は地方自治体との連携で新結合が実現しやすい。イノベーションによる農・食・医・商業統合(クラスター)戦略といったビジョンを立て、地域産業トータルでの振興策が有効となる。」参議院議員の大塚耕平氏は、「20世紀型の輸出依存から脱却して、まったく新しい分野での内需振興策に舵を切ることだ。そうした観点から、今後は、食料、医療、環境の3つが成長のキーワードとなる。21世紀では、食料はもはや資源である。食料は作れば作るほど増える資源。新たな資源を獲得するという発想で、日本の農業・食料政策を転換すべきだ。減反政策を止めて、日本の農業に輸出競争力を持たせるという政策に切り替えていく必要がある。……食料・医療の分野で構造改革を推し進めれば、これらが大きな起爆剤になって日本経済は発展できる。」と提言しています。  この2つの提言から発想できる経済振興策は、福岡市が持つ比較優位の商をリード役に、九州の農を製造と結び、健康、安全食料といった医療にまで進めていくこととなるのではないでしょうか。九州大学、福岡大学、中村学園大学などの知ともつなぎ、福岡市が農、食、医、商業統合クラスターの核となる政策を準備すべきだと考えます。それは、域内でCO2を吸収してできた産物が起点となる産業クラスターの形成です。商の力を使った環境産業である農林水産業の振興とも言えます。  福岡市の経済政策として、このような農食医商連携についてどのようにお考えになるのか。また、今後の取り組みの方向性とあわせて伺います。  次に「辻」、具体的なまちの形についてです。  私は、早良区南部に、田楽辻づくり、すなわち水がつなぐ森と農地を豊かなものとし、地下鉄野芥駅を中心としたエリアに文化、なりわいが集まる、そして、道の一部が膨らむ辻がある具体的なまちの形を実現したいと考えています。  今も、野芥櫛田神社の獅子舞は博多山笠と同じ時期に、野芥交差点を占拠する形で行われています。また、隆々とした熱気を持つ地禄神社の綱引きも、バスが走り、交通量のある大野城二丈線を遮る形で行われています。ことしから正式に博多どんたくの仲間入りをした野芥どんたくのパレードも、広い道幅があり、観客も集まるところでできるといい。早良区南部の人々が寄り合い、舞い、パレードを行い、それを集まって見ることができるような辻をつくる。具体的には干隈3差路から四箇新村線が交わる重留までの国道263号の道路拡幅ができないかと考えています。  現在の都市計画では、道路はあくまでも広域的な観点から、交通需要を分散させ、混雑を避けるように計画されています。そして、今の都市計画道路だけを完成させることが道路整備事業となっています。ここでの問題は、道路が走る、その周辺地域の未来に向けてのまちづくりが現状では十分ではないということです。したがって、これまではぐくんできた地域の環境や、住宅・商業集積、さらに歴史といった観点は捨て去られ、ちぐはぐな形で取り残されてしまう。具体的に申し上げますと、野芥は地域拠点と呼ばれているものの、新たにできた2本の4車線道路に押されて、これまでの商集積や伝統行事が混雑だけを被って衰退をたどっているということです。  私は、点と点を結ぶ広域的な交通量対策に加えて、そこにできる線、道路の周辺を面的に考えるまちづくりを、社会環境の変化を予測し、都市計画に盛り込むべきだと考えます。野芥の獅子舞や綱引きなどの持つ歴史、良好な地域環境を生かすことができる集いの空間づくり、まちづくりが必要です。  辻づくりを進めていく上で街路整備、面的整備という2つの視点でお伺いいたします。まず、街路整備の視点からです。今年度に入りまして、外環整備の進展、野芥ランプ、三瀬ループ橋の開通という大きい交通環境変化による交通量はどのようになっているのでしょうか。そして、地下鉄野芥駅を中心とする道が膨らむつじづくり、具体的には国道263号の重留~干隈間の道路拡幅に関してどのようにお考えですか。  次に、面的整備の視点からですが、当然地域による一体的な取り組みも必要だと思いますが、沿道のまちづくりの中でも、人々が集う辻の実現を図ることが大事だと考えております。この沿道のまちづくりを今後どう進めていくことができるのか、所見をお伺いいたします。  以上で2問目を終わります。 101 ◯議長(川口 浩) 谷口農林水産局長。 102 ◯農林水産局長(谷口芳満) 遊休農地、未施業森林への幅広い参入についてにお答えいたします。
     まず、遊休農地の活用につきましては、農地を食料生産に利用することが重要であるという観点から、従来から行ってまいりました、地元の担い手への農地の集積を進めるとともに、JA福岡市が設立いたします農業生産法人が行う農地の管理や農作業受託などの取り組みを支援することにより今後も進めてまいりたいと考えております。  農業への新たな従事者による幅広い参入につきましては、国が農地の利用権に関する規制の見直しを検討していると聞いており、本市といたしましても、国の動向を把握するとともに、地域農業者の意見を聞きながら参入のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、未施業森林への新たな従事者による参入につきましては、従事者の高齢化や後継者不足など林業の担い手不足が進んでおり、林業従事者を確保するため、後継者育成だけではなく、多様な業種からの参入なども視野に入れ、森林組合などの意見を聞きながら対応策を研究してまいります。さらに、森林保全活動への幅広い参入につきましては、市民グループやNPOなどとの連携を図りながら、植林活動などへの市民や事業者などの参加を促進してまいります。以上です。 103 ◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。 104 ◯住宅都市局長(松本法雄) まず、市街地における未利用地の緑の用途による活用についてのお尋ねでございますが、市街地内の未利用地は、先ほど申し上げましたとおり、土地所有者が都市的な土地利用を行うまでの暫定的な状態であると考えているところでございます。このため、いつ都市的活用がなされるか不明確であるため、緑化のための具体的な対応は行っていないところでございます。  御提案の未利用地の緑化、花壇化につきましては、所有者の意向や維持管理経費の負担などの問題がございますが、今後、具体的に地域からの御要望があれば必要に応じて検討してまいりたいと考えております。  次に、国道263号の道路拡幅についてでございます。国道263号につきましては、本市西南部地域の市街地形成などの観点から整備し、既に概成済みで沿道利用も進んでいることから、現時点においては、辻づくりを目的に都市計画道路として、重留~干隈間を拡幅する計画は持ってございません。  次に、沿道まちづくりについてでございますが、野芥地区は、新基本計画では、早良区中南部の地域拠点として、また、七隈線沿線まちづくり方針においては、開発推進地区として交通結節機能の強化や土地の有効利用、施設の複合化など民間開発を誘導し、都市機能の充実強化を図っていくということにしております。したがいまして、国道263号沿道の地域において、地域の特性を生かした辻づくり、まちづくりに住民が主体となって取り組まれる場合は、地区計画などきめ細やかな土地利用の誘導や、具体的なまちづくりの手法に関する情報提供などの支援を行ってまいります。以上でございます。 105 ◯議長(川口 浩) 渡辺経済振興局長。 106 ◯経済振興局長(渡辺正光) 農食医商連携についてお尋ねでございます。農商工連携につきましては、地場中小企業にとりまして新たな事業展開を図ることができるなど、ビジネスの広がりが期待できる取り組みであると考えております。このため、農業のほか、議員御質問の意も含め、他の分野との連携した取り組みを行おうとする地場中小企業に対しまして、経営相談や経営専門家の派遣などの事業を活用いたしまして支援を行ってまいりたいと考えております。支援に当たりましては、本市農林水産局を初め、国の機関など関連機関と緊密な連携をとりながら進めてまいります。以上でございます。 107 ◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。 108 ◯道路下水道局長(坂田憲治) 野芥地区に関連いたします主要道路の整備状況でございます。外環状道路につきましては、平成20年3月に、樋井川から野多目間を供用したことによりまして福重から野芥を経由し井尻までの約14キロメーターが一連としてつながり通行できるようになっております。また、福岡高速5号線につきましては、4月に野芥ランプを供用し、三瀬有料道路につきましては、ループ橋を8月に供用したところでございます。  お尋ねの野芥地区の交通量の変化でございますが、現在調査中であり、まだ結果が出ておりませんが、野芥ランプの交通量につきましては、堤ランプからの転換交通量も含めまして、日平均約7,100台となっております。また、三瀬有料道路の交通量につきましては、日平均約9,000台となっており、19年度と比較しますと約1,500台の増加となっております。このような状況から、野芥地区の交通量につきましては増加傾向にあるものと思われます。以上でございます。 109 ◯議長(川口 浩) 玉井輝大議員。 110 ◯46番(玉井輝大) 少しこれからを展望してみたいと思います。  「田」、水がつなぐ森と農地についてです。  京都議定書では、国ごとに削減目標を定め、排出権取引を認めており、個々の主体間の排出権取引としてキャップ・アンド・トレード方式が始められています。日本でも2003年に排出量取引試行が始まっています。イギリスでは、政府と産業界の議論の末に2002年から気候変動税を導入しています。これは政府が決めた各企業の排出削減量、キャップに対し、目標を達成できたら税の8割を減免し、さらに余った分を売ることができるというものです。このようなものを福岡でも始められないかと私は考えています。  大塚耕平氏は、「CO2削減に世界が本気で取り組むほど排出量の市場価値が高まることを日本は強く意識しなければならない。CO2の排出権取引ではEUが既にリードしており、アメリカもここに来て急にその価値を強く認識し始めた。世界規模でのCO2排出権取引を日本国内でも新しい金融商品として育成していくことは資源の少ない日本にとって極めて重要だ。」と述べています。  CO2排出権取引が広まれば、土地の価値を収穫高、賃料、生産額に加えて、CO2吸収力という新しい金融商品ではかることができるようになるのです。言いかえると、土地の価値にCO2吸収力も明確に位置づけられるようになるのです。となると、CO2吸収力の高い都市計画というのも進めるべき都市づくりの手法として確立させることが必要になる。しかし、今はとにかくCO2削減力の高い緑地にどんどん土地利用を変えていく政策を準備すべきだと思います。本市におけるCO2排出権取引に対する姿勢、すなわちこれからのCO2排出権取引についてどのような取り扱いをされようとしているのかお伺いいたします。また、現在策定中の緑の基本計画と現在改定中の福岡市役所環境保全実行計画において、CO2の吸収力に着目した取り組みを明確に位置づけるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に「楽」、集う文化、集うなりわいについてです。  早良区南部には、高取焼の窯、ガラス工房、博多人形工房、クラフトを売る食事どころ、緑に包まれたそばどころ、おいしい水をふんだんに使ってつくる豆腐屋さん、自分の畑でつくった食材でフランス料理を出すレストラン、もちろん有名なとり料理など、自然、田園、農業、林業、水など周辺の地域資源を、食材に、しつらえに生かした店がいっぱいです。野芥駅をおりると、手仕事の香りのする店が人々を集めている。その1つ1つは早良の優位性を取り扱っている。すなわち農、林、水、歴史、クラフト。緑豊かな油山がすぐ近くで、安心を実現する地産地消の生産、流通、消費、回収の小さなループの結節点がいっぱい集まっている。野芥周辺をこのようなまちにすることができないでしょうか。  昨年の議会でも質問され、また、地域から請願も出された早良区地域交流センターはまだはっきりとした方針が出されていません。最後に残った地域交流センターは早良区南部の交流拠点、文化拠点として、区民だけではなく、農家、林家、お店、工房などの手仕事をしている人々をつなぐ、寄り合いの場として一日も早く実現していただきたい。野芥駅周辺で、早良の地域産品に根差した店舗が集積する事業が検討できないでしょうか。そのようなことが商店街対策でできないでしょうか。また、早良区における地域交流センターの事業進捗状況は現在どうなっているんでしょうか。具体的にどのようなスケジュールで今後進められるかを伺います。そしてさらに、地域交流センターの早良の農商工連携のための活用、例えると道の駅のような活用は考えられないのでしょうか、質問いたします。  続いて「辻」、具体的なまちの形についてです。  これまで早良区南部の田楽辻づくりを視野に置いて質問してまいりました。地域拠点である野芥エリアにおいては、野芥駅からすぐの油山川を遊歩道として、油山に遊んでもらおう、西油山の手つかずの状況を市民に知ってもらい、市民の手で森林をよみがえらせよう、芥のまちづくりは田園都市づくりばい、などなど既にいろいろな夢を伺っております。  また、重要課題、地域交流センターに関して、田隈校区では過去に何度も何度も話し合いが開かれているが、野芥校区、飯倉校区ではそれほど行われていないという事実も知りました。田楽辻づくりを実現するためには、校区を超えたまちづくりの方針、計画のようなものが必要です。  地域拠点、野芥周辺においては、交通、環境など多くの課題を残しています。これらの課題を解決していくためには、地元組織を立ち上げ、必要ならば校区境界を超えて地域が一体的にまちづくりを進めていく必要があると考えます。しかしながら、地域住民の力だけでは解決は難しく、まちづくり協議会など地元組織に対する行政の支援が必要と考えます。何か行政のほうで支援のための制度はないのでしょうか。お尋ねいたします。  最後に、まちづくりを進めるに当たって、市街化区域と市街化調整区域で大きく制限が異なります。さらに農業振興地域や臨港地域などもあります。これらの地域は所管する国の省庁が異なっており、このようなことを知らない市民にとっては理解できない土地利用も多く見受けられます。  国指導による環境局、住宅都市局、農林水産局などに分かれている環境施策を洗い直して、総合的に環境施策を展開する必要があります。どこが、だれがタクトを振って責任を持って進めるのか、単なる作文ではなく、具体的な土地の上で総合的な環境に優しいまちづくりを行わなければなりません。  ことし策定された福岡市2011グランドデザインにおいても、環境が3つの柱の1つとしてあり、環境に優しいまちづくりを進めるためには、広範にわたる展開が必要であり、また、各局の事業においても環境の視点を持って取り組んでいく必要があります。このため、総合的な環境施策を推進するに当たって市長はどのようなお考えであるかをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 111 ◯議長(川口 浩) 吉澤環境局長。 112 ◯環境局長(吉澤 温) CO2の排出権取引につきましては、本年7月に閣議決定されました低炭素社会づくり行動計画に基づき、本年の10月を目途に国内統合市場の試行的実施が開始される予定であります。なお、試行的実施の設計に当たっては、排出量や原単位についての目標設定の方法、取引対象とする排出枠、クレジットの種類、排出量の検証方法など多くの課題があることから、9月中を目途に関係省庁において検討が進められている段階であります。現在、その動向を見守っているところであります。  次に、福岡市役所環境保全実行計画におけるCO2の吸収力に着目した取り組みの位置づけについてのお尋ねでございます。本年6月に改正されました地球温暖化対策の推進に関する法律において、CO2吸収源対策の実効性を確保するという観点から、都市における緑地の保全及び緑化の推進に関する市の施策についても、地方公共団体実行計画に掲げることとされております。したがいまして、本市の実行計画の改定に当たりましても、現在策定中の緑の基本計画との連携を図りながら、CO2の吸収に関する取り組みを反映させていきたいと考えております。以上でございます。 113 ◯議長(川口 浩) 松本住宅都市局長。 114 ◯住宅都市局長(松本法雄) まず、緑の基本計画策定におけるCO2吸着力に着目した取り組みの位置づけについてのお尋ねでございます。  福岡市緑の基本計画は、緑に関する総合計画として、平成11年2月に策定したものでありますが、策定以来9年が経過し、その間の社会環境や市民ニーズの変化に対応するため、現在新たな緑の基本計画の策定を進めておりますが、本年8月に公表いたしました素案では、環境への取り組みを新しい緑の基本計画の重点化の柱の1つに据えているところでございます。したがいまして、今後緑の基本計画を具体化していく中で、CO2吸収に関する緑のあり方につきましても、現在改定中の福岡市役所環境保全実行計画とも連携して検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、まちづくり協議会など地元組織に対する支援制度についてでございますが、まず、地域の皆様がまちづくりに取り組まれる初動期におきましては、まちづくりに関する十分な理解を深めるための出前講座の開催や、助言、指導を行うためのアドバイザー派遣制度がございます。さらに、まちづくりに対する機運が高まり、一定の要件を備えたまちづくり協議会として活動される状況になれば、活動費の助成や、まちづくり計画を技術的に援助するコンサルタント派遣の制度がございます。このような制度によりまして、地域の状況に即した住民主体のまちづくりを積極的に支援してまいります。以上でございます。 115 ◯議長(川口 浩) 渡辺経済振興局長。 116 ◯経済振興局長(渡辺正光) 野芥駅周辺地区におきます早良の地域産品に根差した店舗が集積する事業を商店街対策で検討できないかという御質問でございます。  この地区の商店街が独自に事業を実施される場合は、現在実施をいたしております商店街施策のうち、商店街のイベント等のソフト事業に対して助成いたします商店街活力アップ支援事業、空き店舗等の有効活用のための賃借料等を助成いたします空き店舗等活用事業、経営コンサルタント等の専門家や市民モニターからアドバイスを受けます商店街お悩みアドバイス事業等により支援してまいりたいと考えております。  商店街が地域産品を活用する新たな取り組みは、地域産業の振興を図り、地域の活性化につながるものと考えておりますので、市としてしっかりと支援してまいりたいと考えております。以上でございます。 117 ◯議長(川口 浩) 陶山市民局長。 118 ◯市民局長(陶山博道) 野芥地区の地域交流センターについてでございますが、これまで早良区や住宅都市局とも連携を図りながら、早良区中南部の拠点及び民間主体のまちづくりという観点から、整備候補地の調査や地権者の意向把握などを行ってまいりました。今後とも、整備候補地や導入機能及び整備手法など総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。  また、今後のスケジュールにつきましては、整備候補地となる地権者の方々との十分な協議を初め、整備手法などさまざまな検討が必要なことから、具体的にお示しすることはできませんが、地域の皆様の御期待が大きいことも十分踏まえまして、できるだけ早期に整備ができるよう鋭意取り組んでまいります。  次に、地域交流センターを道の駅など農商工連携のために活用できないかとのおただしですが、地域交流センターは市民センターなど区レベルの行政サービスを補完するコミュニティー機能を主体とした複合施設であり、地域のさまざまな活動や交流の場として整備しているものでございます。  議員御提案の農商工連携のための活用につきましては、今後地域の皆様の御意見や御要望などを十分に踏まえ、野芥地区の地域交流センターの機能とあわせて関係局とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 119 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 120 ◯市長(吉田 宏) 田楽辻づくり、なかなかユニークな、質問の形式そのものもユニークな形で、非常に多方面から語っていただいたかなと思って聞いておりました。  議員が今質問された全部を、逆にこちら側から受けとめておりますと、環境という切り口でいろんなものが見えてくるんじゃないかということを御指摘いただいたのかなと思っております。未利用地の利用の仕方もそうですし、地産地消ということ、すべて今あるものをうまくつなげていくという形の中で、環境を守る、それから、環境そのものを価値に置きかえていくという、そういう考え方、我々がうまくまだ説明しきれていない部分を逆に切り口を見せていただいたのかなと思っております。  私も、環境そのものを大切にするということと都市の成長ということは、これは矛盾しないというふうに考えていまして、逆をいえば、環境を大切にしないまちの成長は将来的には、特に21世紀においてはないということが基本だと思っております。  そういう点から環境負荷の少ないライフスタイルへの転換でありますとか、公共交通機関の最大限の利用とか、よく言われております環境を意識した都市づくりということを今回のプランでも、グランドデザインでも書き込んだつもりではありますが、まだまだ改善する点が多いというふうにも正直思っております。  1つ言えるのは、現在のところ、規制をかけて環境を守るということよりも、私どもが大切にしたい価値を、まだうまく編成、編集できておりませんけれども、そういったものを大切にしようという価値を並べることによって実行していこうと、こういうものを大切にしていこうと、1つずつですね、きょう議員がおっしゃったようなことの中にもたくさんありましたけれども、実行していこうということを基本にするということは、これは今1つの路線を導けているんじゃないかなと。つまり、規制によってあれしちゃいけない、これしちゃだめ、これやったら罰をやる、そういう形ではなくて、みんなが環境を大事にしていくというまちをという価値観を共有して、そして、それを行動していこうという、そっちの考え方でいこうと、これだけは今のところはっきりとしたものだと言えます。  ただ、今答えながら、少し漠然としているという、そういう受け取り方もあると思いますが、それだけ環境というものは幅が広いわけでありまして、これから先も温暖化の防止も含めまして非常に大きなテーマがあります。しっかり勉強して、そして、具体的なまちづくりに結びつけていくように取り組んでまいりたいと思っております。 121 ◯議長(川口 浩) 石村一明議員。 122 ◯29番(石村一明)登壇 私は、本市都心部の総合的な治水対策推進の観点から、那珂川等の整備及び天神地区の浸水対策について。子どものころから那珂川とともに過ごした私の思いや、体験や、また最近の降雨の状況を踏まえながら質問をいたします。  先月末、第5委員会のメンバーと一緒に出張から帰ってきた途端に親しい友人から、那珂川の護岸が崩れとるばいという連絡を受けました。私は大変驚いて、早速現地を見に行きましたけれど、その現状は何とも無残で、春吉橋とであい橋の間の護岸100メートルほどにわたって亀裂が入って大きく崩れ落ちておりました。幸い昼間であったこともあり、けが人は出なかったようでありますが、我々の生命と財産を守るべき那珂川の護岸がこうももろく崩れ落ちるとは、余りにも心もとないというしかありません。この9月議会で那珂川の整備についての質問を準備している最中にこのような事態が発生するとは、何か重大なことが起きるのではないか、何か重大な警告を発しているのではないかという気がしてなりません。翌日の土曜日には、那珂川の護岸崩落というショッキングなニュースはマスコミを通じて大きく流れました。一体全体どうなっているのか、もっと危機意識を持った緊急的な対応がぜひとも必要であると思うのです。  近年の降雨状況を見ますと、地球温暖化の影響からか気候が明らかに変わってきております。先般開催された洞爺湖サミットにおきましても、地球温暖化防止に係る取り組みが熱心に論議されたところであります。気候システムの変化を見ると、地球の温暖化には疑う余地がないということでありますが、大気や海洋の平均温度の上昇によって北極圏を初めとして、地球上広範囲にわたって雪や氷が解け、世界平均海面水位の上昇が観測されるなど、地球規模の温暖化は今や明白なものとなっております。  私たちの周りでも大きな環境の変化を感じることができます。玄海灘でもこれまで熱帯の海でしか見ることができなかった魚たちが見受けられ、志賀島周辺の海中では、赤やら青やら黄色で着飾った魚たちで大変ファンタジックな光景を見せているそうであります。さらに、博多湾の入り口付近では珊瑚礁ができかかっているとも聞きます。  私の少年時代を思い起こしますと、那珂川や薬院新川で泳いだり、魚とりをして楽しく遊んでいた記憶があり、川は我々に日々大きな楽しみを与えてくれていました。その一方で、成人して取材記者になったばかりの昭和38年だと記憶をしておりますけれども、市内が大水害に見舞われました。そのときの取材の際に私は、柳橋の上流にある蓑島橋がもんどり打って洪水で落ちていくのを実際にこの目で目撃をし、大きな衝撃を受けたことを思い出します。このように、当時の那珂川は私たち市民の日常生活に溶け込み、文化の基本でもありましたが、一たん大雨が降ると恐怖の川に一変するということを私自身身をもって体験をしてきたのであります。  今日、那珂川の下流域は、天神地区に代表されますように、目ざましい発展を遂げております。今や天神は福岡の経済活動の中心というだけではなくて、九州の、日本の拠点の1つだと思うのであります。  そこでまず、こうした那珂川の下流域が持つ社会的な重要性を念頭に置いてお伺いをいたします。  福岡市都心部の中心を流れる那珂川のこれまでの整備状況について説明をいただきたい。  さて、問題は、天神地区の浸水対策についてであります。  福岡市は九州のみならず、アジアの拠点都市として重要な役割を果たしており、今や140万人の市民が住む大都市であります。昼間人口は160万人とも言われておりますが、中でも博多区や中央区は昼間人口が夜間人口の2倍近くにもなります。このような人口増加の現象からも、まさに九州、アジアの拠点都市であります。特に天神周辺におきましては、市庁舎を初め、官公庁や民間企業等のビルが集積し、博多駅周辺と並んで本市の経済活動などの拠点となっており、今後とも大きな役割を果たしていくものと考えます。  ところで、今から9年前の平成11年6月29日のショッキングな出来事を皆さん覚えていらっしゃることと思います。それは、北部九州に停滞した梅雨前線が活発化し、1時間に80ミリという豪雨によって、市内の至るところで甚大な浸水被害が発生した日であります。特に都市機能が集積した天神や博多駅周辺では地下街などの地下空間へ雨水が流れ込み、博多駅周辺のビルでは地下室から逃げおくれた方が亡くなられるという痛ましい事故もあって、地下空間への浸水対策の取り組みの大きなきっかけにもなった水害でありました。  あれから9年、博多駅周辺では、既に御笠川の改修は完了をし、下水道による雨水幹線やポンプ場の増強工事も着々と進められて、あと数年もすれば、安全で安心できる都市基盤施設づくりが完了しようとしているのであります。  ところが、もう1つの拠点である天神周辺はというと、あの平成11年の御笠川水害以降も本格的な対策が全くとられていない。浸水被害の危険にさらされたままであります。本市では、平成11年の浸水被害を受けて雨水整備Doプランを策定し、現在も雨水排水能力の増強などが進められておりますが、天神地区の雨水排水能力については、今なお9年前のままであります。しかも、最近では、短時間に集中して降る局地的な豪雨が増加しており、むしろ浸水の危険性は増していると思います。一体全体いつになったら対策をとってくれるのかと、市民は恐怖におびえながら待っているのであります。  そこでお伺いをいたします。平成11年の浸水被害以降、本市で緊急的に取り組まれてきた浸水対策の内容と、その進捗状況は現在どうなっているのか、全市と中央区についてお尋ねをします。  以上で1問目を終わり、2問目は自席で行います。 123 ◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。 124 ◯道路下水道局長(坂田憲治) お尋ねの福岡市の都心部の中心を流れる那珂川の整備につきましては、河川管理者でございます福岡県において昭和37年から南畑ダムの建設に着手し、昭和40年に完成いたしております。また、昭和50年度から広域基幹河川改修事業によりまして、河口から那珂川町にあります松尾橋までの約15.2キロメートル区間につきまして河川改修工事が実施されているところであります。このうち、福岡市におきまして平成3年度から都市基盤河川改修事業により百年橋から番托堰までの2.2キロメートル区間の河川改修工事を実施しております。  次に、下水道による浸水対策でございます。平成11年の水害を踏まえ、被害が重大でございました59地区を重点地区として位置づけた、いわゆる雨水整備Doプランにおきまして浸水被害の解消に努めているところでございます。特に博多駅周辺地区におきましては平成11年、15年の2度の浸水被害を受けたことによりまして、平成11年度の最大降雨まで整備水準を引き上げた雨水整備レインボープラン博多を策定し、雨水幹線やポンプ場の整備に加え、貯留浸透施設など雨水流出抑制型の施設整備に取り組んでおります。雨水整備Doプランの進捗状況でございます。重点地区59地区のうち平成20年度までに59地区に着手し、30地区が完了する予定となっております。  また、お尋ねの中央区におきましては、小笹地区、天神・今泉地区、警固・薬院地区、春吉地区、平尾地区の5地区を重点地区として位置づけておりまして、このうち小笹地区が完了いたしております。以上でございます。 125 ◯議長(川口 浩) 石村一明議員。 126 ◯29番(石村一明) 2問目であります。  那珂川の整備は、確かに部分的には実施されてきているようでありますが、問題は下流域における整備がどのようになっているかであります。  仮にですね、想像を絶するような大雨が降ったとします。その大雨によって福岡の都心部を流れる那珂川があふれて、そこのアクロスあたりから天神地区に水が一気に入ってきたとき、その水は鉄砲水となって地下道を突っ走って、天神地下街へと襲いかかっていくんですね。十分想定できることではありませんか。那珂川は日ごろは静かで穏やかな姿を見せてくれておりますけれども、一たんゲリラ的豪雨に見舞われれば、荒々しく激変した河川となって、我々市民は恐怖にさらされることになるのであります。  先日、気象庁が命名した平成20年8月末の豪雨は、1時間の雨量100ミリを超える降雨により、関東、東海を初め、日本各地に甚大な浸水被害をもたらしました。こうした水害がもし天神で発生をしたら、博多駅周辺で発生した被害をはるかに超えるものになると憂慮するものであります。特に私は、ずっと以前から言い続けてきたのでありますけれども、百年橋の北側については何の対策もしてくれない。毎度毎度、いずれはいずれはという返事でありました。考えてみると、進藤市長の時代から僕は言い続けてきておるような気がしてならない。  そこで、百年橋から南北見れば、南は天国、北地獄、あのあたりの人たちはみんなそういうことを言っておるんですよ。私が教えたわけではない。もう一遍言いますよ、百年橋から南北見れば、南は天国、北地獄、覚えましたですね。頭の中にちゃんと入れてください。洪水から天神地区を守るための対策が非常におくれている気がしてならないのですが、百年橋から下流の那珂川や、その支流である薬院新川では今後どのような対策を進められていくのかをお尋ねいたします。  次に、先ほどの答弁によると、平成11年の浸水で被害が大きかった59の地区を重点地区と定めて下水道によるハード対策を実施されているということでありますが、この中で、中央区では5つの地区が重点地区に指定されている。しかし、いまだに1つの地区しか完了していないというお答え。残りの4つの地区は着手さえもされていない。これは大変ゆゆしき問題であると思います。当局におかれましては平成11年や15年の浸水被害の重大さを忘れてしまっているのではないかと大変気になるところであります。  もう20年以上前になると思いますが、大雨のたびに南区の方面や小笹付近から流れてきた雨水が平尾大池であふれて山荘通りを中心に平尾地区一体がいつもいつも浸水をいたしておりました。そこで、筑肥線が廃止されて道路となった地下に直径4メートルの雨水管が埋設されたのでありますが、その後は、それまでの浸水がうそのように解消したのは言うまでもありません。平尾大池は、今では花見ができる立派な公園になっておるのであります。今回、博多駅周辺の整備においても、山王公園の地下に雨水を貯留する施設が整備され、山王地区などの雨水に対する安心感が格段に高まったところであります。さらに、大きな雨水排水管や雨水貯留管の整備など抜本的な対策が実施されておるのであります。  しかし、天神地区では昨年の7月、ことしの8月と、ちょっとした降雨でも国体通りを中心として、いまだに浸水するという状況が続いているんです。市長は、都心の空洞化を改善し、にぎわいを呼び戻すよう容積率を緩和したり、既存ビルの建てかえ促進に取り組んでおられますけれども、呼び戻した市民が安心で安全に暮らせるように、都市基盤施設の整備をやるべきではないでしょうか。現在、博多駅周辺地区で実施されているような抜本的な浸水対策をぜひ天神地区においても早急に実施すべきと思いますが、どのようにお考えなのかお尋ねをいたします。  2問目を終わります。 127 ◯議長(川口 浩) 坂田道路下水道局長。 128 ◯道路下水道局長(坂田憲治) お答えいたします前に、先ほどのお答えの中でDoプランの着手地区につきまして59地区と申し上げましたけど、55地区の間違いでございます。訂正いたしまして、おわび申し上げたいと思います。  百年橋から下流の那珂川あるいは薬院新川の今後の対策についてのお尋ねでございます。  那珂川の河川整備につきましては、福岡県におきまして11年に1度の確率で発生が予想される降雨を対象にいたしまして、河口から百年橋までの約3.2キロメーター区間を平成25年度をめどに河床掘削を行っており、平成20年度の梅雨前に河口から福博であい橋までの工事が終わり、引き続き上流へ向けて工事が進められる予定でございます。また、薬院新川につきましては、本市におきまして、那珂川との合流点から渡辺通りまでの河床掘削を行うこととしており、平成20年度に調査設計を行い、平成21年度から工事に着手する予定でございます。  次に、天神地区の浸水対策でございますが、おただしのように、天神地区につきましては、都市機能が集積しておりまして、また、地下空間の利用は高度に発達しております。近年全国各地で見られますような記録的な集中豪雨により浸水が発生した場合には、その被害は甚大なものとなることが予想され、早期の対策が必要と考えております。しかしながら、その対策には多額の事業費と期間を要することから、実施に当たりましては雨水貯留浸透施設を導入した浸水対策や、浸水被害が大きい地区を先行的に整備するなど、早く効果が発生するよう整備手法を早期着手に向けて検討してまいりたいと考えております。
     済みません。那珂川の改修につきまして、確率年度を11年と申し上げたところでございます、10年の間違いでございますので、重ねまして訂正、おわび申し上げます。 129 ◯議長(川口 浩) 石村一明議員。 130 ◯29番(石村一明) 3問目を続けます。  現在までの取り組み状況をお伺いしてきましたけれども、河川整備についても浸水対策についても、福岡市として積極的な対策を講じているとは到底言えない状況のようであります。  私が子どものころからいろんなものをいただいてきた那珂川、薬院新川です。高校時代の昭和28年に我が家も床上浸水をした。その体験した水害の恐怖はいまだにぬぐい去り切れておりません。市民の生命、財産を守り、安心、安全の暮らしを守ることが行政としての最も重要な使命であると思います。  博多駅周辺では、御笠川がはんらんして大きな被害が出たから重点整備を行った。一方、天神では大きな被害が出ていないから、出るまで動かないというような姿勢であっては決してならないと思うのであります。  天神地区には、特に最近、中国や韓国などからも多くの外国の観光客の方々も訪れます。天神が水害に見舞われた場合、これらの外国の方々をどのようにして守っていくのか。私たち市民でさえわからないことなんです。福岡市はアジアウィーク誌でも紹介されたように、アジアで最も住みやすい都市と言われております。また、アメリカのニューズウィークでは、最もホットな10の都市の中にランクされるなど世界的な注目を浴びておる。アジアの拠点都市を掲げる本市として誇らしいことだと思うのでありますが、そういった本市の核である天神が浸水するおそれがあるなんてことは決してあってはならないことであると思います。本市の財政状況が厳しいことは十分承知しておりますけれども、必要な事業については集中してやっていかなければならないはずであります。現在、福岡県が那珂川で行っている事業についても、御笠川並みに安全度を上げる考えはないのか、そのような事業が一刻も早くできないものなのか。  最近のニュースで御存じのように、神戸では集中豪雨により河川の水位が急激に上昇して、川で遊んでいた子どもたちが流されてしまうという痛ましい事故が起こっております。東京では、下水管の中で工事作業をしていた人たちが、急激な大雨が下水管に流れ込み、5人が流されてしまうという事故。愛知県でも河川があふれて、寝ている間にお年寄りが流された。地震の多発も含めて、まるで日本は災害列島であって、また、気の抜けないときなのだと最近私は痛切に感じるのであります。事故や災害は起こってからでは取り返しがつかないのであります。水害対策も事前に水の恐怖に対する備えに万全を期しておかなければなりません。  本市においては、博多駅周辺の浸水対策のため特別のチームをつくって事業を行っておられます。天神地区の浸水対策についても同様に専属のチームをつくってポンプ場や雨水幹線などの整備を徹底的にやっていくべきと考えます。全市的な浸水対策を進める中でも特に日本の社会活動の拠点と位置づけられる天神地区の浸水対策については早急に最も重点的に整備を行っていくべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。  そこで、最後の質問になりますが、都心部を流れる那珂川についても御笠川並みに整備する必要があると思うのですが、これに対する今後の取り組みを示していただくとともに、天神地区の浸水対策に対する市長の決意のほどを明確に示していただきたいと思うのであります。  折しもというよりくしくもと言ったほうが適切であるかと思いますけれども、台風13号の迷走の行方が大変心配であります。さらに、環境の変化で台風が巨大化したり狂暴化したりすると、これまで以上に強い風と雨量がふえるのは当然であります。  きょうの質問をするに当たって私は大勢の人たちの協力をいただきました。その方々がこぞって言われるのは、那珂川が危ない、春吉橋が危ない、天神が危ないという切実な声でありました。  質問を終わります。 131 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 132 ◯市長(吉田 宏) ただいまの質問で、大変危機意識にも、私自身ちょっとこの台風接近について、そういった意識でまた臨まなきゃいけないというように今強く思いました。  天神地区は、御指摘のように九州最大の商業集積地でありますし、この市役所も含めまして行政の中心もたくさんあります。最近ではアジアからも非常に注目されているまちでありまして、もしかつての博多駅での災害のようなものが起きれば、確かに被害は、この地域だけでなく九州全域にも及ぼす大きさになるというふうに私も思います。  御笠川が整備をされた後は、あと那珂川と当然注目されるわけであります。特に心配されるのは、日本全国にも珍しいといいますか、誇れる地下街がある天神でありまして、その中に多量の雨水が流れ込むというようなことがあれば、本当に災害の大きさというのははかり知れないものであろうというふうに思います。  市におきましては、二度と博多駅周辺のような災害を起こさないようにということを誓って、この天神地区では決して発生をさせてはならないという意識のもとに今整備を進めておりますが、天神地区の浸水対策に当たりましては、御指摘のように、那珂川のさらなる治水能力の向上について、まず福岡県を初め関係機関に強く働きかけるとともに、天神地区浸水対策事業の早期着手に向けて検討をし、あわせて情報伝達や避難体制等の水防体制の強化を促進させながら災害に強いまちづくりに努めてまいる所存であります。  御指摘のように、ゲリラ雨というような雨が突如降り出します。私の家の前でも、このお盆にいわゆる冠水状態になりました。いつ何どき災害が来るかもしれず、そのためのきちんとした準備をしなければいけないと思っておりますので、きょう、過去の経緯も含めまして、議員から大変重い指摘をいただいたというふうに感じております。1つの警告だと受けとめまして、これから先しっかり取り組んでいきたいと思っております。 133 ◯議長(川口 浩) この際、休憩し、午後4時20分に再開いたします。                                         午後4時8分 休憩                                         午後4時21分 開議 134 ◯副議長(久保 浩) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ時間を延長いたします。  一般質問を継続いたします。石川浩二朗議員。 135 ◯30番(石川浩二朗)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表して、地球温暖化対策について、ごみ減量・リサイクルについて、市立高校教育改革について、この3点について質問いたします。当局の明快な回答を期待いたします。  まず、地球温暖化対策についてですが、地球温暖化に伴う平均温度の上昇、降水パターンの変化に伴う集中化、大量化した降雨、逆に干ばつなど気候変化が加速しており、その影響は既に地球の物理、生態系に大きな影響を与えていること、そして、それが人為的原因である可能性がほぼ確実であると思います。この気候変化による降雨パターンの変化がさらに進めば、農業生産性の減少や熱中症、健康障がい及び媒介生物の北上による感染症の増加も大きな不安材料となっています。また、豪雨の頻度や強度の増水、洪水被害拡大、積雪水源の減少で農業用水の不足、森林被害、米の品質低下、果樹生産適地の北上、海面上昇と高潮の増加で現護岸では浸水面積、浸水人口の被害増、日中気温の上昇に伴う熱ストレスによる死亡者増、とりわけ高齢者へのリスクが増大するとされております。  このような中、今年度は我が国を初めとする先進国が、地球温暖化の原因である二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標を今後5年間でその期間内に達成することとされている京都議定書の第一約束期間の初年度であり、我が国は今後5年間で基準年度1990年度から6%の温室効果ガスを削減するという国際的な義務を負っています。国全体では、平成18年度の温室効果ガス総排出量は、前年度に比較して約1.3%減少とのことですが、本市における温室効果ガス総排出量はどうなっているのか、直近3カ年の推移をお尋ねいたします。また、温室効果ガスの大部分は二酸化炭素ですが、二酸化炭素の排出割合が大きい家庭部門、業務部門及び自動車部門の排出量の推移についてお尋ねいたします。  次に、環境問題の根幹であるごみの減量・リサイクル問題についてお尋ねします。  本市は第3次産業が中心で、中小企業が多いまちで、事業系ごみの削減幅が多くは期待できないとも言われています。ごみの減量・リサイクルについては、家庭ごみの取り組みとともに、事業系ごみの取り組み効果が期待されるところです。以前に家庭ごみ有料化後のごみ量について質問したところ、減少したとのお答えをいただきましたが、今回は事業系ごみについて、家庭ごみの有料化前の平成16年度と平成19年度でどのように変化したか、その推移をお尋ねいたします。また、事業系ごみの減量について、これまでどのように取り組んでおられるのか、お尋ねします。  次に、市立高校教育改革についてお尋ねします。  平成20年度の学校基本調査の速報値では、平成20年3月の全国の高等学校卒業者のうち、大学や短期大学へ進学した割合は52.8%となっており、一浪や二浪を加えると55%以上と、過去最高となっております。少子化に伴い進学希望者の全員が大学などへ入学できるという大学全入時代が到来するとも言われておりますが、志願者が集まる大学や定員割れしている大学に分かれる二極化の問題や学生の質の確保の問題があり、社会や保護者は生徒の学力の向上を求めております。  私の住む第6学区の状況では、高校進学の選択は、まず筑紫丘や春日高校、次に筑紫高校、福翔高校が、そしてその次に筑紫中央高校が選択されていると認識しています。ところが、今年度の国公立大学合格者数で見てみると、筑紫中央高校56人に対し、福翔高校では10名と、明らかに高校3年間で逆転現象が生じております。もっと市立高校も合格者がふやせるのではないでしょうか。中学生や保護者が高校を選択する際にも、進学実績が判断材料とされているようでありますが、中学生や保護者から選ばれる高校となるためには、生徒が希望する大学に進学できる力をつけさせることが必要であり、学力向上の結果として進学実績を上げることが必要であります。そこで、市立高校での学力向上に向けた取り組みについて、どのように進めているのかお尋ねします。  また、高校卒業後就職する生徒の割合については、学校基本調査では全国で19%となっており、市立高校においても約4分の1の生徒が卒業後就職する状況となっております。大学に進学できる力がありながら、早く社会に出て働きたいという強い意志を持ち就職を希望する生徒もおり、そのような生徒も大事にしなければなりません。市立高校では、就職に向けた基本的な技術、技能として生徒の資格取得に力を入れており、商業の基本である簿記については、全国商業高等学校協会が実施する全商簿記1級を、昨年度、福翔高校で受験者の45%が取得しており、全国の商業高校と比べても遜色のない成績をおさめているようであります。また、博多工業高校では、工業技術の資格取得を中心としたジュニアマイスター顕彰制度で全国上位を目指しておられます。以前からすれば、高校卒業後就職する生徒が減っており、学校の中で就職支援だけに力を入れにくいのかもしれませんが、高校卒業後就職する生徒にとっては最後の学校教育の場となる高校において、資格取得など基本的な技術や技能をしっかりと身につけさせ、社会人として必要なコミュニケーション能力など総合的な人間力についても育成してほしいと願うものであります。高校卒業後就職する生徒は、将来の福博のまちを担う人材として、学校だけでなく、地元企業など福岡市全体で育てていくべきではないでしょうか。  社会人としての人間力の育成について、学校だけで行うのではなく、企業と連携した取り組みを実施している高校もあると聞いておりますが、市立高校ならではの新たな取り組みなど、高校生の就職支援や社会人としての人間力の育成についてどのように取り組まれているのかお尋ねいたします。  以上で1問目を終了し、2問目以降は自席にて質問いたします。 136 ◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。 137 ◯環境局長(吉澤 温) 地球温暖化対策についての御質問でございます。  本市におけます温室効果ガス総排出量につきましては、平成16年度は783万5,000トンでございます。17年度は818万7,000トン、平成18年度は810万トンとなっております。そのうち、家庭部門の二酸化炭素排出量につきましては、平成16年度は148万6,000トン、平成17年度は163万5,000トン、平成18年度は161万トンとなっております。業務部門につきましては、平成16年度は239万8,000トン、平成17年度は267万6,000トン、平成18年度は269万3,000トンとなっております。自動車部門につきましては、平成16年度は163万トン、平成17年度は163万6,000トン、平成18年度は163万6,000トンとなっております。  次に、ごみ減量・リサイクルに関してでございます。  家庭ごみの有料化前後に関する事業系ごみの変化につきましては、平成16年度が38万6,000トン、平成19年度は35万8,000トンで、約7%減少しております。  次に、事業系ごみの減量につきましては、自己処理責任を原則として、事業者が自主的、積極的に減量、再資源化に取り組むよう啓発、指導を行っております。延べ床面積が1,000平方メートルを超える事業用建築物につきましては、条例に基づきまして廃棄物減量等推進責任者の選任や廃棄物の減量等に関する計画書の提出を義務づけることにより、平成19年度は1,918件に対し職員の立ち入りによる啓発、指導を行っております。事業系の古紙につきましては、市内の古紙回収業界の資料によりますと、平成19年に約13万トンが自主回収されております。それ以外のごみとして排出されていた古紙につきましては、平成15年度から一般廃棄物の収集運搬許可業者による回収を進めており、平成19年度の回収量は3,981トンとなっております。事業所から直接清掃工場に持ち込まれる古紙につきましても回収等を行っております。平成19年度の回収量は600トンとなっております。以上でございます。 138 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 139 ◯教育長(山田裕嗣) 市立高校にかかわる御質問にお答えをいたします。  まず、学力の向上についてでございますが、生徒の将来の進路希望実現のために重要な課題であると考えております。市立高等学校におきましては、生徒の学習意欲を高め、基礎、基本の定着を図るため、数学、英語での習熟度別授業やクラスを分割した少人数授業及び実習などにおける複数教員による授業を進めるとともに、生徒による授業評価を導入し、教員が授業の工夫、改善などに取り組んでいるところでございます。  さらに、正課の授業以外に課外授業や土曜講座、模擬試験及び検定試験対策の講座などを実施し、進学や就職に関する実力養成にも取り組んでおります。今後とも教育課程の工夫や研修等の充実を図り、生徒1人1人の学力の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、市立高校における高校生の就職支援につきましては、各学校において組織的な進路指導体制を構築し、ハローワーク等と連携した就職指導に取り組んでおります。さらに、民間企業経験者を進路指導員として拠点校に配置し、求人開拓や生徒等への指導、助言を行っております。  社会人としての人間力の育成につきましては、教育活動全体を通じて現在及び将来の生き方を考え、行動する態度や能力の育成に取り組んでおります。また、地元企業等の協力によりますインターンシップや経済教育団体ジュニア・アチーブメントの協力により、企業における体験活動を通じて職務のあり方や勤労について学ぶプログラムや、コンピューターを用いて会社経営等を模擬的に体験するプログラムを導入し、社会に適応できる基本的資質や勤労観、職業観を育成する取り組みを行っております。以上でございます。 140 ◯副議長(久保 浩) 石川浩二朗議員。 141 ◯30番(石川浩二朗) 地球温暖化対策についてですが、環境局の答弁で明らかなように、本市においては特に家庭部門及び業務部門における二酸化炭素の排出量削減が困難な状況にあります。省エネルギーに努め、石油などの化石エネルギーにできる限り依存しない社会、いわゆる低炭素社会を実現するためには、市民や事業者1人1人の行動が不可欠であり、その行動を促すためには、やはり啓発の役割が重要になることから、本市は今年度から市民、事業者との共働を目的とした「エコ・ウェイブ・ふくおか」ストップ・ザ・温暖化の取り組みを開始されましたが、その取り組み内容についてお尋ねします。  また、地球温暖化対策として、二酸化炭素排出のない太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの導入を大幅に拡大すべきと主張してまいりました。遠距離の発電所からの送電の場合は、利用までに大きな送電ロスが発生しているわけで、たとえ小規模であっても発電した場所で消費する太陽光発電や風力発電、またガスを燃料に発電し、同時に発生する排熱を利用するコージェネレーションシステムなどは、まさにエネルギーの地産地消であり、二酸化炭素などの排出抑制につながると考えます。  本年7月、国は今後の地球温暖化対策をまとめた低炭素社会づくり行動計画を閣議決定され、その中の太陽光発電の導入量の大幅拡大に大きな期待をしております。太陽光発電は、自然エネルギーの中でも特に潜在的な利用可能量が多いことから、ドイツに奪われた発電量世界第1位の地位を奪還すべく、導入量を2020年に10倍、2030年には40倍にするという壮大な目標を掲げております。  そこで、本市における太陽光発電システム設置に対する助成制度及び平成19年度の設置実績はどうなっているのか。また、市の施設への設置状況はどうなっているのか。さらに、国の太陽光発電の大幅拡大の方針を受けて、本市はどのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。  短時間のゲリラ豪雨が多くなっているが、これらの現象も私は地球温暖化が原因していると確信しており、温暖化の取り組みとあわせて温暖化に起因する事項も一体となって考えていくべきと考えております。本市の下水道整備は1時間に59ミリの降雨に対応する基準で整備されていますが、先月の東海地方のように1時間に140ミリもの豪雨が降ることは、福岡市でも想定しておかなければならないことで、本市の現行の下水道ではゲリラ豪雨の3分の1しか処理できません。  私は、自宅の庭はコンクリート化せず、屋根の水は雨水タンクに貯水し、敷地内に降った雨は歩道よりも一段低くした庭で浸透させておりますが、近所からは敷地を通る風が外気温より低く気持ちがよいなどと好評で、ヒートアイランド対策の効果も大きいと実感しています。ヒートアイランド対策の効果以外にも、敷地内が小規模ダムとして活躍し、温暖化対策と災害防止策にも役立っているのは間違いありません。  そこで、私が行っている取り組みを多くの市民に広げる、また市民に範を示すために公共施設は率先して取り組むなどの必要があると思いますが、下水を担当する立場から、他局や市民に働きかけるなどの取り組みについてどのように行われているのかお尋ねします。  次に、ごみ減量・リサイクルについてですが、平成23年春の博多駅の大改造を契機として、本市では交流人口の増加が見込まれており、新たなごみ量の増加も懸念されます。今後さらなる取り組みの効果を発揮させていくためには、リデュース、リユース、リサイクルの3Rを積極的に展開していくことが肝要ではないかと考えています。特に3Rのうち、出されるごみそのものを発生抑制するリデュースが一番重要な取り組みです。本市では、リデュースの取り組みとして、現在、市民団体、事業者、市の3者で協定を締結し、マイバッグ持参によるレジ袋削減に取り組んでおられますが、平成19年度末におけるマイバッグの持参率の状況はどのようになっているのか。また、今後どのような取り組みを進められていくのか、お尋ねします。  また、リデュースの次に推進していかなければならないのが、不要なものを他人に譲ったり、繰り返して利用するリユースです。私は、黒酢を箱単位で購入していますが、黒酢が入っている瓶と専用の箱を一度業者に送り返しました。しかしながら、繰り返し利用できるのに事業者は積極的には回収してくれません。メーカー自身が事業者責任として、多少コストがかかったとしても、段ボールや瓶を回収して再利用を行うことをすべきだと思いますし、長い目で見ると安価にもなり、必要なことではないかと思っています。このような現実を目の当たりにすると、リユースの取り組みについても、まだまだ道半ばの状況であるような感があります。私は、リユースの取り組みについては、拡大生産者責任のもと、リターナブル容器の普及促進など、本市としても関係機関への働きかけが必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いします。  また、リユースの次に行うことがリサイクルになるわけですが、リサイクルの充実を図るためには、分別収集の種別の増加が密接に関連するところであり、他市町村と比べて本市の分別は進んでいないのではないかという声も市民の方からよく聞かれます。スーパーなどで大量に発生する発泡スチロールトレイについてですが、費用が若干高くなっても焼却せずに、溶解し原材料としてリサイクルすべきではないかと、これまでもたびたび指摘しているところであり、引き続き検討を進めることを要望しておきます。  事業系ごみの減量・リサイクルについては、その取り組み状況をお答えいただきましたが、ごみが減量していることについては、一定の評価に値すると感じております。しかしながら、事業者は廃棄物の減量施策に協力する責務があるだけではなく、廃棄物をみずからの責任において適正に処理すべき責務があります。今後、家庭ごみの取り組み以上に積極的な取り組みを進めていくことが不可欠ではないかと思いますが、事業系ごみの減量・リサイクルについて、今後どういう取り組みを行っていくのかお尋ねします。  次に、市立高校教育改革について、教育は人なりと言われますが、学校教育においては教育内容の改革だけでなく、教育に携わる教員の資質や指導力の向上を車の両輪として進めていかなければなりません。市立高校の場合は、平成9年度になって積極的に人事異動に取り組まれるようになっていますが、それでも商業、工業、家庭科など専門教科の教員は長期間、同一校での勤務となっており、よほど強い意志を持たない限り、マンネリ化すると思われます。市立高校での教員の不祥事も続いており、気の緩みが生じているのではないでしょうか。  平成18年度の市立高校活性化検討委員会の報告にもありますが、教員の意識改革や指導力向上を進めるため、市立高校教員の人材育成について、組織的かつ計画的な研修体制の構築、教育センターにおける研修内容の充実のほか、人事面において県立高校との人事交流の拡大や中学校と市立高校間での管理職や教員の人事異動、中高一括で募集するなど教員採用方法の検討が提言されております。特に中学校との人事交流については、教員の意識改革を進めるだけでなく、部活動の推進においても効果があると考えます。部活動については、人間力の育成の面でも必要であり、市立高校の部活動が中学校の部活動の目標となることで、互いの部活動が活性化することも期待されます。市立高校においては、学力の向上と部活動の活性化など文武両道を目指すべきであり、そのためには生徒だけでなく教員にも頑張ってもらえるように人事異動の活発化などを行う必要があると考えます。  そこで、教員の意識改革や指導力の向上を図るため、人事面においてどのような取り組みを進めていくのかお伺いいたします。  以上で2問目を終わります。 142 ◯副議長(久保 浩) 吉澤環境局長。 143 ◯環境局長(吉澤 温) 地球温暖化に関しましてお答え申し上げます。  「エコ・ウェイブ・ふくおか」ストップ・ザ・温暖化につきましては、市民、事業者の自主的な環境行動を促し、市民のライフスタイルや事業者のビジネススタイルの転換を図ることにより、生活の豊かさの実感と二酸化炭素の排出削減が同時に達成できます低炭素社会を目指す取り組みであります。  具体的には、住宅用太陽光発電システムの設置補助や事業者に向けた省エネ診断の取り組みなどに加えまして、市民の皆様に身近な環境行動のメニューの周知を図るため、温暖化対策特集号を市政だより7月15日号とあわせて全戸に配布いたしました。また、市内の主な企業や大学など14団体がみずから低炭素社会の実現を目指したエコ・ウェイブ・ふくおか会議が本年7月に設立され、自主的かつ持続可能な共通の行動をほかの事業者や市民にも呼びかけますエコ・ウェイブ・ふくおか会議行動宣言2008が採択されております。  次に、太陽光発電システム設置補助制度の概要でございます。  戸建て住宅等に対しまして助成金額は1件当たり10万円で、平成19年度は200件の見込みに対しまして131件の助成を実施しております。  次に、本市の施設への設置状況につきましては、小中学校は17校、本庁舎、公民館、こども総合相談センターなどに6施設でございます。合わせまして23施設に設置しておりまして、本年度は東消防署、西部埋立場の管理棟に設置することといたしております。  次に、国の太陽光発電の大幅拡大の方針に対します本市の取り組みについてでございます。  これまで大都市環境保全主管局長会議などを通じて十分な財政措置を国に求めてきたところでありまして、今後、国における施策の具体化など、その動向を見守ってまいりたいと考えております。  次に、ごみ減量・リサイクルに関しましてでございます。  マイバッグ持参率の状況についてでございます。平成19年12月に市民団体、事業者及び市の3者でレジ袋削減協定を締結いたしまして、連携してレジ袋削減に取り組んでおります。本協定には16事業者、220店舗が参加しております。本年6月に提出された実績報告によりますと、買い物客のマイバッグ持参率は90%以上が2事業者、40%台が3事業者、20%台が4事業者、10%台が5事業者、10%未満が2事業者となっており、すべての事業者において協定締結前よりも着実に上昇いたしております。今後は、協定参加事業者の拡大を図るとともに、マイバッグキャンペーンでのキャラクター愛称の募集など、市民団体や事業者と連携した市民啓発の取り組みを強化し、レジ袋の削減をさらに推進してまいります。  次に、リユースの取り組みにつきましては、製造、流通事業者の容器の回収を義務づけるとともに、リターナブル容器の普及促進、デボジット制の導入など、リユースを優先させる仕組みの構築が必要であると考えており、全国都市清掃会議などの機会をとらえまして、国及び関係機関に要望いたしているところでございます。  次に、事業系ごみ減量・リサイクルにつきましては、引き続き事業用建築物に対する職員の立ち入りによる分別の徹底や、適正処理等々の啓発、指導等を行うとともに、本年度はより効果的な古紙の回収方法を検討するため、中小企業者の古紙の排出状況等を調査することといたしております。  また、あわせまして、最近関心が高まっております食品廃棄物のリサイクルにつきましても、食品リサイクル法の研修会を開催するなど、事業者に対しまして啓発や情報提供の取り組みを進めまして、事業系ごみ減量・リサイクルに努めてまいります。以上でございます。 144 ◯副議長(久保 浩) 坂田道路下水道局長。 145 ◯道路下水道局長(坂田憲治) 雨水流出抑制についてのお尋ねでございます。  下水道の浸水対策事業につきましては、雨水整備Doプランに基づきまして整備を進めているところでございますが、議員御指摘のとおり、近年、全国各地で発生しております局所的な集中豪雨に対しましては、下水道施設のみでの対応は困難な状況もあり得ると考えられます。このような状況を踏まえ、公共施設でございます道路を初め、公園や学校、市営住宅、公民館などにおきまして雨水を貯留または浸透させ、流出を抑制することは大変有効であると考えており、現在、関係局と福岡市公共施設雨水流出抑制指針の取りまとめを行っているところでございます。  また、市民の皆様に対しましては、雨水の流出抑制及び雨水の有効利用の観点から、平成17年に公共下水道区域内の戸建て住宅を対象に雨水貯留タンク助成制度を設け、予定を上回る多くの市民に御利用いただいておるところでございます。今後とも市のホームページなどを通しまして、広報活動に努めてまいる所存でございます。以上でございます。 146 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 147 ◯教育長(山田裕嗣) 市立高校の教員の人事に関するお尋ねでございますが、まず県立高校との人事交流につきましては、研修を目的とする相互交流を行っており、同一校勤務が長くなる商業科、工業科、家庭科を中心に拡充を図ってまいりたいと考えております。また、中学校との人事交流につきましては、既に管理職における人事交流を実施しており、今後は一般教員の人事異動にも取り組んでまいります。  教員採用につきましては、今年度、市立高校の教頭に民間企業等経験者を登用するための採用試験を実施しているところであり、一般教員の採用試験のあり方につきましても今後検討してまいります。以上でございます。 148 ◯副議長(久保 浩) 石川浩二朗議員。 149 ◯30番(石川浩二朗) 太陽光発電について公庁舎23カ所は少な過ぎます。経済産業省が先月末に発表した平成21年度予算の概算要求を拝見いたしますと、太陽光発電については住宅用太陽光補助金を改めて新設する内容となっております。本市が独自に実施している太陽光発電システムの設置助成に加えて、国の住宅用太陽光補助金が支給されることとなれば、来年度以降、太陽光発電システムの普及は劇的に進むと考えられますので、現在の助成対象件数200件は大幅にふやす必要があると考えます。  また、市の施設への太陽光発電システムの設置は毎年2カ所程度でまだまだ少なく、加速化すべきであります。地方自治体の役割は、市民、事業者の模範となるべく、率先実行することであり、市民に太陽光発電システムを普及、啓発するなど、設置の拡大を期待するならば公民館、区役所、学校など、市民の身近な施設への早期設置を行うことを要望しておきます。  環境問題は現在最も重要と認識され、本年6月に策定した福岡市2011グランドデザインの政策推進プランにおいて、まちづくりの3つの目標像の1つとして、市民も企業も皆が環境を大切にする健やかな街・福岡の実現を掲げ、まちづくりのあらゆる側面に環境を大切にする理念を取り入れていくこととなりました。地球温暖化問題の取り組みもしかりです。今後は、まちづくりのあらゆる側面に低炭素社会づくりの理念を取り入れていく必要があります。地球温暖化問題の取り組みを環境局だけでなく、市役所のすべての局、区、室が固有の事務事業として取り組んでいく。言いかえれば、今、各局などが重点的に取り組んでいる政策課題を何らかの意味で、低炭素社会の実現に資するものであるとして積極的に位置づけ直す作業が求められているのであります。
     先般、全庁的な推進体制の強化を図るために、市長をトップとした推進本部を立ち上げられたと伺っておりますが、脱温暖化を目指した低炭素社会の実現に向けて、本部長でもある市長の力強い決意をお伺いいたします。  次に、ごみ減量についてでありますが、資源の有効利用を進め、次の時代に地域のよりよい環境をつないでいくためには、さらに一歩進めた取り組みを検討する必要があるのではないかと感じています。例えば、同じ県下の大木町では、全国でも事例がない、もったいない宣言を公表し、再資源化を進め、平成28年度までにごみの焼却、埋め立て処分をしない町を目指しています。本市では、平成16年度に作成されたごみ処理基本計画である循環のまち・ふくおか基本計画に基づき、平成27年度の目標達成に向けて、ごみ減量・リサイクルが取り組まれていますが、アジアの拠点都市を目指す大都市福岡の責務と影響は大きいものがあると思います。その役割を果たしていくためにも、本市のごみ減量・リサイクルの推進に向けて、さらなる効果的な取り組みが必要ではないかと考えており、今後の新たな研究、検討を強く要望しておきます。  最後に、市立高校教育改革についてですが、部活動の活性化については、現在、大半の生徒が自転車で通学しており、通学時間が長くかかることを敬遠して部活動の時間の確保が難しいとも聞いております。市立高校においては、交通アクセスが弱いという面があり道路整備なども望まれますが、他都市では部活動生徒のための寮を設置している例もあり、同窓会の力もかりながら、魅力ある学校づくりを進めることを願うものであります。  近年、高校をめぐる状況は大きく変化しております。少子化により全国の中学校卒業者数は、平成元年度をピークに減少していく中で、各都道府県においては高校の統廃合が行われております。福岡県においても、福岡都市圏以外の北九州、筑後、筑豊の各地域では、生徒数の減少に伴い、県立高校の再編整備が行われており、平成14年度の再編成実施前に111校あったものが、平成20年度には94校となり、県立高校は17校減少しております。  また、高校への進学率は97%を超えており、生徒の能力、適性、興味、関心、進路等が多様化する中で、県立高校では再編整備にあわせて、単位制高校や中高一貫教育校など新しいタイプの高校が整備されています。福岡都市圏には、さまざまな特色を持つ私立高校も数多く存在し、公立高校と私立高校が互いに切磋琢磨しながら教育の充実を図っております。その中で、市立高校につきましては、戦前に商業、家庭、工業の専門学科を中心とした高校として設立され、また昭和50年代の生徒急増期には、生徒受け入れを目的として普通科高校を新設するなど、市民の強い要望を受けて設立され、本市のまちづくりに貢献し得る人材を育成するという役割を担い、これまで各分野に有為な人材を多数輩出してきたところであります。  平成6年から9年にかけて、社会の急激な変化や生徒の多様化を背景として、市立高校活性化検討委員会で検討が行われ、平成12年度の福翔高校の総合学科改編、平成15年度の博多工業高校の類・コース制導入、平成17年度の福岡西陵高校の学校規模適正化などの改革が実施されてきました。平成18年度には第2次の検討委員会が開かれ、福岡女子高校の改革を中心に、市立高校の存在意義についても検討されておりますが、今後、市立高校の改革をどのように進めていくのかお伺いして、私の質問を終わります。 150 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 151 ◯教育長(山田裕嗣) 市立高校の改革についてのお尋ねでございますが、これまでも福翔高校の総合学科改編、博多工業高校の類・コース制導入など、社会の変化に対応した改革を進めてきたところでございます。21世紀を切り開く人材の育成に向けた教育改革が求められている中で、進学や就職など生徒の多様な進路希望にこたえ、本市の将来を担う人材を育成することは、市立高校の大変重要な役割であります。このため、今後、教育内容の一層の充実に努めるとともに、本市の教育行政の中で市立高校が果たすべき役割、社会の変化に対応するための学科改編などについて検討してまいります。また、将来的な中学校卒業者数の推移も勘案しながら、学校規模適正化などについても検討してまいりたいと考えております。  今後とも、市内の中学生が市立高校を目指し、中学校の教員や保護者が安心して進学を勧める学校になるように、生徒の進路希望を実現し、中学生や市民から必要とされる魅力ある高校づくりを推進してまいります。以上でございます。 152 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 153 ◯市長(吉田 宏) 地球温暖化対策についてのお尋ねですが、国もCO2などの温室効果ガスの排出量を2050年までに現在のレベルから60から80%削減をするという大変大胆な目標を立てております。これが低炭素社会づくり行動計画というものでありますけれども、本市としましても、こういう考え方に沿ってしっかりと低炭素社会への実現に向けて頑張っていこうと思っています。  議員も御指摘がありました太陽光発電でありますとか、さまざまな省エネ型の施設、設備、これも市及びその関連の施設でも大分使っていけるようなものもあると思いますし、新しい省エネ対策の、例えば自動車であるとか、いろんなものも出てきております、電気自動車とかですね。いろんなものがありますので、1つ1つ精査をして、まず省エネの先頭に本市が立つという姿勢を出すことが大事だと思っております。  また、6月に作成しました政策推進プランですが、この中の大きな柱が環境であります。全庁一丸となりまして、温暖化対策の取り組みを充実していくつもりであります。先ほども申しましたけど、市民、事業者の自主的な取り組みがまず大事だと思っております。規制よりも自主的に取り組んでいくということが大切でありまして、ストップ・ザ・温暖化推進本部の、私も本部長として福岡型の省エネ対策をやっていきたいと思います。私もリサイクル製品によるマイバッグを持っております。買い物に行く機会そのものが少ないので、なかなか使うことがないんですが、小さなことから私自身も始めて、先頭に立ってやっていきたいと思っております。 154 ◯副議長(久保 浩) 水城四郎議員。 155 ◯19番(水城四郎)登壇 お疲れさまです。早速、時間がないので始めます。  私は、みらい福岡市議団を代表して、こども病院・感染症センターについて質問をいたします。当局の明快な答弁を期待いたします。時間の都合上、前段飛ばします。  いきなり質問ですが、まず1類、2類感染症にはどんなものがあるのか、またH5N1型鳥インフルエンザはどちらに入るのか、お尋ねいたします。  2問目、感染症患者が発生した場合、こども病院・感染症センターにおける受け入れ体制及び平成11年度以降の1類及び2類感染症患者の入院状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。  また、6月議会で私が新型インフルエンザの危機についてお尋ねしたときは、WHOが発表した世界における鳥インフルエンザ発症数は、5月時点の数字、症例数383件、死亡者数241件ということでしたが、その後6月末の発表、そしてWHOの9月10日の直近の発表ではさらにふえ、確定症例数387件、死亡者数245件と数カ月の間にどんどんふえてきております。  さらに、人から人へと感染するよう変化した新型インフルエンザが発生した場合、本市への影響についてお尋ねしたところ、患者数約9万7,000人から17万5,000人、入院患者は800人から5,200人、死亡者数は約300人から1,600人とお答えいただきました。厚生労働省は国内における死亡者を68万人と想定しています。そこで、その後、新型インフルエンザ対策はどの程度進んだのか、お尋ねいたします。  また、本年5月、感染症法が改正され、新型インフルエンザが発生した場合には、第2種感染症指定医療機関に入院させることになりましたが、内科医が1人しかいないこども病院・感染症センターでどのように対応されるのかお尋ねいたします。さらに、こども病院・感染症センターには、体力のない子どもたちが入院している小児病棟が併設されておりますが、その危険性についてどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。  また、こども病院・感染症センターの周辺は、昔海に面しており松林でしたが、時代が変わり、高度成長とともに福浜団地や、現在では発達教育センター、子ども総合相談センター、小学校、中学校、短大もあり、住宅も密集しております。近隣の住民が大きな被害を受けることは十分想定されますが、御所見を伺います。  市長は6月10日に新病院についての取り組み方針を打ち出され、その中で感染症医療については、1類及び2類感染症の指定医療機関について、他の高次医療機関に担ってもらう方向で福岡県と協議するとされました。しかしながら、最近の新聞報道では、九大病院は指定の引き継ぎについて軽々お受けするとは答えにくい、福岡県は九大病院はあくまで候補の1つと答えており、本市の意向とは温度差があると書かれております。九大病院は既に独立行政法人化となっており、これを受けるならば多額の設備費が必要となるため、協議は容易でないと思われます。しかし、不退転の覚悟で頑張っていただきたいと思います。  感染症機能だけを現地に残すことが絶対ないようお願いするとともに、この新型インフルエンザ危機を理解し、本市は主体的に次の法を行使すべきです。感染症法第38条、感染症指定医療幾関は、その指定を辞退しようとするときは、辞退の1年前までに都道府県知事にその旨を届ければよいように規定されております。この規定に基づき、住民の生命を守る政治責任、政治判断として、今すぐにでも辞退の手続をすべきではないかと思いますが、御所見を伺います。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 156 ◯副議長(久保 浩) 阿部保健福祉局長。 157 ◯保健福祉局長(阿部 亨) こども病院・感染症センターについてお答えをいたします。  まず、感染症についてのお尋ねでございます。1類感染症につきましては、エボラ出血熱やペストなどの7疾病、2類感染症につきましては、ジフテリアやSARSなどの5疾病がございます。なお、H5N1型の鳥インフルエンザは2類感染症に入っております。  1類及び2類感染症患者が発生した場合の受け入れにつきましては、通常は所管の保健所から感染症センターへ連絡が入ることになっております。院長の指揮のもと独自のマニュアルに基づき、患者の受け入れを行います。1類感染症患者の平成11年度以降の入院状況につきましては、発生事例がないことから入院はございません。また、2類感染症患者の入院状況につきましては、平成11年度が15人、12年度が10人、13年度が5人、14年度が2人、15年度2人、16年度は8人、17年度は3人、18年度3人、19年度はゼロとなっております。なお、19年度に入院がございませんのは、感染症法の改正によりまして、これまでの発症事例でございました赤痢、腸チフスなどが2類感染症から除かれたことによるものでございます。  次に、新型インフルエンザ対策でございますが、これまで保健福祉局におきまして新型インフルエンザ対策会議を設置して対応をしてまいりましたが、本年の8月、総合的な新型インフルエンザ対策について全庁的に取り組むため、危機管理監を議長とする福岡市インフルエンザ対策連絡会議が設置されたところでございます。  また、新型インフルエンザに係る医療体制の整備につきましては、県と協議を行いますとともに、市内の公的医療機関等に対し新型インフルエンザ患者の入院受け入れ先確保のため、協力要請をいたしております。新型インフルエンザの発生初期におきましては、感染症センターが受け入れることになりますが、その場合、九州大学病院や福岡大学病院から人的支援をいただくとともに、満床時には対応ができる病室を有する九州大学病院において入院治療を受けていただくようになっております。  なお、小児病棟への影響につきましては、新型インフルエンザ患者は病室内の気圧が外より低く設定されております陰圧室へ入院させることになっておりまして、病室外へ感染が広がることはないと考えております。近隣の住民の皆様への影響につきましても、同様の理由で外部へ感染が広がることはないというふうに考えております。  次に、指定医療機関の指定の辞退をしてはという御指摘でございますが、感染症医療に関します今回の病院事業運営審議会の答申は、新型インフルエンザなどの感染症の現況から考えると、現こども病院・感染症センターでは対応することが困難であることから、高次医療機関である大学病院や国立病院で担うことが望ましいとされたものでございます。この趣旨につきましては、県や関係者にも十分理解をいただいているところでございますので、適切な医療機関で担っていただけるよう協議を進めてまいる考えであります。以上でございます。 158 ◯副議長(久保 浩) 水城四郎議員。 159 ◯19番(水城四郎) 2問目。  まず冒頭に、さきの議案質疑において、我が会派、平畑議員が本市の財政再建は急務であり、新病院に係る市の財政負担を抑える必要性を強く訴えたところであります。全国的に多くの自治体病院の経営状況が悪化しており、閉鎖が始まっています。昨年12月、自治体が病院経営の改革に係るプランを平成20年度までに策定するとされ、その際の指針として、総務省からの通達、公立病院改革ガイドラインが示されております。ガイドラインでは、財務内容の改善に係る数値目標を設定する場合には、不採算医療に対する一般会計からの繰り出し後の経常収支の黒字化を想定するべきであり、この場合の一般会計からの繰り出しは、独立採算原則に立って最大限効率的な運営を行ってもなお不足する、真にやむを得ない部分を対象として行われるものであって、現実の公立病院経営の結果発生した赤字をそのまま追認、補てんする性格のものでないことは言うまでもないとされています。  本市においても、新病院経営健全化に加え、現病院においてもガイドラインに基づいた改革プランを早急に定めることを強く要望し、詳細については委員会でお尋ねすることといたします。  さて、現在の感染症センターについては、医療体制は、空気感染する新型インフルエンザが発生した場合には、想定されている最低でも800人の入院患者に対し、病床数も足りず、こども病院・感染症センターは対応不可能です。地域の開業医師にこの問題をお尋ねいたしました。見解は、まずそれどころか、第1次患者が搬送される前にこども病院を閉鎖して、子どもたちを外部に搬送しなければさらに感染は広がると、絶体絶命と危惧をしておられました。本市は福岡空港や博多港を抱えたアジアの玄関口であり、国際拠点都市である反面、新型インフルエンザの国内流入の高いリスクを背負っている、このことを再認識するべきです。  厚生労働省が発表した日本の現状は6段階の真ん中、フェーズ3、すなわち新しいヒト型感染も見られるが、人から人への感染による拡大は見られない。あるいは、非常にまれに、例えば家族内などの密接接触者への感染が見られるにとどまる状況でありますことから、実際は人から人への感染確認レベルであるフェーズ4に限りなく近い状態であり、いつフェーズ4となるかは予断を許さない状況であると考え、本年6月議会において、本市では新型インフルエンザに対する対応準備がなされていないことを指摘いたしました。  といいますのは、政府でも、このような世界の状況を踏まえ、新型インフルエンザに対する水際対策の指針を策定し、もしも新型インフルエンザが発生した場合には、発生国からの入国者が国内で分散することを避け、検疫を強化することから、空港や港の指定を行うこととされています。この指定では、博多港は指定されていませんが、福岡空港は国内指定の4空港に含まれています。つまり、世界流行した場合、海外在留邦人の帰国希望者を受け入れる空港です。これは新型インフルエンザの発生国からの入国に対して、福岡空港で感染が確認されれば、最も近いこども病院・感染症センターに搬送されることになります。先ほどの答弁では、外気圧より低く設定した陰圧室に入院させることから外部感染の拡大はないとのことですが、空港で発見された患者を救急搬送し、病院へ引き継ぐ際の拡大のリスクが全くないとは言えないのが現状ではないでしょうか。ちなみに、本日の昼のニュースで、警察庁は新型インフルエンザ対応計画を発表したと伝えました。全国の自治体が具体的な取り組みを始めています。  6月、私の指摘を理解いただき、本市では危機管理監をトップとした福岡市新型インフルエンザ対策連絡会議の設置がなされたことは一定の評価をいたしますが、人口増加、都市部への人口集中、交通網の発達した現代社会では、患者を発見した空港や、その患者を受け入れた病院を発生源として、短期間で周辺地域並びに市域全体へ拡大していくことが考えられます。新型インフルエンザのような新たな感染症が発生すれば、もはや福岡市だけでは感染症医療は担えない、新たな危機ととらえ、もっと広域的に、民間も含め総合的に対応していく必要が急務です。医師会とも連携し、具体的な取り組みを早急に進めていただくよう要望いたします。  いつ新型インフルエンザが出現するか予測はできませんが、再度申し上げます、WHOと日本の感染症専門機関は、いつ起きても、あす起きてもおかしくないと公式に発表しています。もし今、新型インフルエンザが発生した場合、こども病院・感染症センターでは対応ができないことは明らかであり、地域からも不安の声が上がっています。  先ほど局長は、現こども病院での対応が困難であることから、他の高次医療機関に担ってもらうべく協議を進めていくと答弁をいただきましたが、新型インフルエンザが発生する可能性が危惧され、世界的に流行が懸念される今、市民の生命を守るためにも一日でも早く高次医療機関での1類、2類感染症に対応する体制を実現していただきたく、つまり国への返上を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 160 ◯副議長(久保 浩) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明18日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 161 ◯副議長(久保 浩) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次の会議は明18日午前10時に開きます。  本日はこれをもって散会いたします。                                         午後5時21分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...